いさぼうネット
こんにちはゲストさん

登録情報変更(パスワード再発行)

  • rss配信いさぼうネット更新情報はこちら
 
 

『くさい勘違い』

戻る

   2005年04月01

 私はよく勘違いをする。特に時間や待ち合わせ場所など、友人や家族などとの約束に関することが多い。いくら待っても来ないので電話を入れたところ、『会うのは来週だろう。しっかりしてくれよ!』とたしなめられ、電話口ながら赤面したこともある。“時間がない”と焦って出かける準備をし“さあ出かけよう”という時になって何気なくカレンダーを見たところ、1日間違えていたことに気がつき一人苦笑したことも何度かある。曜日を間違えることもある。
 ある時など、東京から来た友達と駅近くのホテルで待ち合わせをしたのだが、30分待っても一向に現れない。『一体、あいつは何してるんだ!』と腹が立ってきた。嫌みの一つも言ってやろうと携帯に電話したところ、逆に『何やってんだ! 遅いぞ!』と叱られてしまった。200mほど離れた全く違うホテルが待ち合わせ場所だったのだ。『おまえのそのいい加減さは高校時代と変わってないな』と痛いところをつかれたのだが、このいい加減さがあるお陰で、黒髪が白髪に変色するスピードは他人より若干速いけれど、砂漠化現象には何とか歯止めが掛かっているのだと思っている。多分、せっかちの上に思いこみが激しいのだ。

 こういった思いこみの激しさが、静かに、しかし確実に遺伝していくことを証明するとんでもない事件が、我が家で勃発してしまった。息子が、なんと大学入学試験の後期日程を勘違いし、受験できなかったのだ。“さあ明日受験に出かけるぞ”という日になって試験が既に前日終わっていることに気がついた。受験表を見て愕然としたらしく、私のところに報告に来た時はかわいそうなくらい意気消沈していた。しかし、試験が終わっていてはどうあがいても後の祭りである。
 家内が確認したところ、宿についても間違えた日で申し込んであったそうだ。宿の申し込みは、前期の時と同じ日に申し込んである。したがって、彼は随分前から勘違いしていたことになる。私と同じように、日程の確認や事前の再確認をしなかったのだろう。この辺のいい加減さはそっくりだ。かわいそうだが、私の負の遺伝子は、子どもの許可も賛同も得ることなくしっかりと伝わっている。うれしさ半分、申し訳なさ半分といった複雑な心境だ。「この先大きな失敗に繋がらなければいいがな」と密かに心配している。

 一般的に言って、勘違いをして結果的に良い結末になることはあまりない。「笑い話で済ますことが出来れば良しとすべきことがほとんど」と言っていいだろう。ところが最近、ある方面での勘違いが、違う方面で貴重なデータになった事例を読売新聞のオンラインサイト「YOMIURI ON-LINE」(http://www.yomiuri.co.jp/)で見つけた(3月28日)。
 約20年前から各地の遺跡で発見されていた「謎の土粒」の謎が解けたという記事だ。これまで古墳の石室を中心に「米に似た固い土粒」が多数出土しており、その成因や使い道が分からず謎の物体とされていたものだ。「五穀豊穣や子孫繁栄を願う儀式に、米の代用品として使われていたのではないかと見られていた」とあるが、それも推定の域を出なかったようだ。6年前、奈良県桜井市の古墳を発掘したところ、この謎の土粒が大量に出土し、これを1ヶ月かけて1949粒を数え、3種類の大きさに分類できることも分かったとある。「米粒状土製品」「疑似米」と命名され、儀式の時にまいたと解釈されていたようだ。
 ところがである。「どうもおかしい。何かに似ている」と疑似米説に疑問を持った研究者が、他の研究機関に鑑定を依頼したところ、何と「虫のフン」であることが分かってしまったのだ。形や3種類の大きさに分類できるのも、2回脱皮を繰り返し成長するコガネムシ科の幼虫のフンと一致するらしい。1年間かけての地道な研究は、「これほど詳細なカブトムシのフンの研究は世界的にも例がない」と言われるほど貴重な研究になったとある。
 疑似米とばかり思っていた考古学者達にとっては、貴重な歳月をかけて研究した成果が自分たちの成果にならなかったばかりか、これまでの学説を覆されてしまったわけだ。まさに“フンだり蹴ったり”の少しくさい勘違いだが、これは“フン当の話”である。

【文責:知取気亭主人】

     

 

  

 

戻る

 

Copyright(C) 2002- ISABOU.NET All rights reserved.