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『いつまで続くこの寒波』

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   2006年1月25日

 1月20日は一年で最も寒いといわれる「大寒」だ。「大寒が過ぎたのだからこれから春に向かって一直線か」といえばそれは暦の上だけのことで、少なくともあと一月は寒い日が続き、しかも本格的な冬はこれからが本番となる。例年だと大寒のころに向け徐々に寒くなってくるものだが、今冬は12月中旬からもう一月以上も冷蔵庫の中にいるため、「エ!大寒はまだだったのか」といった感が強い。
 私の感覚を裏付けるように、金沢では松の内を過ぎた当たりから冬型の気圧配置が緩み、時々晴れ間が覗くようになってきていた。ところが、「お日様のお陰で路面からほとんど雪が消えた」という喜びもつかの間、暦にあわせるように大寒前後から最低気温が氷点下となる日が続くようになった。出勤前の慌ただしい時間は、これまでの除雪に代わって車の氷を溶かすのに忙しくなってきた。お湯で溶かす作業は除雪に比べ大分楽なのだが、坂道が多い我が家の周辺は路面凍結が心配の種となり、相変わらず車の運転には気を遣う日が続いている。
 ところが、気を遣って運転していたのにも関わらず、とうとう先日通勤途中にある坂道でスリップしてしまい車に傷を付けてしまった。ガソリンスタンドの人に話を聞くと、今年の冬は凍結によるスリップ事故が多く、車の修理工場は満杯だそうだ。雪国の多くの人が雪害に悲鳴を上げている中で、嬉しい悲鳴を上げている数少ない業種の一つが、車の修理工場だとは当事者になるまで気が付かなかった。とは言え、一般市民が上げるのはやはり苦しくて悲しい悲鳴が圧倒的に多い。

 東北地方や日本海側の山間地ではまだまだ雪の多い状態が続いており、テレビ局が“これでもか”と放映しているライブドア騒動どころではない。しかも、ライブドアほど派手な扱いはされないが、雪による事故のニュースは引きも切らない。
 屋根雪に関する事故を中心に、大雪による死者は既に100人を越えている。16日には福島県下郷町の保育所で、園庭で遊んでいた園児三人が屋根から落ちてきた雪で死傷するという痛ましい事故も発生した。大学受験のセンター試験が行なわれた21日には、太平洋側でも積雪が観測され、各地で凍結によるスリップ事故や転倒事故が相次だ。とにかく例年にない大雪に日本中が翻弄されている感がある。体力面だけではなく、金銭面でもそうだ。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                        

 雪と縁のない地方の人にとっては、「雪の処理に金が掛かる」と言われてもピンとこないだろう。しかしながら、見た目には綺麗な雪も結構な金食い虫なのだ。道路を管理する地方自治体では除雪に掛かる費用を予算化しているのだが、この大雪で1月の半ばにして早くも予算をオーバーした地方自治体が出始めている。
 23道府県と3政令指定都市が管理する国道と道府県道の除雪費が12日の時点で既に総額300億円に達し、島根県や広島県では100%を大幅に上回っているという(2006年1月14日、朝日新聞朝刊)。このほかにも除雪を必要とする市町村道が数多くあり、日本全国で考えれば膨大な金が、除雪という極めて非生産的な行為によって消えていく。それでなくても豪雪地帯を抱える日本海側の地方自治体は、太平洋側に比べると税収が少ないのが現実だ。しかも雪による税収の増加は、スキー場を持つ地方自治体といえどもあまり期待できない。そういう意味では、税の有効的な使い方だけを考えると、大雪は全くもって有難くない贈り物なのだ。

 地方自治体ばかりではない、除雪費用は一般家庭にも重くのしかかってくる。屋根雪を下ろし、下ろした雪をダンプなどで捨てに行くと、一般の家庭でも10万円くらいはかかるという(2006年1月20日、朝日新聞朝刊)。それでもつぶれるよりはましと、自分でできないお年寄りなどは業者に頼むことになる。お年寄りが多い山間地域では、それほどまでに除雪に困っているのだ。ところが、そんな人の弱みに付け込む鬼のような輩が出没し始めたという。
 いつの新聞だったか忘れたが、悪徳リフォーム業者まがいの商法に注意を喚起するとんでもない記事を読んだことがあった。「屋根雪を下ろしますよ」などと親切な言葉で巧みに近づき、「ヤレ有り難い」と作業を頼むと法外な金を請求してくる手合だ。
 中越地震で被害を受けた地域やその周辺でも、復興事業に伴う品薄商品の便乗値上げが横行して、セメントや採石から始まって地代家賃まであらゆるものが高騰しているというが、まさか除雪にまで悪徳商法がはびこってくるとは思いもしなかった。嘆かわしい限りだ。

 「悪徳商法の餌食になってたまるか」と体にむち打って自ら除雪をしたとしても、暖房用の灯油高騰も家計には重い。また、除雪で腰を痛めたり腕を痛めたりして病院や整骨院に通うと、体も痛いが家計にも痛い出費となる。長岡市内にある整骨院では、患者の数が平日で約100人にのぼり、いつもの年の約5倍にもなるという(2006年1月20日、朝日新聞朝刊)。本当に体にも懐にもこたえる大雪だ。
 年末の長期予報では「2月に入ると暖冬傾向になる」ということだったが、さてどうなることやら。これ以上雪害が拡大しないように、是非的中させてもらいたいものだ。
 

【文責:知取気亭主人】

     

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