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『悲喜こもごも』

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2007年12月19日

物騒な世の中になってしまったものだ。まさかこんな事件が日本で起こるとは……。皆さんもうお気付きのことだとは思うが、12月14日に長崎県佐世保市で起こった散弾銃乱射事件のことだ。「銃の乱射事件はアメリカの専売特許で、仮に日本で起こったとしてもそれはヤクザ同士の抗争事件ばかりだ」と思っていたのだが、先日の高知県津野町に続いてまたも一般市民による銃を使った殺人事件が起こってしまった。しかも今回は、多数の人が集まるスポーツクラブでの銃乱射、そして容疑者自殺という驚愕の展開に、日本国中に衝撃が走っている。この事件により、男女二人が死亡し、女児二人を含む6人が怪我をした。怪我をしなかった人たちも、深く大きな心の傷を負ったに違いない。むごい事件だ。

容疑者が死亡してしまっていることから、犯行の動機や事件の全容を明らかにするには多少時間がかかるかもしれない。しかし、二度とこのような事件が起こらないよう、是非全容を明らかにしてもらいたい。そして、銃の所有資格審査の厳格化も含め、安全のためのあらゆる手段を講じてほしい。そう言えば、先日も銃が暴発して幼い子供が亡くなった事件があったばかりだ。日本でも、銃による事件・事故はもうヤクザの専売特許でなくなってきている。原因の一つとして、簡単に所有できる今のシステムが挙げられる。保管管理も含め、銃規制の強化をすべき時代に入っているのだろう。

 

しかし、年の瀬間近なこんなときに、大変な事件をやらかしてくれたものだ。せめて年末ぐらい明るい話題で締めくくろうと思っていたのだが、世の中はなかなか思い通りにならないものだ。とは言うものの、今年の四方山話は今回も含めて後2回しかない。最後は例年通り“締めの挨拶”と決めているので、実質今回が今年最後の自由テーマとなる。「終わり良ければ総て良し」と言われるように、やはり明るい話題で締めくくることにしよう。

 

茨城県で認知症の女性(73歳)を助けた犬が話題になっている。今月6日、茨城県ひたちなか市の草むらで、行方不明になっていた老女が30時間ぶりに無事発見された。発見されたとき、犬が老女に寄り添うようにしていたという。その犬が湯たんぽ代わりとなり体温の低下を防いでくれたのではないかとみられている。何しろ6日未明は氷点下まで冷え込んだというから、その中で体力の無いお年寄りが一命を取り留めたのは奇跡に近い(読売新聞、YOMIURIONLINE、2007年12月8日)。犬の体温は38〜38.5℃と人間より高いことも幸いしたのだろうが、まさに命の恩犬だ。運が良いときには幸運も重なるもので、たまたまその恩犬(飼い犬で名前はウシ)も5日から行方不明になっていて、偶然に偶然が重なってその場所で出会っているのだからすごい。何か強い絆や因縁めいたものを感じてしまう。

親子同士でも「殺した、殺された」といった殺伐としたニュースが溢れている中で、久しぶりに心温まるニュースだ。こんなニュースであったらいくらあってもよい。年明け早々から続いた色々な偽装問題や政治家の不祥事、多発する殺人事件など世間を騒がす暗いニュースに比べれば、なんと明るく、幸せな気分にさせてくれることか。しかも、見返りを求めない犬というのが良い。世間を騒がせた連中に“ウシ”の爪の垢でも煎じて飲ませてやりたいものだ。少しは反省をしてくれるのでは……、無理か!

 

ところでウシが人助けをした日に、ひたちなか市では氷点下の寒さを記録したとあるが、金沢もそろそろ冬の天候となってきた。12月の声を聞いてから頻繁に雪起こしの雷が鳴り始め、氷雨が窓を打つようになってきた。本格的な雪も、寒さももうすぐだ。

そんな季節には体の中から暖めるのが一番だ。鍋をつつきながらキュッと熱燗を一杯、てなことも勿論好いが、辛いものを食べてカッカするのも好い。ということで先週の土曜日、窓打つ氷雨の音を聞きながら、暫く遠ざかっていた“ハバネロ味噌”を作ることにした。

今回は、具に沢庵を加えての新バージョンに挑戦だ。台所が妻の戦場と化していたので、小さな“まな板”を持ち出し、居間で材料を刻むことにした。このときハバネロが凍っていたことを良いことに料理用手袋をしなかったのだが、このホンの小さな判断ミスが、後々の得難い体験に繋がることになる。

ニンニク、沢庵、椎茸と刻み、最後にハバネロを刻み終えたところで、トイレに行きたくなった。刻んだ材料を台所に運び、サッと手を洗いトイレに行った。用を足し、妻に『そろそろ良いかい』と聞いたところで、急にその……、ナニに異様な熱さを感じ始めた。と思っていたら、それは直ぐに痛みに変わっていった。『しまった! ハバネロは手袋をはめて料理しないとひどい目に遭うんだった』と気づいたときにはもう遅い。既にその兆候が出始めている。『こりゃまずい』と、急いでシャワーを浴びたのだが、お湯を掛けると尚更“いた熱い”。しかし、ここは洗い流すしかない、と信じ必死に洗い流した。

それが功を奏したのか、“いた熱い”の感覚は多少和らいできた。しかし違和感は無くならず、妻には平静を装ったものの、結局不安な一夜を過ごすことになってしまった。あの独特な違和感も今はもうすっかり無くなり平常に戻っているが、いくら消費期限が過ぎたとはいえ、大事に至らずホッと胸を撫で下ろしているところだ。ホント、ハバネロには“ご用心ご用心”だ。  

【文責:知取気亭主人】

 


一文字菊(「菊の御紋」のサンプルになった菊)

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