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『“暫定”は解消されるか』

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2007年11月14日

原油価格が暴騰している。ニューヨーク商業取引所の原油先物相場では、とうとう1バレル=100ドルが目前となった。この高騰のあおりを受け、日本国内での石油小売価格も値上がりを続け、ガソリンも今月に入り150円台に突入した。食料品も少し前から値上がりし始め、年明けには電気やガス料金も値上がりするという。こうなると、広範囲な経済活動が影響を受け、身近な物品の生産コストも輸送コストも上昇する。企業にとっても家計にとっても、益々目が離せない状況になってきた。

まして、今は時期も悪い。暖房器具に使われる灯油に代表されるように、これから冬に向かって石油製品の使用量は増え、気温と共に懐も寒くなる。それでなくても可処分所得が増えない中、少しの値上がりも家計への影響は大きく、庶民は涙ぐましい努力を強いられることになる。

 

「明日からガソリンスタンドでの石油小売価格が値上がりする」とのニュースが流れた、先月31日、夜中にガソリンを入れに行き、思わぬ渋滞に巻き込まれてしまった。そのガスタンは、夜10時を過ぎると2円安くなるサービスをしていることで人気があり、日頃から10時を過ぎると混雑しているようなのだが、いつも見慣れている妻でもビックリの混雑振りで、まるで石油ショック時のニュース映像を見ているようだ。混雑している理由は、勿論「1円でも安く」という家計防衛本能が働いているからに他ならないが、車ばかりでなくストーブや給湯器用の灯油を合わせて買い求める人が多いためだ。

「この原油高は石油が投機対象になっているからだ」というが、減税などの法的処置で店頭価格を下げられないものなのだろうか。そう思って、いろいろ調べてみると、全く望みがないわけではないことが分かった。 

 

石油に科せられている税金の見直しによって、“ひょっとしたら”来春から安くなるかもしれないのだ。石油製品、例えばガソリンについての税金を整理すると、輸入段階を除くと消費税のほかに「揮発油税」と「地方道路税」が徴収されていて、この二つを合わせて一般に「ガソリン税」と呼ばれている。ところが、その税率(従量税)が、実は“期限が決められた暫定税率”で、本来法律で定められている税率よりも高くなっているのだ。ただ、嬉しい事にその期限が本年度末で切れる。試しに、現在店頭価格150円のガソリンが、本来の税率に引き下げられた場合の価格を計算してみると、驚くなかれ約26円も安くなる。

表に示したように、ガソリンの小売価格(消費税込み)を「1リットル=150円」とすると、約86.9円がガソリン本体の価格で、原油を輸入した段階で課税されるのが約2.2円、53.8円がガソリン税、そして約7.1円が消費税で、何と4割強が税金である。しかもガソリン税の53.8円が実は暫定税率で、本来の税率に戻せば僅か28.7円と半分近くの税金で済んでしまい、店頭価格は123.7円に抑えられる。

 

ガソリン税は道路特定財源として重要な位置づけにあることは承知しているが、一般財源化も議論され始めていることを考えると、「本来の役目は終えたのだな」と思うのが庶民の感覚だ。したがって、全体の税収不足が懸念されているとしても、昭和49年以来“暫定”と言う文言が付いているにも拘わらず、平成19年の現在まで何回も引き上げ・引き延ばされてきた税率を、本来の税率(24.3円/リットル)に戻すことは十分可能だと考える。また、税金(ガソリン税)に税金(消費税)が科せられている“二重課税”というヒズミも、解消されるべきだ。

仮に原油価格が今の水準で高止まりしたとしても、暫定税率を本来の税率まで引き下げ、二重課税を解消できたとすれば、表に示したように、150円を122.3円まで引き下げる事ができる。そうなれば、疲弊し始めている国内の経済活動に活力を与え、国際競争力を多少なりとも高める事ができる。実は、ガソリン税のほかにも“暫定”という魔法の言葉が付けられた税率が沢山あって、我々国民は、“なし崩し的に”高額な税金を納めさせられているのだ。

例えば、道路特定財源だけに限ってみても、車検のたびに頭が痛くなる自動車重量税や、購入したときに泣く泣く納めている自動車取得税なども、暫定税率を適用している。これらが本来の目的である道路に使われないのであれば、“暫定”という名前の通り、期限が来たら速やかに本来の税率に戻すべきだろう。その上で、必要であれば「環境税」など新税の導入を検討すればいい。兎に角、なし崩し的に一般財源化することには反対だ。そんなやり方は、今世間を騒がしている食品の偽装問題と何ら変わらない。そう思いませんか、皆さん!

【文責:知取気亭主人】

 

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