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『大雪に依る経済損失』

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   20040130

 金沢では、先週の木曜日(22日)から3年振りの大雪に見舞われている。積雪は、3年前の80p強に比べ22日の昼過ぎで49pと大したことはないが、風が強く地吹雪状態が日中も続き、通常であれば最も気温が高くなる昼過ぎに当日の最低気温−4.1℃を記録した程低温であった。その影響で北陸自動車道路が閉鎖、一般道は大渋滞、JRも運休する列車が続出、さらには空の便も欠航が相次ぎ、金沢は一時陸の孤島となった。
 丁度運悪く当日出張予定があり、だいぶ遅れている、との情報は得ていたのだが取りあえず駅に向かった。発車時刻を1時間ほど過ぎてもまだ動いていない列車がホームに停車していたのでそれに乗り込み、3時間ほど出発を待ったが一向に動く気配がない。気が付いてみるとその間1本の列車も入車していない。今日は動かない、と判断して出張は取り止めることにした。同じ列車で出発を待っていた4人グループ(話しの様子では出張帰りの感じだった)も帰ってからの出社を諦めたのか、「飲みながら待とう」と美味そうにビールを飲み始めた。それを横目で見ながら改札に向かい、払い戻しの清算をしている時に、全ての列車が運休される、との放送があった。出張取り止めの判断は正しかったのだが、会社を出て帰社するまでの約5時間、ビールを飲めるでもなく、仕事ができるでもなく、近頃では珍しく非生産的な時間になってしまった。

24日(土)、左端の車を大通りまで出せるように費やした時間は、4人で4時間


 考えてみると、朝晩の通勤時間も通常の2〜5倍の時間が掛かってしまっている。会社と家での除雪も無駄と言えば無駄な時間である。列車の中で一晩を過ごした人も200人以上いたそうだから、当日北陸地方にいた人達はこの大雪により極めて長い無駄な時間を過ごした、言い換えれば大きな経済損失をしたことになる。どの程度の経済損失になるのか、物凄く荒っぽい方法ではあるが計算してみることにする。
 まず、計算条件を決めなければならない。そこで、この雪の影響は等しく石川県全県に及び、全ての就労者が影響を受けたものと仮定する。他の計算条件は次の通り仮定する。
   ☆ 石川県の人口約118万人、就労人口が約62万人(総務省統計局より)
   ☆ 62万人の平均年収を500万円とする
   ☆ 勤め先が必要な売上は、経費を考慮して年収の約2.5倍1250万円とする
   ☆ 計算簡略化のため年間稼働日数を250日とする(1日当たりの賃金は5万円)
   ☆ 除雪や移動時間の遅延など、雪による非生産活動時間を4時間とする。
以上の条件で計算すると、雪による1月22日一日の石川県に於ける経済損失は

  62万人 × 5万円/日 × 0.5日 = 155億円

と、とてつもない金額になる。宅急便の集配は全て止まり、物流が機能しなくなってしまったことを考えれば、あながち荒唐無稽な数値ではないような気がする。尤も、除雪用のスコップ類が品切れになったり、長靴が品薄になったとの情報もあるから、一部の業種ではこの大雪が追い風になったものもある。アルコール類の消費量も増えたと思う。いや、きっと増えた。只、たとえ除雪に疲れ、通勤にイライラを募らせ、結果腹立ち紛れにビールの大瓶2本をいつもより余分に飲んだとしても、酒の肴を一品余分に付けたにしても、経済損失の1割も補填できない。酒飲みのGDPへの寄与が意外と小さいことが分かる。気はとても大きくなるのだが……。
 いずれにしても、雪があるからこそ雪国なのだが、一旦牙を剥いた雪は経済活動を麻痺させてしまうほどの力があることを、3年ぶりに思い出させてくれた今回の大雪であった。

【文責:知取気亭主人】


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