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『ビール腹に注意』

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   2005年 04月 22日

 顔立ちや体つきが美しいさまを「容姿端麗」とか「眉目秀麗」と言う。最近ではあまり聞かなくなったが響きのよい美しい日本語だ。今の若い人達の言葉を借りれば、「チョー綺麗」あるいは「カワイ〜ィ」とでもなるのだろうが、今ひとつしっくりこない。流行に後れまいとテレビで聞いた「カワイ〜ィ」を家で練習しているのだが、イントネーションが微妙にずれるところを家族から『違う!』と言われ、半ばあきれ顔で手厳しい評価をされている。気だけ若くてもダメなものだ。
 話は戻るが、「容姿端麗」を始めとして「花冷え」や「桜雨」あるいは「たおやか」など、残しておきたいと思う美しい日本語が次々と忘れ去られようとしている。言葉も時代と共に変化していくものだから仕方がないと言ってしまえばそれまでなのだが、微妙な言い回しの短い言葉の中に豊かな表現力が秘められている日本語、しかも響きの美しい日本語が失われていくことはとても残念だ。

 美人の例えとして使われていた「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」も響きが良くて私は好きだが、残念ながらこれも死語になってしまった感がある。子どもたちに聞いても意味不明の言葉としか聞こえないようだ。百合はさておいて、芍薬や牡丹が花の名前であることすら分からない。したがって、何のことを言っているのかさっぱり想像がつかないのだ。そう言えば、かく言う私もここ数年使ったことがない。決してこの言葉を忘れたわけではないし、私の回りに美人が少なくなった訳でも……。それとも顔は美しいのだが体つきが……。あまり大きな声で言えないのが私の置かれた立場を何となく表しているのだが、この微妙な言い回しを是非ともご理解いただきたい。
 冗談はさておいて、この死語となった例えの対極として、お世辞にも美しい日本語とは言えない言い回しがある。「立てばビア樽 座ればタライ 歩く姿はドラム缶」である。響きは良くないのだが語呂が良いのでよく覚えている。これは女性ばかりでなく男性を対象としても十分通用する言い方で、相撲取りなどにはぴったり当てはまる。ところが最近のバラエティー番組を見ていて、この言葉が意味する体型を売りにしている芸人がたくさんいることに気が付いた。飽食時代の落とし子なのだろうが、以前に比べてあまりにも立派な体形の芸人が増えているのだ。上品な言い方をすれば「ふくよかな体つき」となるのだが、過ぎたるは何とかであまりにふくよか過ぎると、心臓への負担を始め健康は大丈夫かと心配になってしまう。美しい日本語どころの話ではない。

 しかも先ごろ(4月8日)、私の心配を裏付けるようなデータが日本内科学会で発表された。日本動脈硬化学会や日本糖尿病学会など関連8学会がまとめた「内臓脂肪のたまり具合をウエストサイズで判断する診断基準」である。要するに、ウエストがある一定のサイズ以上に太っていると心筋梗塞になりやすいというものだ。一定のサイズとは、「男性が85センチ以上、女性が90センチ以上」である。私でも88センチあるのだから、テレビに出ているふくよかな体形の芸人は軽く100センチは超えているに違いない。勿論ウエストだけで診断するわけではないが、黄色信号がともっていることに間違いなさそうだ。
 このデータを耳にしてすぐ、『先生、あの基準サイズは当然身長によって違ってくるんでしょ!』と掛かりつけの医者に聞いたところ、『身長による違いはありません』とにべもない返事であった。どうやら、このサイズを越えると内臓に脂肪がたまっている確率がグンと上がるようなのだ。したがって、血中脂肪がたまっている指標となる中性脂肪やコレステロールなどの数値と合わせて、心筋梗塞注意報を出したわけだ。
ウエストサイズ以外の数値は、
   (1) 中性脂肪が150r以上または、HDLコレステロール(善玉)が40r以下、
   (2) 最大血圧が130以上または最小血圧が85以上
   (3) 空腹時血糖値が110r以上
の3項目で、この内2項目が当てはまると内臓脂肪症候群(メタボリックシンドローム)と呼ばれ、動脈硬化が進行し心筋梗塞に繋がる恐れが高くなるという。外見は痩せていても、世に言うビール腹、俗に言う隠れ肥満の方は十分注意をしていただきたい。心筋梗塞の魔の手から逃れるためにも、食べ過ぎ飲み過ぎに注意し適度な運動を心がけることが肝要だ。呉々も「立てば焼酎 座ればビール 歩く姿は千鳥足」などと揶揄されないよう注意をしていただきたい。

【文責:知取気亭主人】

 

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ユリ

 

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