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『注意力不足』

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2007年2月7日

 前話で大変な間違いをしてしまった。今回の本題に入る前に、まずもって間違いをお詫びすると共に訂正させていただきたい。
 給食費を未納していた生徒に関するデータで、「生徒数でみると約10万人のうち1%に当たる98,993人が未納……」としていたが、10万人ではなく1,000万人が正解だ。社内の読者から「間違っている」との指摘を受け、元データや下書きを確認してみたが、やはり間違いであった。文章に書かれた関係を計算してみれば、「どこかがおかしい」とスグ分かるほどのものだから、既にお気付きになった方も多数おられることと思う。掲載されている文章は既に訂正させていただいたが、読者の皆様には改めてお詫びを申し上げたい。

 しかし、こんな単純な間違いに何故気が付かなかったのだろうか。不思議でならないし、正直ショックだ。二度と繰り返してはいけない。そこで今回は畑村洋太郎の「失敗学のすすめ」(講談社)にならい、前話の間違いの原因を探り、対策を考えてみたい。
 まず、どうして間違いに気が付かなかったのだろうか。今年から始めた手書きによる下書きを確認したところ、正しく1千万人と書いてある(1,000万人ではない)。すると、ワープロを打つときに間違えたのだ。しかし、打ち込みながら度々読み返しているし、掲載前には必ず印刷して妻や子供達にチェックを頼んでいる。前話の時も少なくとも二人は読んでくれている筈だ。更に掲載直前には、いつも社内の二人に査読をしてもらっている。
  私以外の4人も含め、少なくとも5回以上はチェックをしていたのに見つけられなかったのだ。これをショックと言わず何と言おうか。と、まあそんな後悔ばかりしていても問題は解決しない。問題解決の王道と言うことで、原因を探り「どうやったら同じ失敗を繰り返さないか」考えてみた。

 まず、思いつくままに原因を列挙してみる。

@ 単位を揃えていなかったため(万人と人)気が付きにくかった。
A 文章の流ればかりに気を取られていた。
B チェック段階の黙読が、映像として頭に焼き付ける方法ではなく、音読していたため。
C 重要なキーワードでなかったため、読み流してしまった。 
D 私の血液型がB型であったため。

 Dは冗談だが、それぞれもう少し掘り下げてみることにする。
 @については、何で単位を変えたのか今になって考えると不思議だが、単位が揃っていれば数値の比較もし易くなり、気が付く可能性が高くなる筈だ。前話の内容からすれば詳細な数値は然程重要ではないので、「98,993人」ではなく「約10万人」とすれば良かったのだ。ひょっとしたらこの10万人が頭にこびりついていたのかも知れない。いずれにしても、今後は極力揃えるようにしたい。
 Aは、随分前から気になっていることである。「話の構成や流れに違和感がないか、あるいは矛盾がないか」などに注意を払い過ぎていて、数値を含んだ文節の整合性にまで気が回っていないのが実情だ。多分私の頭の中では、数値の関連性などには注意がいかず、単語としてしか捉えていないのだろう。どうしたらこの癖は直るのだろう。
 BもAと似ていて、なかなか厄介だ。円周率(π)を何万桁(世界記録は83,431桁、原口證氏)も覚えていたり本を速読できたりする人達は、映像として記憶できるのだという。我々が入試用に覚えた「サンテンイチヨンイチゴウキュウニー(3.141592……)」や「イイクニツクロウ(1192年)鎌倉幕府」など、音による語呂合わせの記憶術ではない。映像として記憶できるヒトは極めて記憶力が優れているという。ところが、それが出来ない我々凡人は、声に出さない黙読でも頭の中で音を追ってしまう。すると、“音”、あるいは“響き”さえ違和感がなければ、文字や数値が違っていても間違いだとは認識されないのだと思う。したがって、良くある変換ミスにも気が付かず、見逃してしまうことが多くなるのに違いない。
 Cも以外と大きなウェイトを占めているのではないかと思っている。文章中の重要なキーワード、前話で言えば「学校側の認識に関する言葉や数値」であったならば、他の単語より注意深くチェックしていた筈だ。ところが、話の流れに余り影響しないそれ以外の言葉は、軽く読み流してしまうのだろう。頭のどこかで、言葉のランク付けを行い、低いランクの言葉に対しては、知らないうちに注意力が散漫になってしまうらしい。私特有のものだとすると厄介なことだ。

 以上、考えられる原因について検証(?)してみた。どれも「中(あた)らずと雖(いえど)も遠からず」といったところだろう。多分、どれか一つを取って「これだ!」と言い切れはしないが、それぞれが複雑に影響し合っているに違いない。
 では、二度と繰り返さないためには何をすべきなのだろうか。@の「単位の不揃い」については、前述したように対策は簡単だ。ところが、A〜Cに対しては具体的な対策が思い浮かばない。よくよく考えてみると、全てをひっくるめて「注意力不足」で片付けられてしまいそうだ。
 解決策に思い悩んでいたが、気晴らしに体を動かしていたら妙案が浮かんだ。一度に何でも彼でもチェックしようとするから見逃す確率が高くなるに違いない。だとしたら、別々にチェックをすれば良いのだ。具体的に言えば、1回目のチェックは数値や数式、あるいは関係式について行い、2回目は文章の流れを重点的に見る。そして、3回目は、変換ミスのチェックだ。この3種類のチェックを繰り返し行えば、間違いは劇的に減るに違いない。さあ、早速今回から実践だ。

【文責:知取気亭主人】

     
『失敗学のすすめ』 『失敗学のすすめ』
【著者】畑村洋太郎

出版社】:講談社
【ISBN】:
978-4062103466 (2000/11)
【ページ】: 255P
【サイズ】:20×14cm

【本体価格】:\
1,680(税込)

 

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