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連日真夏日が続いている。朝、顔を合わせれば『暑い!暑い!』が挨拶代わりだ。会社に行っても、『おはよう』に続く言葉は、『今日も暑くなるぞ! いやになるな』が決まり文句に成ってしまった。他の言葉がなかなか見当たらない。しかし、暑いといっても人間は、いやいや「日本人は……」と特定してもよいのかもしれないが、動植物に比べ文明の利器を駆使できる分、暑さ対策の選択肢はかなり多い。特に、自らの意思で自由に移動できない植物とは比べるべくもない。その人間でさえ熱中症で倒れる人が後を絶たないのだから当然といえば当然なのだが、動物にもどうやら熱中症が蔓延しているようだ。
毎年我が家のクチナシの木をレストラン代わりにしてくれるアゲハチョウが、今年は一向に姿を見せない。例年であれば梅雨の中ごろから8月一杯まで丸々と太った幼虫が集団発生し、“葉をご馳走になったお礼に”と黒ゴマに似た糞をプレゼント(?)してくれるのだが、今年は食べられた形跡もなく、あまり嬉しくないプレゼントにも未だにお目に掛かっていない。クチナシの木にとっては有難いことではあるけれども、待ち遠しくもある。
昨年は、「どうぞ、どうぞ」と食べるに任せていたら、遠慮会釈もなく見事に葉を食べつくしてくれた。お陰で今年の開花がずいぶんと遅れ、花の数も例年の三分の一程度に減ってしまった。「今年は、申し訳ないが勝負させていただく」と秘かに間引きの決意をしていたのだが、相手が現れないので勝負にならない。このままいけば、どうやら今年はクチナシにとって安泰の年になり、来年の春には例年通りあの大好きな香しい匂いが期待できそうだ。その一方で、もう来ないのではないかと
不安でもある。昔テレビで流れていたコマーシャルの中で『幾つになっても来るものがこないと不安』の台詞を口にしていた小母さんの気持ちがよく分かる(?)。
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