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『南高北低』

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2007年5月16日

  衣替えの季節が間近だ。通勤時によく目にする中高生の服装も、見るからに暑苦しい黒の学生服から、白がまぶしい夏服が目立つようになる。一方、働くお父さん達、特にネクタイを締め背広姿で顧客を訪問する外回りの営業マンにとっては、クールビズが広まってきたとはいえ、大切なユニホームを手放すわけにもいかず、地獄の季節の到来となる。
 恨み節はさておいて、一寸ばかり羨ましい中高生などの衣替えは、例年だと6月頃だ。気温も湿気もその頃からグンと高くなる。ところが、地球温暖化の影響なのか、ここ数年の気象ニュースを聞いていると、「夏日」の初観測日が年々早まり、そのうち「5月が衣替えの時期」という具合になるのではないかと心配している。今年も、5月になったばかりだというのに早くも衣替えしたくなるような気温が随所で観測され始めている。連休明けの7日〜9日は、西日本を中心として、来る夏の猛暑を連想させるような暑い日となったところが多く、30℃を超える「真夏日」を観測した地点さえある。典型的な夏の気圧配置「南高北低」が、日本列島を覆ったのだ。

 丁度運悪く8日、9日と出張していたが、東京はもうまるで真夏だ。着て行ったスーツは、まだ秋・冬・春のスリーシーズン用で生地も厚い。そのスーツを着てネクタイを締め、それでなくてもヒートアイランド現象が顕著な都内を移動すると、汗かきの私は少し歩くだけで汗びっしょりだ。
 いくら歩くのが好きで、出張したときは1、2駅手前で降りてなるべく歩くようにしている私でも、こう暑いと二の足を踏んでしまう。好きなシーズンではあるけれど、背広とネクタイでのウォーキングは、日陰を選んで休み休みのゆっくりとした歩行に変更だ。“汗をかいた後、サッとシャワーを浴びて冷たいビールをグイッ”といければいいのだが、顧客回りをしているとなかなかそういう訳にもいかず、なにやらお預けをされているようでこの気分も好きでない。その上、背中にまとわり付く下着やワイシャツがひんやりと冷えていくのを感じながら商談していると、やがて体も冷えビールへの思いも薄らいでいってしまう。最悪のパターンだ。

 そんな気になる今夏の気象だが、世界的な異常気象をもたらし、日本には夏の猛暑をもたらす「ラニーニャ現象(※1)」が、今後1、2ヶ月の内に発生する可能性が高いという(気象庁 地球環境・海洋部発行、エルニーニョ監視速報(176)、平成19年5月10日)。この予想が当たると、今年も熱中症を発症する人たちが増えるに違いない。クワバラくわばらだ。
 ところで、気象庁が今年の4月1日から、天気予報などで使う用語の一部を変更したことをご存知だろうか。前回平成8年以来の改正で、約130語の「解説」等を修正し、約30語を削除して約40の新しい用語を加えることになった。
 新たに加えた用語の中の主なものに、竜巻の突風に関する尺度として世界的に利用されている「藤田スケール」と、ここ数年の夏の猛暑を受け注意・警戒を呼びかける際に使用する「熱中症」、そして日最高気温が35℃を超えた日の「猛暑日」がある。前の二つは、気象庁の公式用語ではなかったが、これまでにもニュースなどでは使われていた。しかし、「猛暑日」は今回の改訂で初めて登場した。25℃以上を「夏日」、30℃以上の日を「真夏日」と呼んでいたこれまでの用語に加え、最近度々越えるようになった35℃以上の猛烈な暑さの日を新たに加えたのだ。
 確かに、最近の夏を振り返ってみると、35℃は勿論、38℃さえ超す日が少しずつ増えているような気がする。だとすれば、至極順当な判断だ。ただ、もう少し先を見越せば、「猛暑日」も極一般的な発現回数になってしまい、それこそ「40℃以上」の猛暑が観測される日も近いのではないだろうか。そうなると、40℃以上の呼び名も考えておく必要があり、それに合わせて35℃を超える日の名前を付けるのが手順としては正しそうだ。

 例えば、35℃以上の日を「猛暑日」とするなら、40℃以上は「熱射日」などはどうだろうか。あるいは、体温に関係付けて、35℃以上の日を「平熱日」、40℃以上を「高熱日」とするのはふざけ過ぎか。「熱帯日」と「酷暑日」もいいかもしれない。何れにしても、恐ろしいことに人の一般的な体温(36.5℃)を超える気温が、度々観測されるようになってきた。それと共に、熱中症で命を落とす人も増えてきている。体力のないお年寄りや幼児だけに限らず、外で作業する人達やスポーツを楽しむ学生などにも熱中症の危険が迫ってくる。なにやら日本の夏も厄介な季節になってきたものだ。
 「ラニーニャ現象」の発生予想と、5月8、9日に観測された早すぎる「真夏日」の訪れからすると、どうやら今年も「南高北低」の気圧配置が強まる可能性はかなり高く、それに伴い厄介な事が増えるのは確実で、ゆるせくない(※2)夏になりそうだ。

※1 気象庁の定義では、エルニーニョ監視海域の海水温の基準値との差の5ヶ月移動平均値が6ヶ月以上続けて+0.5℃以上となった場合をエルニーニョ現象、逆に6ヶ月以上―0.5℃以下になった場合をラニーニャ現象という。

※2 静岡県の方言(特に遠州地方?)で、「あることが気がかりで落ち着けない」とか「ゆったりしない」といった意味を表す。

【文責:知取気亭主人】

    

 
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