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今回も最初に小惑星探査機「はやぶさ」に関する新しい情報を紹介しておく。20日19時のNHKニュースによれば、19日(土曜日)の夜に「ターゲットマーカーの投下」と「第1回目の着陸と試料採取」に向け降下を開始し、高度17mまで降下したことが確認されている。しかし残念なことに、マーカーの投下には成功したものの、主目的である着陸と試料採取には失敗した模様だ。25日に再挑戦を試みるとのことだが、今度こそ成功させてもらいたいものだ。
さて、四方山話を書くようになってから、私の夜の生活(?)はかなり規則正しくなってきた。水曜日に掲載されたその日の夜から次の話題を何にしようかと考え、木曜日から土曜日にかけては酒を飲みながら文章の構成に悩み、日曜日に文章を書き、月曜日から掲載までの昼休みに校正をする一週間が暫く続いている。
興味を引いた話題が多いときは、次週のテーマまで既に決まっているときもあるし、逆に日曜日になってもテーマが決まらず、月曜日や火曜日の夜中までかかってしまうこともある。結構、悩んでいるのだ。
“今回は”というと珍しく興味を引いた話題が多く、前回の第125話を書いているときから既にテーマを決めていた。年齢制限によって閉ざされていたプロ棋士への道を、自らの手でこじ開けた35歳の新人瀬川晶司さんの話だ。「将棋の世界に遅咲きの中年ヒーローが誕生した」との内容で、タイトルも「あきらめない」と決めていた。
ところがである。私のささやかな構想をものの見事に裏切ってくれた、とんでもないニュースが飛び込んできた。折角話の展開もまとまっていたのに、「あきらめない」をあきらめ、また最初から考えなければならないことになってしまった。しかし飛び込んできたのが、建設に携わっている人なら誰でも仰天するようなニュースだったから仕方がない。
11月17日、国土交通省は、「千葉県市川市にある一級建築士事務所が構造計算書を偽造し、耐震性に問題があると疑われるビルが建築中のものも含め21棟ある」と発表した。「今年の10月に、建築確認の手続きを行う建築関連検査会社が計算書の不審点に気付き、偽造の疑いが発覚した。国交省などが再点検したところ、既に完成している川崎市と船橋市のマンションは、基準の3〜7割の耐震性しかなく、震度5程度の揺れでも倒壊する恐れがあることが分かった」という恐ろしい内容だ(2005年11月18日、朝日新聞朝刊)。
耐震性が疑われている21棟は全て首都圏のビルだ。それでなくても「首都圏直下型地震」が取り沙汰されている時期だけに、偽造した建築士の責任感や正義感のなさにあきれ返ってしまう。他人事のようなインタビューを聞いていると腹さえ立ってくる。
21棟の中で既に完成しているビルが14棟(ホテル1、マンション13)、残りの7棟は工事中か着工前だったという。着工前のビルは“運がよかった”とほっと胸をなでおろすことが出来るが、工事中や既に完成しているビルは大変だ。中でも完成してしまっているビルは、耐震補強で対応できるのか、あるいは建て替えなければならないのか、建築主にとっては“はらわたが煮えくり返るような”頭の痛い問題を抱えることになってしまった。どちらにしても、莫大な費用と多くの時間を必要とする。それを誰が負担するのか、高額な建築物に対する瑕疵だけに、負担できない企業や個人も出てくることが予想される。
しかも、建物だけの被害に留まらない。ホテルの「京王プレッソイン茅場町」(東京都中央区、地上14階建て)は、今年の8月5日にオープンしたばかりなのに、疑惑が発覚した翌日の18日、顧客の安全を考えやむなく営業中止を決定した。営業損失はどれほどになるのだろうか。ホテルにとっては苦渋の決断だったに違いない。
一方、完成しているマンションには分譲も賃貸もあるという。賃貸はまだしも、分譲マンションの場合は所有者が個人だけに、「“どこ”と“どこ”に責任があり、どのように責任を分担するのか」が明確になるまで時間がかかりそうだ。一生の買い物として購入した人にとっては、どこに「ふざけるな!」の罵声を浴びせたらいいか、一刻も早く明確にしてほしいと願っているはずだ。
ところが「この建築士は過去5年間で他に約90棟の構造計算を請け負っており、被害は更に広がる可能性がある」というから、ことは深刻だ(2005年11月18日、朝日新聞朝刊)。
責任の所在で言えば、構造計算書を偽造した姉歯一級建築士の責任が最も重いことは自明の理だが、例えばマンションであれば「設計」、「検査」、「施工」、「施工主・販売」と多くの企業が関わっていることや、彼の事務所が構造計算を下請けや孫請けとして作業している場合もあるというから、“責任のなすりあい”になることは容易に想像が付く。現に、建築確認の手続きを行った建築関連検査会社の一つ「イーホームズ」は、自社の責任を否定しているという(2005年11月19日、朝日新聞朝刊)。
しかし、「建築に対して専門的知識を持たない人が購入する高額商品を検査する」という重要な責務を負っていることを考えれば、検査会社も責任を逃れることは出来ない。また、建築確認検査業務を民間に許可した国の責任も問われることになるだろう。そして当然のことながら、姉歯建築士事務所に発注した元請、建築を請け負った建設会社
、さらには建築を認可した行政の責任も追及されることになる。
いずれにしても、解決の長期化は誰のためにもならないことをお互いが理解し、一刻も早く対策を講じることが重要だ。そのためには、重層下請けの構図や安値受注のヒズミを白昼の下にさらすことも必要なことなのかもしれない。 |