能登半島地震発生から早いもので2週間が過ぎた。本格的な復興はまだまだ先になりそうだが、少しずつ復興へ向けての道筋も見え始め、避難所生活の人たちも徐々に減ってきている。避難所を後にした人たちの中には自宅に戻った人もいるようだが、金沢などに住む子どもや孫の所へ移り住む人たちも多いと聞く。激しい揺れに対する恐怖と我が家や周辺の惨状を目の当たりにしたときのショック、その上高齢者にとって過酷とも言える避難所での生活は、慣れ親しんだ故郷を後にする決断をさせるに足るものだったに違いない。無理もないことだ。
どこで生活するにしても、被災された人たちの殆どは、今後のことを思うと今はまだ茫然自失といった状況だろう。ただ、少しずつ現実を受け止め、やがて力強く元の生活を取り戻すために歩み始めるに違いない。といっても、そうなるためには今しばらくの時間が必要だ。傷ついた心を癒すにはそれなりの時間とケアが必要だ。
ところが被災者を気遣いケアするどころか、弱みにつけ込み悪徳商法を押しつけるけしからん輩や、火事場泥棒ならぬ震災泥棒も出没し被災地の人たちを憤慨させている。既に逮捕者もでている。そんな輩の話を聞くと、前話で「とても丸くはなれないな!」と書いたが、丸くなれないどころか益々尖ってきてしまう。許せん奴らだ。厳重注意をして帰したケースもあるというが、そんな連中は顔写真を被災地に貼りだし、地域住民の注意を喚起すべきだ。それはちょっと過激すぎるとしても、何らかの手を打つ必要があると思うのだが……。
心配ではあるが、そんなくだらん連中のことは脇に置いておくことにして、今回は、いざというときの「安否の確認手段」と、自分の身を守るために必要な「防災グッズ」を整理してみたのでこれを紹介する。まずは、安否の確認手段だ。
連絡手段の比較 |
種類 |
固定電話
(一般回線) |
携帯電話 |
メール |
公衆電話 |
安否確認伝言サービス | 特徴 | 076などの市外局番全体に通信規制がかかる。
地震発生直後は規制がかかっていないので通じる場合があるが、スグに繋がらなくなる。 |
アンテナごとに通信規制をかける。100%の規制はかけない。
一般回線より通じやすい。
こまめにかけ続ける必要がある。 | 携帯電話の音声通信とパケット通信は別々にコントロールされていて、メールに音声通信と同じ規制がかかるわけではない。
時間はいつもよりかかるが、電話より通じやすい。ただし、第2世代とKDDIのCDMA 1X WINの端末のみ。
今後、第3世代が普及すると、被災時の有効な手段でなくなる可能性がある。 |
他の電話に優先して通話が確保される。
大規模災害時には、無料扱いになる。グレーの電話はそのまま使え、緑の電話は通話終了後硬貨が戻ってくる。 |
171にダイヤルする |
↓ |
ガイダンスにしたがって1 or 2をダイヤル
(1は安否録音、2は再生) |
↓ |
自分の電話番号 |
|
固定、携帯、PHP、公衆電話から利用可能、IP電話からはかけられない。
録音した内容は48時間を過ぎると消去される。 |
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比較 |
× |
△ |
○ |
◎ |
◎ |
一般市民が利用出来る連絡手段は、表に示した5つの他に各携帯電話会社が行っている「災害伝言サービス」がある。各携帯電話会社の伝言サービスは省略し、残り5つの比較を◎、△などでしてみた。ただし、あくまでも私個人の独断であることと、固定電話と携帯電話、あるいは携帯のメールは現段階での比較であるということを承知していただきたい。いずれにしても、5つの中では公衆電話と安否確認伝言サービスが最も確実のようだ。
さて次は、防災グッズだ。
持ち歩きたい主な防災グッズ(黄色は三種の防災神器) |
グッズ |
携帯電話 |
水
(ペットボトル) |
現金 |
薬 |
ラジオ | 備考 |
充電をこまめにすること。
出来れば、携帯用充電器を何時も持ち歩くとよい。
ラジオ+ライト+充電器の機能を備えたものも市販されている。 |
空になっても捨てない。給水できるところがあれば、水筒として使える。
特に自宅と業務場所が離れている場合や出張などの場合は、何時も鞄の中に備えておくとよい。 |
被災直後から暫くは、カード類やATMなどは使えないと思っていた方がよい。
当面は手持ちの現金で生活することになる。
公衆電話用に小銭も常に持ち歩くこと。 | 持病のある人は、常用している薬を必ず携帯する。
出張する際は、3日分ほど余分に携帯するとよい。
携帯しない場合でも最悪、薬の名前、病院の電話番号をメモした紙を持ち歩くこと。 |
デマに惑わされないで行動するために必要。
鞄やハンドバックの中に是非1台携帯するとよい。ラジオ付携帯も便利。 |
グッズ |
懐中電灯 |
携行食品 |
ハンカチ |
ビニール袋 |
身分証明書 | 備考 |
震災直後は停電していると思った方がよい。
電池を使わない手回しタイプが電池切れを心配しなくて便利。
ラジオ+ライト+充電器の機能を備えたものも市販されている。 |
チョコレートやキャンデーなど、ちょっとしたものでもよい。糖分を補給し、空腹感を解消する。 |
持ち歩くのは大判のものがよい。
ハンカチとは別に、かさばらない手ぬぐいを携行するとよい。切り裂いて包帯や紐の代わりに使える。
風呂敷も便利。 | 簡易バケツや鞄の代わりなど使い道はいろいろある。あると便利。 |
免許証や保険証は常に身に付けておく。
預金を引き出すときに使える。 |
この他にも、筆記用具だとかマスクだとか、嵩張らないものを取り揃えて鞄の中に入れておくとよい。役に立つはずだ。これを機会に、いざというときに今の持ち物で最低3日間ぐらいは生き抜けるのか、チェックしてみることをお薦めする。やはり自分の身は自分で守らなければ、災害時を生き抜くことは難しい。
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