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『流れに乗る』

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   2005年 08月 19日

 今年もお盆の季節がやってきた。遅かった東北地方もやっと梅雨が明け、民族総移動の話題と共に色々な面で熱い季節の到来だ。日本国民にとって最も大事な記念日である「終戦の日」も丁度この時期にあたり、毎年のように憲法九条を中心にした改憲VS護憲の議論が熱く戦わされる。今年は、小泉首相の靖国神社公式参拝に端を発した中国や韓国の対日批判がこれまで以上に厳しいことや、60回目という節目の年になるだけに議論も熱を帯びている。
 そして、「自爆解散」とか「変人解散」と揶揄される衆議院の解散総選挙の火蓋が切って落とされたため、新聞もテレビも選挙ムード一色と、これまた別の意味で熱いバトルが繰り広げられている。バトルは見ている側からすると結構興味をそそられるものだが、選挙となると面白半分を決め込む気分にはなれない。解散の理由も良く飲み込めていないが、郵政民営化に反対票を投じた代議士先生(の中の涙もろい先生)がテレビの前でハラハラと涙を流すのはあまりいただけない。反対表明をしたときと随分違うものだと変なところで感心させられてしまった。「信念を持って反対されたわけだから何も泣くことはない」と私は思うが、いかがだろうか。

 難しい話は良識ある(?)メディアに任せるとして、「刺客を送る、送らない」など随分と程度の低いことをやっているように感じるのは私だけではあるまい。こんなドタバタ騒動を見ていると、かつて「経済一流、政治は三流」と言われたことを思い出す。もっとも今は「経済二流、政治三流、外交も三流」と外国からは見られているようだ。
 経済は勿論のこと、政治も外交も早く世界の一流クラブの仲間入りをしてほしいものだが、今回の騒動をみているとそれもいつになることやら随分と遠そうな気がしてならない。もっとも、「一流クラブの仲間入りを早期に実現させるためには、我々選挙人に課せられた責任を自覚し、与えられた権利を有効に行使することが重要である」ことは言うまでもないのだが……。
 なお、今回の衆院解散・選挙については、立花隆氏のコラム「立花隆のメディアソシオ・ポリティクス(http://nikkeibp.jp/style/biz/topic/tachibana/media/)」に面白い意見が載っているので興味ある人はぜひご覧になって頂きたい。

 さてさて、選挙バトルの話題はこれくらいにして本題に入ろう。「盆休み」の話だ。「お盆」は地域によって異なるが、一般的には7月あるいは8月の13日〜15日にかけて行われる。そしてこのころに夏休みを取る勤め人が圧倒的に多い。日にちを限定していない我が社でも、お盆に合わせて夏休みを取る社員が多い。かく言う私もそうだ。
 「全国的に見ると、以前に比べ夏期休暇の分散化が進んでいる」と言われているが、高速道路や新幹線、さらには飛行場などの混雑ぶりを見ていると、お盆に休みを取るいわゆる「盆休み」への集中は相変わらずだ。こうなると交通手段によっては、移動だけで多くの時間を費やすことになる。
 新幹線や飛行機は、いくら混んでいようがトラブルでもない限り定時運行される。したがって、目的地への所用時間も計算でき、予定していた時刻とさほど大きな狂いは生じないで到着することができる。
 ところが、車を使っての移動ではこうはいかない。特に高速道路は抜け道がないだけに一旦乗ってしまうと、後は車の流れに任せるしかなくなってしまう。この“車の流れ”が交通事故や工事と同じように渋滞に大きな影響を及ぼすのだが、それを理解していないドライバーが「盆休み」や「年末年始の休み」に大挙して高速道路に押し寄せる。すると自然渋滞が発生し、渋滞に伴う事故や故障がまた増えていくことになる。悪循環に陥るわけだ。
 流れに乗れないとは周りの車よりも遅いスピードで走ることをいい(私の辞書では周りより速い車は流れに乗れないとは言わない)、車間距離を必要以上に空けていたり追い越し車線を走っているにもかかわらず走行車線の車と同じようなスピードで走っているため、後続車に糞詰まり状態を発生させる。

 以前、名神高速道路を走っていて、走行車線に車線変更できるのに80q/hrにも満たないスピードで追い越し車線を走っている車に出会ったことがある。みんな走行車線に入って追い越していくしかないほど堂々と追い越し車線を走っているのだ。『いつから走行車線と追い越し車線のレーンが変わったのだ』と錯覚してしまうほど、クラクションを鳴らされパッシングされても一向に動こうとしない。
 やっとのことで追い越したとき、『こんな運転をする不届きものはどんなやつだ』と、追い越しざまに運転手を確認した。確認してギョッとした。運転席には、両手でしっかりとハンドルを握ったまま凍りついている年輩の女性ドライバーがいるではないか。背中は背もたれから離れ、ハンドルにしがみついている。もう少しでハンドルに顔がくっつきそうだ。前方を見据えたままの格好で動かない。『いや動けないのだ』と即断できるほど異様な雰囲気なのだ。追い越し車線に入ったのは良いが、怖くて走行車線に戻れないでいるに違いない。その様子を見たとたん、こちらが常軌を逸した運転をしているわけではないのに、なぜか怖くなってきた。

 『このまま終点の東京まで走り続けるつもりだろうか』
 『きっとインターやサービスエリアの案内板を見る余裕などないはずだ』
 『どうやって目的のインターを見つけるのだろう』
 『百歩譲ってインターが分かったとしても、レーンを変えることができるだろうか』
 『レーンを変えようとして事故発生』

 こんな思いが脳味噌を駆けめぐり、私のカンピューターは『関わっていては事故に巻き込まれる』との見事な答えを瞬時に出した。アクセルを踏み込み、彼女の車から一目散に離れたことはいうまでもない。
 こういったドライバーは、渋滞と事故回避のためにできれば一般道を利用していただきたいと願うばかりだ。それが無理だとすれば、少なくとも高速道路は最初から最後まで走行車線を走っていてもらいたいものである。

【文責:知取気亭主人】

 


 

東名高速道路に植えられているキョウチクトウ

 

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