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『給食費滞納報道に思う』

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2007年1月31

 1月24日、文部科学省は、2006年11月〜12月に実施した「2005年度小中学校給食の徴収状況に関する実態調査」の結果を公表した。それによれば、未納の生徒がいた学校は、給食を実施している全国31,921校のうち半数近い(43.6%)13,907校もある。生徒数でみると約1,000万人のうち1%に当たる98,993人が未納、さらに未納(以下、滞納とする)金額は全国で22億3千万円近くにもなる(http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/19/01/07012514.htm)。
 これらの数字が大きいか小さいかは議論のあるところだが、学校側が認識している滞納の主な原因を知ると声を失ってしまう。学校(徴収を担う先生)の認識では、滞納理由として「保護者としての責任感や規範意識」をあげた学校が60.0%(59,407校)、「保護者の経済的な問題」としたのが33.1%(32,745校)、残りの6.9%がその他となっていて、何と2/3が「保護者のモラルが問題」としているのだ。
 経済的な理由で払いたくても払えない保護者の中には『分割払いで何とか対応したい』と答える涙ぐましい親がいる一方で、催促にいくと高級車に乗りながら『ローンで苦しい』と言い訳する親もいるという。中には『義務教育だから払う必要がないだろう』とうそぶく親もいるらしい。いつの時代も常識が通用しない人達が必ずいるものだが、滞納世帯の2/3がそういった人達だとは嘆かわしい限りだ。

 しかし、冷静に考えると、親、というよりは一般大衆がそういう思いを持っても仕方がないのかも知れない。何せ、色々な法律を作り国家の行く末を論ずる指導者たちが、模範を示すことが出来ないどころか、庶民に対しては『ダメ!』と言っておいて『だけど我々は特別だからやっても良い』などと、自分勝手なことをやって見せているのだから……。
 今批判を浴びている事務所経費問題もそうだ。一般庶民に対しては税金逃れ防止を目的として領収書の添付を義務づけているのに、国会議員の「経常経費」には総額だけで良く領収書の添付は必要ない、という呆れたことをまかり通している。国民の知らないところで、そんな都合の良いことが国会議員には許されているのだ。こんな身勝手な報道をいつも聞かされていると、呆れたことに与党も野党も明治時代からの特権意識を未だに持っていることが良く分かる。
 そんな指導者達の元で長年生活していると、『給食費など払わなくて当然だ』と考える親がいても不思議ではない。とは言っても、こんなにもモラルが低下してきたのでは子供が可哀想だ。どんな大人になるのか、考えただけでもおぞましい。教育再生が叫ばれているが、子供の教育改革の前に国会議員を含めた大人の再教育の方が急ぎ必要のようだ。

 ただ、大人の再教育問題も確かに重要だが、もう一方の経済的理由を挙げた世帯の方が深刻だ。昨年、高校教師の知人から、「最近経済的理由から授業料を滞納する家庭が増えてきている」というショッキングな話を聞いた。その多くが払いたくても払えないのだという。生徒に内緒で親に督促するというが、“言う方”も“言われる方”もやるせないし辛い。『こんな社会に誰がした!』と大声で叫んでも、我々が選出した国会議員達は『おら達ではない!』と背を向けて知らぬ存ぜぬを決め込んでしまうに違いない。
 『子どもは国の宝だ』という。私もそう思う。安部首相も今世紀の最重要課題の一つとして「少子化対策」をあげた。もし真剣にそう考えているならば、「経済的な理由で給食費や授業料が払えない家庭」が無くなるような施策に取り組むべきだ。法整備としては、確かにそういった家庭に対する「就学援助制度」や「生活保護による教育扶助制度」が既にある。しかし、この制度そのものの存在を知らないヒトもいるという。折角そういった制度が整備されているのに利用されていないとなれば勿体ない話だし、厳格な基準の運用も利用が少ない原因なのではないだろうか。そういった意味では、制度の広報と並んで適用基準を緩めるなどの施策を早急に実施してもらいたいものだ。

 ところで、もう一歩踏み込んで考えてみると、モラルの低い親が言う『義務教育だから払う必要がない』というのも少子化対策の一環としては一理あって、給食費を公費負担するのも理に適った政策だ。私事で恐縮だが、我が家の4人の子供達が揃って学校に通っていた頃は、「せめて義務教育の間は、教育と医療に掛かる費用はタダにならないものか」と何度思ったことか。子育て世帯は結構苦しいのだ。
 そんな子育て世帯に少し明るい話題がある。『政府がやらなきゃ我々自治体がやってやる!』と言ったかどうかは詳(つまび)らかではないが、地元の企業や商店などが商品を値引きしたり、特別なサービスをしたりする「子育て世帯優待事業」が、全国的な広がりを見せているという(2007年1月13日、日本経済新聞朝刊)。
 「いさぼう」の地元石川県が2006年1月に実施したのを皮切りに、富山県や静岡県など既に12県が実施している。例えば石川県の場合、18歳未満の子供が3人以上いる世帯に「プレミアム・パスポート」を発行し、値引きや金利優待などのサービスが受けられるというもので、2007年は1657店が参加する。子供1人以上の世帯を対象としている県もあり、静岡県や岡山県などでは妊婦も対象だという。
 値引き率も気になるところだが、若い子育て世帯にとっては大変有り難い制度だ。これらのサービスに加えて、給食費や小学生以下の医療費を公費負担するというのは荒唐無稽の話なのだろうか?
 「(女性は子供を)産む機械、装置」と発言された柳沢先生、どう思われます?

【文責:知取気亭主人】

     

カヤ

 

 

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