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『人間が変温動物になる?』

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   2005年02月04

 2月の声を聞いたとたんに日本列島は巨大な冷蔵庫に入ってしまった。今冬一番の寒気団が南下して北海道から九州までをスッポリと覆い、東北地方から中国地方の日本海側の広い範囲で大雪を降らしている。天気予報によれば、来週月曜日(2月7日)までは冷蔵庫の中での生活を強いられるそうだ。私の住んでいる石川県でも、最低気温が零度を下回る日が続き山間部を中心に大雪となっている。気象庁の長期予想では確か暖冬だったはずなのにこの大雪である。
 懸念していた新潟県中越地震の被災地も19年ぶりの大雪に見舞われ、3bを越す積雪を記録している地域もある。沢山の仮設住宅が設営されている長岡市の積雪が観測史上最高を記録したとのニュースも流れてきた。前々回の四方山で「サンパチ豪雪(昭和38年)、ゴウロク豪雪(昭和56年)と呼ばれるような豪雪にならなければいいが」と書いたが、こんな予想は当たらなくても良いのに的中してしまい、被災者に追い打ちをかける大雪となっている。
 豪雪となった東北地方や地震の被災地を始めとする信越地方などでは、除雪による事故が相次ぎ、屋根雪を下ろす際の事故で亡くなる人が急増している。それも圧倒的に50歳以上の高齢者が多い。痛ましい限りだ。1週間前は比較的暖かく、当時北米を襲っていた異常気象を対岸の火事ならぬ「対岸の寒波」と決め込んでいた報いなのか、一転してこの寒波襲来となってしまった。雪には慣れているとはいえ被災者の方々にはお見舞いの言葉もない。

 それにしても気温の変動が激しすぎる。先週の土曜日(1月29日)は、冬の金沢では考えられないくらいの好天気となり最高気温は16℃を記録した。防寒着はもちろん上着もいらなかったのに次の日曜日は5℃、冷蔵庫に入った3日後の2月1日は何と2℃で防寒着を着ていても寒い。たった1日やそこらで10℃以上も変化している。これでは体調維持も大変だ。いっそのこと変温動物になってしまえば楽なのかもしれない。「進化に進化を重ねやっと人間にたどり着いたのに、まさか遙か昔の変温動物に先祖帰りすることはあるまい」と思っていたが、今の子供は既に変温動物化しているらしい。治療に通っている歯医者に置かれた新聞にそんな記事が載っていた。

 「子どものからだと心・連絡会議」(議長:日本体育大学名誉教授正木健雄)が毎年発行している「子どものからだと心白書」で、「平熱36℃未満の低体温の小学生が6割を越え、小学低学年女子の起床時の体温は4割近くが36℃以下なのに、下校時になると半数が37℃以上になっている」と子どもの変温動物化を指摘している(北陸中日新聞1月31日朝刊)。朝と下校時では体温が変わるとは驚きである。私も平熱は低い方だが1日を通して変動はなく37℃もあれば、フウフウで仕事にならない。記事によれば、この状況について議長の正木氏は、「体温変動の振幅が大きく、恒温動物になりきれていない。すぐに疲れを訴える例も増えている。体温調節をつかさどる自律神経がうまく発達していない」と分析している、とのことだ。
 また、70年代中頃から教育現場の先生たちの間で「子どもたちの体がおかしい」という声が噴出し始め、それと呼応するかのように保育園・幼稚園〜高校の先生が「最近増えていると実感する症状」の調査で、「アレルギー」、「皮膚のカサカサ」が80年代半ばから目立ち始め、90年以降はトップに並ぶようになった、とある。そう言えば確かに私の回りでも俗に言われる「アトピー」や「アレルギー症状」の人が増えている。家内が1年間勤務した幼稚園でもアレルギーの子どもが何人かいて、中にはアナフィラキシーを起こす危険性を指摘されている子もいた。“そば”や“米”、あるいは“卵”などがアルゲンとされている子どもの献立に苦慮していたのを思い出す。
 私も自分の子供時代と比べると今の子どもは随分と弱くなったとは感じていたが、記事には「このように子どもの体がおかしくなったのは、母子健康手帳の指導で、生後五ヶ月から食べさせている離乳食が変調の要因だ」と警鐘を鳴らしている専門家がいる、とある。元東京大学医学部講師で日本免疫治療研究会の西原克成会長は、「人の腸は1歳前後で完成する。それまでは母乳か人工乳だけで育てるべきだ。早期の離乳食でタンパク質を与えると、分解できずにそのまま吸収して抗原になり、アトピー体質になる」と指摘して、全国一律で押し進める育児法に疑問を投げかけている。米国の育児学会でも「生後六ヶ月までは母乳または人工乳だけを与え、水や果汁その他の食物を与えるべきではない。離乳食を早く始めると、乳児がアレルギーを起こす可能性が高くなる」との見解を出しているようだ。
 また、母乳や哺乳瓶で飲む時の鼻呼吸も小児喘息防止に重要な役割を持っているとのことだ。スプーンで与える離乳食では口呼吸の癖がつき、免疫力が低下するため小児喘息になる子どもは100%口呼吸だそうだ。小さな時に鼻呼吸の癖を付けておかないとだめらしい。
 読めば読むほどなるほどと納得させられる内容だ。子どもの体がおかしくなってきたのは記事の内容ほど単純なことではないのかもしれないが、乳児をお持ちのご夫婦には一読をお薦めする。参考になさっていただきたい。図書館に行けばあるはずだ。どうしても手に入らないという方は、「いさぼう事務局」にメールいただければ、コピー送付もやぶさかではない。
 いずれにしても、人間が変温動物になるということは何かが狂い始めた証拠である。このあたりで育児方法も含めた生活習慣の軌道修正が必要なのかもしれない。

【文責:知取気亭主人】

     

  

     

 

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