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『少子高齢化』

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   2005年08月05日

 7月27日、総務省は2005年3月末時点の住民基本台帳に基づく人口調査結果を発表した(http://www.soumu.go.jp/s-news/2005/050727_3.html)。それによれば、日本の総人口は1億2,686万9,397人で、一年前に比べ4万5,231人、率にして0.04%と僅かな増加にとどまり、調査を開始した1968年(昭和43年)以来、対前年増加数、増加率ともに最も低い数字となった。人口の伸びが昨年より一層鈍化しているのだ。そして、『ついにその時が来たか』と思わせるデータも発表された。男性の人口が調査開始以降初めて減少したのだ(対前年1万680人減)。恐らく、太平洋戦争で多くの男性が亡くなり激減したあの時代以来のことだ。これにより、男性人口の6,207万6,658人(約48.9%)に対し女性6,479万2,739人(約51.1%)と女性がやや多くなっている男女の構成が、益々女性上位になっていくことは間違いなさそうである。

 今回の発表を待つまでもなく随分前から少子高齢化が叫ばれてきてはいたが、政府関係者や社会保障制度に関わっている人を除けば、我々国民個人の力では如何ともし難い問題もあり“他人事”と決め込んでいる人も多いのでないだろうか。私などもご多分に漏れずその中の一人だ。もっとも、既に4人の子供を育て人並み以上に人口増加に貢献したと自負している私でも、出生人口に寄与する能力が怪しくなってきた今となっては、日本の行く末と老後の心配こそすれ、若い世代の頑張りに期待するしかないのが現実だ。
しかし、出生者数が110万4,062人と調査開始以来最低を記録し、自然増加数(出生者数−死亡者数)も過去最低の5万2,980人と僅かな伸びにとどまっている現状を知り、しかも“男性が減少し始めたこと”を突きつけられると、戦争や疫病の大流行による減少を除けば世界で初めて人口が自然減少していく国になってしまうことが現実であることを実感せざるを得ない。

 政府は日本の人口に関し、中位推計(※)で推移すれば2006年(来年だ!)にピークを迎え、2007年度から減少に転じると推計している(『日本の将来推計人口(平成14年1月推計)』国立社会保障・人口問題研究所)。減少に転じるのはもう目の前である。

(※中位推計:『日本の将来推計人口(平成14年1月推計)』の中で、総人口の推移を3つのケースに分け、人口減少が最も緩やかな推計を「高位推計」、最も急激な減少を「低位推計」、それらの中間を「中位推計」として表現している)

 しかも、少子高齢化のもう一方の問題である「高齢化」も確実に進み、働き手の減少が続いている。年齢構成を15歳未満の「年少人口」と主な働き手である15歳以上65歳未満の「生産年齢人口」、さらには65歳以上の「老年人口」に分けると、今回発表された調査結果では次のような割合になる。
         
  ・年少人口    13.91%(対前年0.12ポイント、13万8,683人減少)
  ・生産年齢人口  66.37%(対前年0.36ポイント、43万3,883人減少)
  ・老年人口    19.72%(対前年0.48ポイント、61万7,797人増加)
          
 この数値を見ると、来年には老年人口の割合が全人口の20%を超してしまうのはもはや確実である。5人に1人が65歳以上となるのだ。しかも考えたくはないが、最も人口の多い我々団塊の世代(1947年〜1949年生まれ)が65歳以上となる2012年からは、老年人口の割合は今以上のスピードで増えていくことになる。国民年金や厚生年金を納める人口が減り、しかもニートのように納められない人も増えているとなれば、「老後の頼みの綱である年金制度のほころびが年々広がり破綻の瞬間が刻一刻と迫って来ている」と考えざるをえない。厚生年金の破綻は、もはやメディアの専売特許ばかりと言っておれない状況なのだ。

 年金制度の破綻は言われ始めて随分経つが、特効薬となる妙手は未だ打たれないでいる。子育て支援としての保育所の整備や減税措置、あるいは育児休業制度など少子化対策として執られてきたこれまでの政府の取り組みは、女性の心を捉えたとは言い難い。四人の子どもを育てた経験から言わせてもらえば、所得税は所得を家族数で割った一人当たりの所得に掛けるべきだし、高校卒業までの教育費は無料にすべきだ。そして、少なくとも小学校卒業までの医療費はタダにすべきだ。そう考えるのは行き過ぎなのだろうか。しかし、そんな社会保障制度が求められている時代になってきていることは確実だ。
 

【文責:知取気亭主人】

     

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