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『梅雨』

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   2004年 6月 11

 私の住む北陸地方も、そろそろ“梅雨入り宣言”が出そうな気圧配置になってきた。この拙文が掲載される頃には、すでに出されている可能性が高い。いずれにしても、例年通りであれば一ヶ月余に及ぶ“ジメジメとした日々”が続くことになる。もちろん稲作に代表される日本の食文化を育んできた大切な自然現象ではあるけれど、肌にべっとりとまとわりつく湿気と少し動くだけで汗ばむ気温の高さ、いわゆる高温多湿が好きな人はあまりいないだろう。夏が大好きな私でも、梅雨は苦手である。特に外に出るのが億劫になっていけない。
 子供の頃見た映画の中で月形半平太(幕末の勤皇志士であった月形傳蔵と武市半平太を合わせて創作された人物)が言っていた『春雨じゃ濡れていこう』の台詞のように、濡れるのが気にならない程度の雨であればよいのだが、梅雨の雨は大きな災害をもたらすほどの豪雨となることが多く、仕事以外、例えば散歩などで外に出ることにはかなりの勇気と決断が要る。もっとも傘で間に合う程度の雨であっても、散策を楽しむものであればにぎやかな蛙の合唱やツバメの鮮やかな飛翔を楽しみながら歩くのも趣があるが、採りすぎたカロリーの消費を目的とする散歩には意欲を減退させる効果は十分すぎるほどある。必然的に家にいることが多くなる。
 休みのときなど、それでなくても粗大ゴミ化しつつあるのに、高温多湿の環境下でじっとしていれば、カビの生えた巨大生ゴミになってしまいそうだ。考えただけで憂鬱な気分になる。なんとかそういった状況は避けねばならない。そのためには楽しいことをやることが一番だと分かってはいるが、私がこれまで実践してきた唯一の楽しみが最近になり 、ある事情によって不可能になってしまった。ずぼらな私にとって雨の日曜日の唯一の楽しみは、ゆっくりと昼近くまで駄眠をむさぼることだったのだが、近頃では今までの朝寝坊がうそのように早起きになり駄眠できなくなってしまったのだ。早起きになってしまった原因は、 およそその察しが付いている。しかし、この原因を取り除くことは、誠に残念ながら不可能だ。したがって、新たな楽しみを見つけなければならない。しかも、金欠病という病を患っている関係上、金を使うという病を悪化させる行為は厳に慎まなければならない制約がある。この制約をクリヤーし、しかも梅雨を楽しむ方法をいくつか考えてみた。

  (1) 雨垂れを聞きながら酒を飲む。ただし、梅酒は除く。
  (2) 睡眠効果のある本を読む。専門書がお勧め。
  (3) 家の中で、腹筋運動、腕立て伏せ、スクワットなど老化防止の運動をする。
  (4) 手料理・掃除などで大蔵大臣へ接待攻勢をかけ、財布の紐が緩むのを待つ。
  (5) 「♪♪雨雨降れ降れ……♪♪」を歌いながら散策が楽しめる風流人になる。

 私としては(1)がもっとも得意だが、これとて体力と財力が大きく関与することに気がついた。また、(2)は毎晩やっているので新鮮味がない。適度な疲労を体感でき、しかも上手くすればこの疲労によって早起きが治まる可能性のある(3)も魅力だが、一人で続けるには老化の自覚にやや欠けているため、継続に自信がない。(4)は実現できれば即実行したいが、こちらの接待に対し果たして我が家の大蔵大臣が気分を良くしてくれるかどうかが問題で、いつものこと、と捉えられてしまうと“労多くして得るものなし”と言ったことになりかねない。やや危険である。結局のところ、(5)が一番無難なようである。
 風流人といっても詩歌を詠う才能も無いので、漢字の通り“風に流されあっちにフラフラ、こっちにフラフラ”と近くの野山に出かけ、自然を楽しむことにする。早速だが、これからは木イチゴや野いちごが美味しい。枇杷(ビワ)もそろそろだ。
 おっと、風流人とはやや違う楽しみを披露してしまったが、梅雨と言えば何と言っても紫陽花(アジサイ)だろう。土壌によって花の色が変化するそうだが、散策が楽しめる程度の雨には紫陽花の花が良く映える。私の田舎(静岡県周智郡森町)には、「あじさい寺」と呼ばれているお寺(極楽寺)があり、それは見事である。

 



 


 


 


 
   

【文責:知取気亭主人】

 

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