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『中越沖地震現地レポート第2弾 −人の優しさに触れて−』

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2007年08月01日

今回も「平成19年新潟県中越沖地震」に関する話題だ。前話で書ききれなかったことや娘が現地で感じたことなどを報告する。最初に、お恥ずかしい話だが前話の内容に少し間違いがあったので、お詫びするとともに修正させていただきたい。

 

下に示した左端の写真の説明で、「……手前にあるのが食器棚、簡易耐震装置(クサビ)が効いたのか棚そのものは倒れてはいない……」と書いたが、娘に確認したところ、“倒れていなかった”のではなく、倒れていた棚を起こして写真を撮ったのだという。掲載前に確認取ってもらうように娘にメールしたのだが、読んだのが掲載後になってしまいこんな結果になってしまった。大変申し訳ない。ただ、前話で書ききれなかった内容の一つが簡易耐震装置(クサビ)だったから、何かの引き合わせなのかもしれない。
 話題の主の簡易耐震装置(クサビ)は、食器棚の手前下に敷いてあったもので、中央の写真の下方に写っている白く見えるものだ。商品のキャッチコピーには「震度7でも食器棚の転倒を防いだ」とあるが、残念ながら震度6強で転倒してしまった。棚の重心位置が高過ぎたのかも知れないが、耐震性を向上させるには他の耐震装置との併用が必要だ。また、中の物の飛び出しを防ぐ為に、棚板に滑り止めシートを敷くことをお勧めする。
 一方、右端の写真のように天井に支(つか)える転倒防止装置は、比較的有効であることが分かった。ただし、上下・左右の揺れで倒れてしまうようなものでなく、写真のように棚と一体化しているタイプのものか、全体で支えるような構造のものが良い。本は取り出しにくくなるが、ここにも滑り止めシートが有効そうだ。

 

さて、「来週も中越沖地震関連を書くから、震災後の生活で困ったことや発見したことがあったら教えてくれないかな」と娘に情報提供をお願いしたところ、次のようなメールを送ってくれた。書き方が私と少し異なるが、原文のまま紹介する。
 

生活してみて気づいたことは、とにかく、「水が大事!!!!!」ってことかな。飲料水には意識がいくけど、飲む以外にも水はいろんなことに使ってるんだって気づかされました。例えば、トイレ、お風呂、手洗い、歯磨き、洗濯、流しの洗物、雑巾がけ……。私は水を2L×6本備えてあったんだけど、備えておいてよかったと思いました。日中は職場で支給された水とか家から持っていた水を使っていたけど、家で使っていただけで、だいたい1週間で6本使いました。

他にあって助かったのは、ウェットティッシュ、ろうそく、充電できるラジオ、携帯トイレかな。キャンドルが家にあったので、電気が来るまでは助かりました。

あとは、災害支援がたくさん駆けつけてくれて、本当にありがたいなあと思います。温泉を無料で開放してくれたり、高速を無料にしてくれたり(8号が使えないため)、周辺の方々の協力が本当に本当に心にしみました。

そして、同じアパートの方でもこの地震で初めてお話しした人もいて、日ごろの近所づきあいも大事だなと。1階の方とお話ししたから、あの土曜日の日に不動産屋が来てくれた時に、私のも下の人が声をかけてくれたんだもんね(21日に不動産屋が点検に来ると事前に1階の人が知らせてくれたことを言っている←主人加筆)。

私は病院に勤めているから、昼食も支給されるし、水とかも支給されるし、食べるものには困りませんでした。

時期的に、夏休み直前だったから、23日だけ学校やってそのまま夏休みに入る学校が多かったようで、それも運が良かったのかもしれないね。天気もかんかん照りにはならずにいてくれているし、助かっています。

地震が起きてからは、緊張とか張り詰めた空気で忙しく動き回っていた人が多いと思うけど、これから少しずつ気が緩んで、疲れが出たり、無力感とか絶望感を感じる人が出てくる気がします。私の場合、これからが勝負かな。

 

巷で言われているように、やはり水が一番大事だという。しかも、日中の水とは別に1週間で12リットルの水を使っている事になる。生きていく為には1日3リットルの水が必要とされているが、日中の水を加えればほぼそれくらいになるのだろう。皆さんもこれを目安に、是非水の備蓄を再確認して頂きたい。

水以外にも手元にあって助かったものを幾つか挙げている。自宅で寝起きできるという比較的恵まれた状況下での思いだが、参考にして頂けたらと思う。特に簡易トイレは販売している店も少なく(金沢では)手に入りにくいので、すぐにでも手配される事をお勧めする。しかし、何といっても人の優しさが心にしみたようだ。厳しい状況の中で疲れた心を癒してくれるのは、温もりのある人の優しさが何よりなのだろう。

【文責:知取気亭主人】

 

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