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『テロテン? テルペン?』

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   2004年 5月28

 以前にも書いたが、私は“ながら”ができる点が好きでラジオを良く聞いている。好きというだけでなく、数少ない情報源としてもとても有り難い存在である。特に朝晩の通勤に要する僅か1時間弱が、私の情報収集の貴重な時間となっている。しかしながら、ラジオは大変有り難い便利な情報源ではあるけれども、耳から入った情報をどの様に記憶に留めるか、という極めて重要な、しかも私にとっては一番苦手な問題を抱えている。事故を起こさないように細心の注意を払い、信号にも従順に従って(?)運転している私にとって、書き取ることは勿論できない。ラジオを聴きながら、「これは良い情報だ。記憶の引き出しに入れておこう」と意識を働かせるわけだが、全神経の9割近く(多分)を運転に集中しているだけに、入れる寸前に様々な手違いを生じることが多い。
 例えば、入れる引き出しを間違えると、入れたことすら忘れほとんど思い出すことはない。一方、「永く記憶を留めるには、二番目の引き出しに入れておくと良い」なる説に従い、確かに二番目の引き出しに入れても肝心の情報を間違えると、情報の確認作業に手こずり、最悪の場合旬を過ぎたタケノコのように煮ても焼いても食えないことになってしまう。図らずも今回は、その後者の経験をしてしまった。


 5月19日の朝、ラジオから流れてきた情報は私に
とってすごく新鮮なものだった。確か大筋では、『風薫る5月と良く言われていますが、あれは本当なんです。5月は丁度若葉の季節ですが、若葉に付く雑菌を除菌しようと木自らがテロテン物質という芳香性化学物質を出し、これが臭うのです』というような話しであった(確か)。「これは覚えていなければ」と私の知りたがりセンサーが働き、早速二番目の引き出しに入れることにした。入れたキーワードは、「テロテン物質」、「雑菌を除菌」、「芳香性化学物質」と、私が苦手とする二つ以上の情報であったが、運転への集中を7割に落とした甲斐があって何とか忘れないで会社にたどり着くことができた。会社に着くなり、忘れてはいけないとメモを取った。ところがである。広辞苑を調べても、インタ       



天然記念物の花の木

ーネットを調べても、テロテン物質なるものは、存在しない。「そんなバナナ」と駄洒落をいいつつ、我が家にある木に関する本を調べてみても一向に引っ掛ってこない。「確かにテロテンと言っていた筈なのに、そんなに専門的な用語なのかな」と半ば諦めかけていた時、大学生の娘に農学部の友達がいることを思い出した。

 農学部の学生であれば植物のことは良く知っているだろう、ということで早速娘に電話を入れことの顛末を説明し、テロテン物質の正体を解き明かすお手伝いをお願いした。さすが現役の大学生である。いくら調べても引っ掛ってもこない謎を、見事に解き明かしてくれた。
 その結果、入れた引き出しは確かに二番目だったのだが、恥ずかしながら入れる情報を間違えていたことが判明した。「テロテン物質」ではなく「テルペン物質」だったのである。4文字のうちたった2文字(?)しか間違えていないが、これでは調べられない筈である。因みに、「テルペン物質」で調べてみると、広辞苑にも出ているし、勿論インターネットでも沢山の情報が掲載されている。やはり引き出しに入れる情報は正確でなければならないことを思い知らされた。
 ところで、娘の友達のお陰で、記憶の奥底にしまわれていて思い出せなかった言葉も思い出した。一昔前、森林浴の効能が盛んに世に喧伝された時期があったが、その頃記憶の引き出しに入れた筈の「フィトンチッド」である。樹木から放散される物質で、ストレスを和らげて爽やかな気分にさせてくれる効果がある、との記憶もよみがえってきたが、驚いたことにフィトンチッドの主成分が「テルペン物質」だったのである。また、フィトンチッドはロシア語で、「樹木から放散されて微生物などを殺す働きを持つ物質」を意味する、という衝撃的な情報も得ることができた。煮ても焼いても食えない状態から救ってくれたのは、娘の友達である。この場を借りて感謝したい。ありがとう。

 なお、「テルペン物質」も「フィトンチッド」も二番目の引き出しの一番上に入れ直したことは、勿論である。

【文責:知取気亭主人】

 

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