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『ウナギ』

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   2004年 7月 23

 今年もウナギが大量消費される日がやって来た。「土用の丑の日」である。ウナギにとっては有り難くない響きの言葉だが、そもそも「土用」にはどんな意味があるのだろうか。広辞苑には、「暦法では、立夏、立秋、立冬、立春の前18日間をそれぞれ、春の土用、夏の土用、秋の土用、冬の土用といい、普通夏の土用を指している」と説明されている。要するに我々がごく普通に使う「土用」は、7月下旬〜8月上旬の立秋(今年は8月7日)までの約20日間に渡る真夏の最も暑い時期を指している。中でも丑の日を「土用の丑の日」と呼び、今年は7月21日がその日に当たる。
 その真夏の暑い日に、なぜウナギを食べるようになったのだろうか。「土用の丑の日」にウナギを食べる習慣は平賀源内が広めたといわれており、「知り合いのウナギ屋に真夏の客寄せを頼まれ、『土用の丑の日にウナギを食べると夏バテしない』といったたぐいのキャッチコピーを考えてこれが広まった」という話しを良く聞く。真偽のほどは定かではないが、ウナギにはビタミンAやタンパク質が豊富で夏バテ気味の体に良いことは本当のようだ。

 ウナギの旬は、産卵に向けて川を下る秋らしいが、私の中の旬はやはり夏だ。私が子供の頃、夏休みになると友達と良くやった遊びがあった。水田横の小川を上流と下流で堰き止め、間の水を汲み出して魚や川蟹を取る遊びで、確か「かいぼり」と呼んでいた。時として農家の人に追われることもあったが、釣りよりも確実に沢山の生物(時にはヘビもいた)を捕まえることが出来た。フナやドジョウが主な収穫で、運が良いとウナギが捕れるときもあり、そんな時は魚屋に売りに行った。細くて小振りなウナギを普通サイズのものと区別して「メチョロ」と呼び、普通サイズが一匹20円、メチョロが10円位で買ってもらったような気がする。まだ日本が貧しかった時代の子供にとっては、貴重な収入源だった。当然当時は、捕ったウナギは全て売りに行き、食べた記憶はない。天然のウナギが滅多に口に出来ない今から思えば、残念なことをしたものだ。
 ところで、関東と関西では開き方が違うことをご存じだろうか。関東では、背筋から包丁を入れ黄色い腹の皮を残して開く背開き、関西ではその反対に背中の皮を残して開く腹開きが一般的のようだ。「関東は侍が多く、腹から開くのは切腹を想像させるため忌み嫌われ、背開きになった。一方、関西は商人が多く、腹を割って取引をすることが尊ばれたことから、腹開きになった」というまことしやかな話しを聞いたことがあるが、確証はない。また、ラジオから流れてきた情報によれば、関東では白焼きにした後一度蒸してからタレを付けて焼き、関西では蒸すことはないそうだ。蒸すと皮が柔らかくなるそうだが、どちらの方法で料理するにしても皮まで全て食べるのが良さそうだ。皮にはお肌によいコラーゲンが豊富なのだそうで、曲がり角を迎えたご婦人には是非教えてあげたいものだ。「潤いを取り戻せますよ!」と。
 もう一つ、ビックリ仰天の情報をラジオから得た。「ウナギの血液には神経毒(イクシオトキシン)が含まれている」というものだ。料理研究家といわれたラジオの出演者は、『ウナギの血液には神経毒が含まれているので、ウナギの刺身は素人が調理しない方がいいでしょう。プロはその辺気を付けて料理しますから大丈夫ですよ』と、事も無げにいうのだ。「毒があるものを我々は知らずに食べていたのか!」と俄に心配になり、家に帰り早速調べてみた。その結果、その神経毒は熱に極めて弱く火を通しただけで毒性は失われることが分かった。ヤレヤレと安心すると同時に、「これで、“ウナギの毒で知取気亭さん入院”の記事を提供せずに済んだ!」と安心しながら飲んだビールの美味かったこと。それにしても、浜名湖の近くで育ちながらウナギを刺身で食べることも知らなかったことも含め、血液に毒が含まれているとはドッキリである。ただ、なにやらサスペンスの材料になりそうな情報で、得した気分になったことも確かだ。
 ウナギは、まだ解明されていない事が多い魚で、産卵場所もまだ解明されていないらしい。雌雄同体であることも大変珍しく、海から川に遡上するときは雄で、川から産卵のために海に下るときは雌になるとのことだ。したがって、我々が口にするウナギの多くは雄ということになる。男の私としては、雄の哀れを感じずにはいられない。

【文責:知取気亭主人】



  
 

ウナギがいそうな池に咲いた蓮の花

 

 

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