既にWindows10に移行を済ませていらっしゃる方は多いと思いますが、未だにWindows7をお使いの方もまた多くいらっしゃると思います。
既にご存知だと思いますが、この大ヒットしたWindows7ですが、マイクロソフト社のサポート期限が2020年1月14日限りということで、ふと気づけばあと9か月余りしか残されていません。Windows7の評判が良かったこともありIT専門調査会社(IDCJapan)の法人に対する調査では2020年上半期の段階で最大で1380万台が移行に間に合わない見通しであるそうです。法人だけでこの台数ですから、個人所有も含めるとゆうに2000万台以上のパソコンがサポート期限切れでも使い続けるかそれとも廃棄するかの選択を迫られることになります。
[
Windows 7のサポート終了、法人PCの移行漏れは約1400万台の見通し--IDC予測]
(ZDnet JAapan より)
【1】2020年1月14日のWindows7 サポート期限切れへの4つの選択
普通に考えると、OSのサポート期限切れが来た場合Window10等の新しいPCに買い替える方法しか思い浮かべませんが、よく調べてみると以下の4つの選択肢があることがわかりました。
(1) Windows7パソコンの使用をあきらめ廃棄し、Windows10パソコンに買い替える。
(2) ウイルスに感染するリスクにおびえながら、使い続ける。
(3) 法人所有のパソコンならば、有償で2023年1月までサポートを受けることができる。
(4) Windowsとは別のOSを乗せ換えて、使い続ける。
【2】 |
選択肢(1) 「Windows7パソコンの使用をあきらめ廃棄し、Windows10パソコンに買い替える。」の場合 |
この選択肢はほとんどの法人や個人がなされると思われる選択肢です。但し注意点があります。それはPCを廃棄する際の一般的にパソコンメーカでの処分を依頼すると「再資源化処理費」として税抜3,000円(税込3,240円)がかかるということです。パソコンショップや家電量販店で引き取り料無料をうたっている業者もありますので廃棄の際には確認されたほうがよいと思われます。
あともう一つ非常に大事な事項があります。それはPCのハードディスクやメモリ等のデータを完全に消去してから廃棄するということです。来年1月からは日本中に大量の廃棄されるPCが溢れかえりますので、そのPCの消されていない情報が狙われる確率も当然多くなります。特に法人が廃棄する場合は厳重にデータ消去の管理は行わなくてはなりません。
数か月後に自分のアカウントが無断で使われていることのないように無料で回収する業者でもハードディスクのデータ消去まで責任を持って行う業者を選ぶことをお勧めします。
【3】 |
選択肢(2) 「ウイルスに感染するリスクにおびえながら、使い続ける。」の場合 |
一般的にこの選択肢はお勧めできませんが、実際の問題として恐らく少なくとも1000万台以上のPCが来年1月14日を過ぎても引き続き使用されていると推定されます。
その際の使用形態と使用形態別のリスクを分類すると、
(A) |
今まで通り何の対策もせず使い続ける。 |
高 |
低 |
これは一番危険です。期限切れからせいぜい数か月はもつかもしれませんが、やめておいたほうが良いです。特にセキュリティソフトがWindows Essentialsを使用していた場合、そのアップデートも停止しますからそれを狙ったウイルスにあっという間に感染してしまう危険性があります。
(B) |
インターネットに繋がず使い続ける。 |
中 |
低 |
この選択肢はおそらくワードやエクセル等の編集専門に使用される用途が多いと思われ、一見問題なさそうに思われますが、実は盲点が潜んでいます。
それはワードやエクセル等の編集時のPCに差し込むUSBメモリのファイルが感染していた場合です。一旦USBメモリ経由で感染してしまうとこのPCで編集したワードやEXCEL等のファイルはほとんど感染してしまうからです。
(C) |
セキュリティソフトだけを更新して使い続ける。 |
低 |
高 |
インターネットに接続したままでも、殆どのマイクロソフト以外の有償のセキュリティ」ソフトベンダーは来年1月14日を過ぎても「Windows7対応」を継続すると思われます。
むしろ、Windows7を使い続けるにはセキュリティソフトだけが最後の防波堤となるので一時的な拡販の絶好のチャンスと捉えて宣伝も多くなると思われます。
お勧め度は(高)にしましたが、これも時間の問題でせいぜい1〜2年程度延長できるだけということは承知の上で使用して下さい。
【4】 |
選択肢(3) 「法人所有のパソコンならば、有償で2023年1月までサポートを受けることができる。」の場合 |
法人所有のPCでかつボリュームライセンスによってWindows 7 EnterpriseもしくはWindows 7 Professionalを使用しているマイクロソフトの顧客に限りますが、有償でWindows 7 Extended Security Updates (ESU)と呼ばれる新たな延長サポートが提供されるそうです。但しサポート価格は年ごとにアップするそうです。
「
Windows 7、有償で2023年までセキュリティパッチ提供する延長サポート。ただし年ごとに増額」
(engadget.com :日本語版より)
【5】 |
選択肢(4) 「Windowsとは別のOSを乗せ換えて、使い続ける。」の場合 |
これまで上げた選択肢は(1)のPCを買い替える以外はせいぜい1〜2年程度の医療で言えばいわば延命措置でしかありませんでした。
そこで、第4の選択肢としてOSそのものをWindowsから別のOS(ubuntu:linuxOS)へ入れ替えてしまう方法を紹介します。
WindowsXPのサポート期限が終了した2014年4月9日のときも一時注目されたPCの再利用方法ですが、現在の(ubuntu)はバージョンが18.04 LTS というロングサポートバージョンとなっており、また操作性及び速度も向上しておりOSの乗り換えとしては絶好の機会といえるかもしれません。
また、ubuntu18.04 LTS をインストールすると、標準で下記のソフトがインストールされています。
・オフィスソフト : LiveroOffice (word,Excel,Powerpointライクなオフィス用ソフト)
・メールソフト : Thanderbird (フリーで一番使用されているメールソフト)
・Webブラウザ : Firefox (世界でシェア2番目のブラウザ)
Windowsで使用していたオフィスソフト等のドキュメントもそのまま継続して使用することができますし、Chromeブラウザも簡単にインストールでき、Gmailもそのまま使用できます。
欠点はWindows上しか走らないソフトは動作しませんから、メールとWebブラウザとオフィスソフトしか使わない方にはお勧めできます。
これらは、すべて無償でダウンロードでき、無償でアップグレードできます。
そこで、簡単にWindows7 からubuntuバージョンが18.04 LTSへの移行手順を下記に述べます。
【6】 |
Windows7 からubuntuバージョン18.04 LTSへの移行手順 |
(手順1) ubuntuバージョン18.04 LTSのライブDVDイメージをダウンロードする。
・以下のダウンロードサイトからubuntuバージョン18.04 LTSのLiveイメージをダウンロードしてください。
Ubuntu Desktop 日本語 Remixのダウンロード
ubuntu-ja-18.04.1-desktop-amd64.iso
(ISOイメージ)をクリックしてダウンロード
(手順2) ダウンロードしたライブDVDイメージをDVDに書くか、USBに書く。
・USBドライブは32Gバイト以上がお勧めです。
・ダウンロードしたISOイメージファイルubuntu-ja-18.04.1-desktop-amd64.isoをWindowsのエクスプローラでマウスの右ボタンでクリックすると、メニューの上から2番目に[ディスクイメージの書き込み]が表示されますので、それをクリックすると、以下の画面が出力されます。
・書き込むメディアがDVDの場合はDVDを挿入したドライブを選択
・書き込むメディアがUSBの場合はUSBを挿入したドライブを選択
・[書き込み(B)] ボタンをクリック
(手順3) ubuntuライブDVD又はライブUSBを起動し、PCにインストールする 。
・(手順2)で作成したDVD又はUSBを挿入してWindows7PCを起動する。
(DVD又はUSBのインストール画面が立ち上がらない場合は、PC起動時にF2ボタンを押し、BIOS画面でBOOT優先順をDVDドライブ又はUSBドライブを先に移動して下さい。)
・ubuntu LiveDVDまたはLiveUSB起動画面で上から2番目の
install ubuntuを選択して以下、インストールの指示に従ってインストールして下さい。
(手順4) インストールしたubuntu18.04 LTSを起動して初期設定を行います。
・インストールの完了後に再起動を行いますと、下記の画像のようにデスクトップ画面が表示されるようになりますので、適宜必要なソフトをインストールして下さい。
ubuntu18.04 LTSのデスクトップ画面