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一昔前まで、結婚適齢期の女性にとっての理想の男性像は「3高を満足している人」、とよく言われていた。(1)高い身長、(2)高学歴、(3)高収入の三つである。男性側から言わせてもらえば「自分のことは棚に上げてよく言うよ!」となるのだが、女性の売り手市場だったのか身の程知らずの願望が流行語になっていた。『男の99パーセントは一つや二つ欠けているものだ。それを三つとも揃わないとダメだとは……。女は愛嬌、男は度胸じゃないのかい!』と、多くの男性は心の中でそう叫んでいたはずだ(多分!)。といっても、恐ろしくておくびにも出さないが、実は男性自身も身の丈をわきまえない大それた欲望を持っている。私は決してそんなことを思っていないのだが、世の男性の一般的な願望だとして言わしてもらえば、(1)見とれるほどのナイスバディ、(2)見当も付かないほど多額の持参金、(3)見事な料理の腕前、の「3見」を満足する女性が望みなのだ。とうとう言ってしまった……。
いずれにしても、女性にしろ男性にしろ自ら頭の中で描く理想のお相手は、巡り合う可能性がある限り高いに越したことはない。しかしながら、現実とのギャップがありすぎると白馬の王子様の世界になってしまい巡り合うことは大変難しい。今の時代でいえば、間違っても「ヨン様」を理想の男性としないことだ。多分、「冬ソナ」のシーンを思い浮かべながら一人年老いていくことになってしまう。そんな現実を理解したのか、それとも価値観が変わったのか定かではないが、「いまどきの若い女性は3低の男性が理想らしい」との話題が11月29日のNHKラジオから流れてきた。呉々も言っておくが「サイテイ」ではない。
「3低」などとは初めて聞く言葉だが、(1)低リスク、(2)低依存、(3)低姿勢の三つを言うらしい。かの「3高」に無理やり語呂を合わせた感は否めないが、聞けば“なるほど”と妙に納得してしまう。ではどんな意味なのか、私なりの解釈を交え説明をしよう。まず低リスクとは、「高収入でなくても良いからリストラにあったり、倒産したりする危険性の少ないところに勤めていること」で、言い換えれば安定していてそれなりに生活できれば少々給料が安くても良いということになる。正に、バブル崩壊の嵐が吹き荒れている今の世相を反映したもので、鍋底景気を象徴した超現実的な願望といえるのではないだろうか。
次の低依存については、まことに恥ずかしい話だが実は依存する相手が奥さんだったか両親だったか記憶が定かでない。したがって、ここは独断と偏見で話を進めるしかない。依存相手は奥さんということにしよう。すると低依存の意味は「奥さんに依存しないで何でもできること」となる。要するに、炊事は勿論のこと洗濯、掃除など家事全般ができてあまり奥さんを必要としない人ということになるだろうか。共働き家庭の理想像とも言えなくもないが、「頼られる喜び、必要とされる嬉しさ」が実感できないのではないかと私としては寂しさを感じてしまう。
三つ目の低姿勢とは、昔の亭主関白にとっては到底無理な注文で「命令口調は使わないでやさしくしてくれること」となる。これなどは、「ヨン様」の影響をもろに受けていると見て間違いないだろう。頑固親父からイメージされる『オイ! 風呂! メシ!』の至極効率的な常套語も当然禁句である。世の男性は、努めて女性に優しくしなければいけない。たとえ顔は「ヨン様」に見劣りしていても、心は「ヨン様」にならなければ乙女(?)のハートを射止めることは難しい、と心得ておくべきだ。我々が育った時代と比べれば随分と様変わりしたもので、“男らしさ”よりも“中性的な優しさ”が求められているのはテレビの出演者を見ていてもよくわかる。私はどうも苦手だ。もっと違う優しさがあるような気がするのだが……。
こうして改めて書いてみると、どうやら今の女性は「家事が趣味のマスオさんタイプの亭主」がお望みらしい。私には無理だ。端から対象外であることを承知で言わしてもらえば、『低とは言うがやはり高望みですよ』ということになる。一つや二つ欠けていても我慢していただきたい。世の男性を代表してお願いしておこう。お互い、身の丈を知ることも必要なことだ。
ところで、手が届かない高望みを「高嶺の花」というが、拙文のお口直しならぬお目直しと言うことで、本物の高嶺の花を紹介して終わりとしたい。男も女もやはりこの写真のようにいつまでも美しくいたいものだ。そのためにはお互いが幸せを感じていることが必要で、その基本が、外見のナイスバディーではなく、ビューティフルハートであることを忘れないことだ。
なお、写真は我が社のビューティフルハート&ナイスガイのS・T氏提供による。撮影場所は立山と聞いている。
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