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 シリーズコラム 「よろずIT・ネットワーク情報」 
【第39回】新型コロナウイルス緊急対策<その2> 緊急テレワーキング事始め!
 
 前回に続き今回もますます猛威を奮っている新型コロナウイルス緊急対策として、実際にテレワーキングを行う事を想定して、最も簡単でかつ実用的な具体策を紹介いたします。

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【1】まずテレワークで行う業務範囲を決める。
 テレワークで行う業務範囲といっても各業種により様々あり、とてもすべてをテレワークでカバーできるものではありません。従ってここではいわゆるデスクワークそれもある組織事務所内でのコンピュータを使用してのデスクワークに限った仕事をテレワークに移行することを想定します。
 
(1) すべての業種に共通する業務
 ・メール送受信処理
 ・社内ファイルサーバファイルアクセス処理
 ・社内Webサーバ経由のデータ処理
 ・勤怠管理(日報(タイムレコーダー),プロジェクト別工数管理等)
 ・経費精算
 ・会議・打ち合わせ
 ・電話及びメール等のサポート業務
 ・郵便や宅配便等の受け取り、発送業務

(2) 各業種でかなり内容が異なる仕事
 ・コンピュータを使用しての個々の業務
  (企画、設計、図面作成、データ入力、シミュレーション、コンピュータープログラミング、各種ソフトウェアの操作、その他いろいろ)

【2】各業務形態が既に社内でどのように電算化されているかを整理してみる。

・メール送受信処理自社サーバ/プロバイダ
・社内ファイルサーバファイルアクセス処理社内LAN/クラウド
・社内Webサーバ経由の処理Webアプリの内容による
・勤怠管理(日報,プロジェクト別工数管理等) 紙報告/CRソフト/Webアプリ
・経費精算紙報告/CRソフト/Webアプリ
・会議・打ち合わせWebTV会議システム有り/無し
・電話及びメール等のサポート業務電話サポートが必須か?
メールサポートのみに切り替えられるか?
・郵便や宅配便等の受け取り、発送業務テレワークはほぼ不可能
・コンピュータを使用しての個々の業務コンピュータの能力やディスプレイ等が特に高性能か?
特殊なインターフェースが付属するか?

【3】業務形態はさまざまですが、テレワークツールは以下の3種類があればほぼ事足ります。

(1) シンクライントツール

 (前回紹介したChrome リモート デスクトップのようなPCの端末画面をリモートアクセスを可能にするツール。
 
 (長所)大方のテレワーク需要はシンクライントツールがあれば可能になり、リモート端末からのウイルス等の感染リスクも少ない。
 但し、インストールする際はgoogleのGmailアカウントが1個必要となります。 
 また、VPN経由で組織内LANにアクセスする場合のように、リモート端末に多くのソフトをインストールしておく必要がない。
 
 (短所)リモート画面の解像度等が落ちる場合がある。また、利用する場合は組織内管理職への届け出と利用端末管理を厳重にし、情報漏えいを防止するルールを厳守させる必要がある。
 
(2) VPNソフトウェア(VPNサーバ、クライアントを含む)
 
 組織内LANにインターネット経由でログインし、通常は社内からしかできないネットワ ークに社外からのアクセス可能にするソフトウェア
 
 (長所)ネットワークだけが組織内LANからVPN経由アクセスに切り替わるので、社内のPCをそのまま自宅等のインターネット接続可能なネットワークで稼働させられます。
 高性能のPCや特殊なインターフェースや機器が接続されている場合等に適します。
 
 (短所)ウイルスチェックソフトをはじめ、リモート端末に多くのソフトをあらかじめインストールしておく必要がある。また、VPNのクライアント証明書等の管理も厳重に管理する必要がある。 
 
(3) インターネットを利用したWebTV会議システム

 社内会議や客先サポート、営業活動をオンラインで行いたい場合は、インターネットを利用したWebTV会議システムが大変強力なコミュニケーション手段となります。
 各社さまざまなWebTV会議システムサービスを提供していて、どれを選ぶか迷われている方も多いと思われます。

・WebTV会議システム選択のポイント

 1. 年間経費は?
 2. 最大何名までのWebTV会議が可能か?
 3. カメラ、マイクだけではなく、チャットや画面共有機能はあるか?
 4. 会議中に共有書類(議事録等)を会議参加者で閲覧しながら即時更新が可能か?
 5. スケジューラー等と連携して予約したWebTV会議の招待状を参加者(客先も含む)へ送れるか?
 6. インストールソフトは必要か?(なるべくならインストールソフトはないほうがよい。)
 7. サポートされる端末、ブラウザの種類は?(Chrome,IE,Edge,Firefox等)
 8. セキュリティ上の問題はないのか?
 9. 無料での試用期間は?

・お勧めのWebTV会議システム
● Zoom
(注) 2020年4月1日現在、最も多く使われているWebTV会議システムはZoomミーティング(通称zoom)というシステムで,使い勝手も費用も申し分なかったのですが、つい先日からセキュリティに関する問題点がかなり多く見つかっておりますので、あえて今回は割愛させていただきます。
    Zoom の脆弱性対策について:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

 その代わりと言ってはなんですが、私が使用してみた中で最も手軽に試用でき、機能も必要十分でお勧めできる Google Hangouts Meetをご紹介します。

● Google Hangouts Meet
 googleアカウントをお持ちの方は既にGoogle ハングアウトというチャットやテレビ電話アプリは聞いたことはあるかと思います。Hangouts Meetはこれを改良し、社内会議や客先との打ち合わせを手軽に安全に行うようにしたシステムです。
 日本では今まで利用者がそれほど多くありませんでしたが、その理由は下記に述べる会議室を開くにはG Suiteアカウント権限が必要であり、その手続きが面倒という理由が大きかったからだと推測されます。しかし使ってみるとあまりの簡単さと便利さについつい人に勧めたくなってしまいます。
 
 1. 会議室を開く権限

 ・会議室を開くためには、一般のgooleアカウントではなく、G Suiteアカウントが必要になります。G Suiteは14日間のトライアルが可能ですから、下記のリンクをアクセスして、G Suiteアカウントを取得してみてください。
 (注)会議に参加するだけなら、招待された方はどなたでも参加できます。

     G Suite 使ってみましょう

 2. 会議室を開いて、招待メールを送信してみる

 ・G Suiteアカウントを取得したら、そのG SuiteアカウントでChromeにログインし、以下のURLにアクセスします。

    https://meet.google.com

 ・+ ミーティングに参加または開始を選択して、ミーティングのニックネームを入力し,続行をクリックします。
  
(例)test_meeting
 ・使用の端末にカメラが付いていて許可されている場合は自分の顔が写っていますから、(今すぐ参加)をクリックすると先ほどのニックネームの会議室名が表示されますから、最下欄の「ユーザを追加」をクリックし、メールアドレスを入力し、(+招待)をクリックし、(招待状の送信)をすれば、そのメールアドレスへ作成した会議室へのリンクが記述された招待メールが送信されます。
 ・招待状メールを受信した方が[ミーティングに参加]をクリックして、(今すぐ参加)ボタンを押すと、会議室に入室又は、入室許可待ち状態となります。

 3. Googleカレンダーで会議室を開いて、招待メールを送信してみる

 G Suiteアカウントを取得したらGoogleカレンダーを開き、予定入力のタイトルを入力し、「場所または会議を追加」>ビデオ会議を追加>Hangouts Meetに参加するをクリックし、 ゲストを追加欄に会議参加者のメールアドレスを人数分入力します。

 [保存]ボタンを押すと「Googleカレンダーのゲストに招待メールを送信しますか?」と確認ダイアログが表示されますので、[送信]を押せば各人に招待メールが送られます。
  この際、G Suite以外のメールアカウントが含まれていた場合は、 「外部ゲストを招待]で組織外からのゲストも招待できます。

 4. 会議に参加したあとの操作

 ・自分の画面で資料を見せたい場合 →  画面右下の[今すぐ表示]
 ・チャットしたい場合 →  画面左上の [吹き出し型アイコン]
 ・別のメンバーを招待したい場合 →  画面左上の [人型アイコン]
 ・表示スタイル等を変更したい場合 →  画面右下の [縦型3点アイコン]
 ・マイク、カメラのON/OFF →  画面中央下の[マイク印][カメラ印]
 ・会議からの退出 →  画面中央下の[電話マーク]を押す

 5. Google Hangouts Meetを使った感想

 ・私の場合はすでに14日間の試用期間はとっくに過ぎてしまったので、月額680円を払って、G Suiteアカウントで会議をバンバン作成していますが、予定が決まっている場合はgoogleカレンダーで出席者も登録しておき、予定が決まっていない緊急の打ち合わせ等は、自分で会議室を立ち上げると同時にそのつど招待メールを打って利用しています。
 何よりもありがたいのは、会議の主催者のみが、G Suiteアカウントを持っていれば済みますので、月額680円で25人までのWebTV会議が何回でも開催できて、あと、Googleドライブの共有機能を併用すれば、議事録等も共有と共同編集できてしまうので、これまでやってきたオフライン会議よりは会議そのものの効率は倍以上にあがり、かつ会議ドキュメント等もほぼリアルタイムに完成しますので、これを機会にオフライン会議の回数を極力減らしていきたいと思っています。

(注) 米国時間の2020年3月4日に公開された記事になりますが、この記事によるとG Suiteの一部の機能が2020年9月30日まで、すべての G Suite および G Suite for Education を利用するお客様に向けて、追加料金なしで提供されるそうです。
 高度なビデオ会議機能を、新型コロナウイルス対策に取り組む企業や学校に
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