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『赤、黄、黒?』

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2007年11月28日

早いもので、今年も残すところ後一月になってしまった。金沢市内の木々も大分冬支度が進み、僅かに残った葉を名残惜しそうに風に揺らしている街路樹が目立ち始めている。いつの間にか紅葉も終盤に差し掛かっている。しかし、“美しさ”という点では、今春の桜同様いまいちだ。あまり綺麗な色づきも見せず散ってしまったものが多い。『去年はどうだっただろうか』と昨年を思い出してみたが、やはり今年と同じように、“一斉に色づいた”ということではなかったと記憶している。どうも、夏以外の季節感が年々薄らいでいくような気がしてならない。このあたりにも、温暖化の影響が出ているのだろう。

ところで、皆さんは、カエデなどの燃えるような“赤色”とイチョウに代表される“黄色”と、どちらがお好きだろか。落ち葉になって暫くすればどちらも褐色の汚い色になってしまうのだが、舞い落ちる直前の葉は、黄や赤など鮮やかな色で私たちの目を楽しませてくれる。どちらも甲乙付けがたいが、私はどちらかというとイチョウの黄色が好きだ。特に、常緑樹の中で金色に輝く大木のイチョウは、圧倒的なボリュームとその混ざり気のない美しさに気高ささえ感じてしまう。

 

見事に黄葉した
イチョウの大木

勿論、カエデやドウダンツツジ、あるいはヤマボウシやツタの辺りを圧倒する“燃えるような赤”も十分魅了してくれる。しかし、黄色に比べると分が悪い。


左:ドウダンツツジ  右:カエデ

ヤマボウシ

ツタ
 

黄色〜赤のグラデーションを見せるカエデ

やはり、太陽の光が当たると金色に輝く、あの金色の魔力なのだろうか。特に私は金色に弱い。金への執着心が……。さてさて、好き嫌いは別にして、これまで赤色も黄色も、兎に角緑色から綺麗な色に変色したらどちらも紅葉だと思っていたが、どうやら厳密にいうとそうでもないらしい。赤色と黄色への変色ではメカニズムが違うという。読み方は同じ「こうよう」でも、漢字は「紅葉」と「黄葉」を使い分けた方がいいのかも知れない。

 

因みに、イチョウなどの黄色は、カロチノイド系の黄色の色素」が緑色の色素「クロロフィル」より目立つためだ。二つの色素は元々葉に含まれているものだが、秋も深まり気温が低下してくると落ち葉の準備をし始める。この時、葉の色素が分解を始めるのだが、分解のスピードに差があることが「黄葉」する原因となる。「クロロフィル」は分解が早く進み、ゆっくりと分解する「カロチノイド」が葉に残り、結果黄色が目立つ様になるわけだ。今市中に出回ってきたミカンの色づきも同じ仕組みだという。

一方、カエデ類に代表される赤色は、ニンジンにも含まれている「アントシアニン系の赤色の色素」が大きく影響している。クロロフィルの分解と共に新たにアントシアニン系の色素が大量に作られ、赤色を呈するようになるのだという。勿論、紅葉する葉にもカロチノイドは含まれている。したがって、このアントシアニン系の色素が生成される過程で、未だ少ないものは黄色、多いものは赤色として鑑賞することになる。黄色〜赤色のグラデーションを見せる木々や葉は、このようにして作られているのだ。ところで、元々葉に含まれていないアントシアニンが何故大量に作られるのだろうか。自然の営みは本当に神秘的だ。仮説は提唱されているらしいが、“燃えるような情熱の色、赤”を鑑賞するには神秘的であった方がいいのかも知れない。

 

神秘的と言えば、会社の庭で、これまで見たこともない……「気付かなかった」が正解かも……変わった色の落ち葉を見つけた。普通、落葉した葉は赤、黄、あるいは褐色に変色するものだと思っていた。ところが、見つけた葉は、ご覧のように、お世辞にも“紅葉狩りの対象”とは言い難い、黒褐色〜黒色を呈しているのだ(右下写真)。しかも、落葉しない常緑広葉樹、アオキの葉だ。勿論、落葉していない葉は、青々としている。


ユリノキ
 

アオキ

メラニン色素でも生成されるのだろうか。見た目にも綺麗ではないし、見慣れてないこともあって何となく気色が悪い。アオキが落葉するときは“必ずこんな色に変色する”のか、あるいはアオキに発生する「すす病」など“病気に起因している”のか定かではないが、いずれにしても滅多にお目にかかれない不思議な色だ。まるで、葉が壊死しているように見える。

 

一体、どんなメカニズムでこんな色になるのだろうか。赤、黄への変色メカニズム以外に、未だ知られていない黒への変色メカニズムがあるのかもしれない。ひょっとすると、これって世紀の大発見?

 

【文責:知取気亭主人】

 

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