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『民間療法』

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   2004年 11月 26

 風邪を引きやすい季節になってきた。ここ数年ひどい風邪を引いたことはないが、ややもするとちょっとしたことで風邪気味になることが多くなってきた。平熱より0.5度前後高いだけなのだが体がだるくなり、やることなすこと億劫になっていけない。気だけは若いのに、休肝日を設けなくても差しさわりがなかった体力は、残念ながら過去のものとなってしまった。
 先日も、ウォーキングを済ませ汗をかいたままほんの20分ほど柔軟体操をしていたら、その夜のうちになんとなく熱っぽくなり体がだるくなってきた。うがいをして体の中から暖めてくれる特効薬のお世話になり、杯も重ねず早々に寝床に入った。寝ながら『抵抗力の衰えは悲しいくらい見事だ。これも歳のせいか?』と思っていたが、どうやらそうでもないらしい。
 11月16日の朝日新聞によれば、同じ条件下であっても風邪を引きやすい人と引きにくい人がいるようだ。それは、のど元(専門用語では上気道)の温度が関係しており、体温と同じように36度前後の人は引きにくく、運動をした後などに34〜35度と体温より低くなる人は引きやすいそうだ。特に風邪が流行しやすい冬に運動した場合、運動後のケアがその後の体調を左右するので、まず汗をかいたら運動の途中でもこまめに着替え、とにかく体を冷やさないようにすることが基本のようだ。次にのど元を暖めて、温度と湿度を保っておくことが風邪を引かないコツらしい。のど元が冷え34度前後になると、上気道の粘膜に感染するライノウイルスが増殖しやすくなり、風邪を引くことになる。実験の結果、風邪に強い人はこの上気道の温度が36度前後と体温とほぼ同じだったとのことだ。やはり、マフラーかタオルでのど元を保温するのが良さそうだ。
 そういえばまだ子供だった頃、風邪を引くとフライパンで焼いた塩を手ぬぐいに包み、熱い塩のところが丁度のどに当たるようにとカーボーイのマフラーよろしく首に巻きつけられた記憶がある。火傷するくらい熱い塩でイヤイヤ当てていたが、いまから思えば理にかなった治療法だったのかもしれない。これまでよくある民間療法の一つぐらいにしか思っていなかったが、ひょっとしたら先祖が藩お抱えの医師だったという母方の秘伝療法である可能性も否定できない。特許をとっておけばよかった!

 冗談はさておき、「医者に掛かるほどではないが早めに手当てしておかないと重症になる恐れがある病気の初期症状」には我が家の焼き塩に限らず日本を始め世界各地に独特の民間療法があり、時々新聞や雑誌などでそのユニークな方法が紹介される。市販の薬にその地位を脅かされていく民間療法だが、“マツモトキヨシ”や“クスリのアオキ”など薬のチェーン店が未だ無く、富山の薬売りが紙風船をお土産に置き薬を補充していた時代には、私が経験したと同じように各家庭独特の治療法が数多く残っていたことだろう。我が家にも“焼き塩マフラー”以外の秘伝療法があり、葛湯(くずゆ)に生姜の絞り汁を加えたものを風邪の妙薬として飲まされたことがある。砂糖が入っていたので甘くはあったが、美味しかった記憶はない。ただ、小中高と病気や怪我で休んだことが無かったから、秘伝だけのことはあったのだろう。また、結婚してからは“みじん切りにしたたっぷりの葱”と“かつお節”を味噌でこねるようにして合え、熱湯を注いでスープのようにしてよく飲んだ。最近ではやらなくなったがこの量が半端でなく、どんぶり一杯を一気に飲むのだ。しかしこれが意外と風邪の引き初めには良く効き、私の大好きな特効薬以上の薬効があったのを覚えている。体の芯から温まり布団に入れば不思議とよく汗が出て、翌朝にはすっきりと熱も下がったものだ。
 我が家の秘伝ではないが、今の季節になるとよく耳にする民間療法もある。最近はやりの“カテキンを多く含んだ緑茶でのうがい”や“梅干に番茶を注いでフウフウ言いながらこれを飲む”は時々実行しているし、“焼き梅干を食べる”なども知り合いのお婆ちゃんに教えてもらったことがある。ただ不思議なことに、巷で風邪の妙薬と言われている “玉子酒”はいまだに試したことが無い。酒も卵も嫌いではないのだが、なんとなく酒に申し訳なくて試す気にならないでいる。
 ところで、先ほど葛湯に生姜の絞り汁を入れて飲んだ話を書いたが、葛は風邪の漢方薬としてよく知られている「葛根湯(かっこんとう)」の主材として使われていることから、我が家の秘伝は意外と正統派なのかもしれない。

【文責:知取気亭主人】

 

葛の葉


実(砂漠緑化用に採取される)

 

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