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『体のリスク管理』

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2007年12月12日

毎年のこととは言え、やはり12月ともなると何とはなしに気ぜわしくなってくる。歳末商戦の“盛り上がり作戦”にまんまと乗せられているのか、遣り残した仕事が多く気が急いているのか、取り立てて目新しい事をするわけでもないのに毎年慌ただしい年の瀬となってしまう。人間は歴史に学ばない動物だというが、この時期になると恥ずかしながら毎年実感させられる。昨年の、あるいはそれ以前の教訓を全く生かしきれていないのだ。まあ、それが人間の良いところでもあるのだが……。

さて、12月と言えば? そう忘年会だ。既に色々な集まりの忘年会に参加して、少々バテ気味の御仁も沢山いることだろう。しかし先はまだ長い。しかもその忘年会が終わると直に正月を迎え、時を待たずして新年会だ。飲兵衛にとっては、凡そ2ヶ月間にも及ぶ大好きなシーズンの到来だ。一方、下戸にとっては、気が重いシーズンが幕開けしたことになる。

しかし、どちらにとっても飲み過ぎは禁物だ。肝臓をやられたり、失敗をしでかしたりと、飲み過ぎによる痛手は後になって効いてくる。いやなことに、記憶障害の原因にもなるという。それでなくても記憶力が衰えてきた熟年世代にとっては、何ともいやな情報だ。実は、最近とみに衰えてきた私の記憶力も、長年に亘る過度の飲酒によるものなのか、あるいは加齢によるものなのか、気になっているところなのだ。しかし、あまり騒いで家内の耳に届くと晩酌に響きそうだ。ここは、「加齢によるもの」ということにしておこう。

 

ところで、今年の春、世界保健機構(WHO)からちょっと気になるデータが発表された。「飲酒で顔が赤くなりやすい人の食道がんの発症率は、赤くならない人に比べて最大で12倍になる」というものだ(読売新聞、YOMIURI ONLINE、2007年4月2日)。しかも、食道がんばかりではない。赤くなりやすい人、つまりアルコールの分解過程で生成されるアセトアルデヒドを分解する酵素の一部が欠損している人は、乳がんや大腸がんの発症確率も高いという。

しかし、だからと言ってあまり神経質になることは無いだろう。考えようによっては、赤くなりやすい人はリスク管理し易い体と言える。つまり、“赤くなる”ことを“交通信号の赤”と同じように危険信号だと解釈すれば良いのだ。すると、『もう十分飲みました。これ以上は危険です』の状態であることは誰にでも分かる。そんな状態を見れば、周りも無理には飲ませようとしなくなる筈だ。極めて感度の良いセンサーを持ち合わせているのと一緒だ。表現を変えれば、「見える化が進んだ体」だと言うことができる。したがって酒量をコントロールする強い意志さえ持っていれば、飲み過ぎによる痛手をすんでのところで食い止めることができるのだ。ただ、強い意志を持ち合わせているかが問題なのだが……。

 

では、すぐに赤くならない人は安全か、というとそうでもない。やはり過度の飲酒は、「酒が強い」と言われる人でも、大なり小なり体に変調をきたすことは間違いない。したがって「体のリスク管理」としては、事前対策をしっかりとしておくことが肝要だ。私も、効果があるのかどうかは別にして、飲兵衛仲間から聞きかじった対策の幾つかを試している。特に「今夜は長くなる」と覚悟を決めたときは、ある方法を心掛けている。         

その方法とは、酒を飲む前に牛乳、あるいはヨーグルトを飲むことだ。「牛乳等の脂肪が胃の内側に膜を張りアルコールの吸収を抑えてくれる」との情報を、素直に信じている。また「空きっ腹にアルコールは良くない」ということで、家で飲むときは先にみそ汁などを軽く腹に入れるようにしている。結構気を遣っているのだ。

しかし、風邪の引き始めでさえ多種多様の民間療法があることを考えると、悪酔い対策も沢山あるに違いない。ということで、早速私以外の方法はないかインターネットで調べてみた。すると、結構面白い方法を見つけた。その中の幾つかを紹介しよう。ただし、効果があるかどうかは、保証の限りではない。

 

★ キャベツを事前に食べる(胃薬に使われているから……)。
★ ハイチオールCを飲む(販売戦略か?)。
★ 柿(干し柿でもいいそうな)を食べる(タンニンがアルコールを中和してくれるとのこと)。
★ バナナを食べる。
★ 良質のタンパク質(豆腐や納豆など)を食べる(順当な方法だ)。

        

ハイチオールCを飲む以外は、皆何かを食べる対策だ。つまり、事前対策としては、どうやら「何かしら腹に入れ本番に望む」ということが最善の策らしい。やはり空きっ腹は良くない、ということか。確かに、何か腹に入れておけばその分酒が入るスペースも少なくなる。結果、酒の量も多少は少なくなるのかも……。

ところで事前の対策ではないが、悪酔い対策、あるいは二日酔い対策として、「酒を飲むときに水も飲む」というものが目に付いた。そういえば、最近「和らぎの水」と銘打って、「日本酒を飲むときに“酒と水を交互に飲むと悪酔いしない”」と喧伝している清酒メーカーが増えてきた。確かに、水を飲むと酒もその分飲めなくなる。しかし、飲兵衛としてはあまり気が進まない。折角飲んだアルコールが薄まってしまい、損をしたような気がしてしまう。しかも、“酔うまで飲む”性分の私としては、体のリスク管理もなるほど大切だが、心と体の欲求もある程度は満足させてやりたいと思っている。やはり、心と体の程よいバランスが私は好きだ。

 

【文責:知取気亭主人】

 

造り酒屋の印「杉玉」
(青葉の杉玉は新酒ができた合図)

(飛騨古川の造り酒屋:美味しかった!)

 

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