|
いよいよ今年最後の四方山話となった。あっという間の一年であったが、3月に能登半島地震、7月には新潟県中越沖地震と、日本海側に大きな被害をもたらした地震が連続した年でもあった。災害以外にも事件・事故も多く、年末まで世間を騒がせた年金問題や偽装問題など、一年間書き綴った「四方山話」を紐解いてみるといろいろな出来事がよみがえってくる。中には思い出したくも無い話題もあるが、昨年と同様、今年一年の印象深い出来事を拙い狂歌で振り返ってみたい。
|
中(なか)越後 再び揺らす 大なまず 原発止めて 東電泣かす |
3月25日(日曜日)9時42分、「能登はやさしや土までも」と詠われている能登半島が、震度6強の地震に見舞われた。日曜日の昼前という時間が幸いして亡くなった方は僅か1名で済んだが、被災者は高齢者が多く、特に震源に近い輪島市門前町周辺では曹洞宗大本山総持寺の祖院も被害を受け、寺の栄枯盛衰とともに地方が抱える過疎高齢化の実態を痛感させられた。そして、その約4ヵ月後の7月16日(月曜日)、今度は新潟県柏崎市沖を震源とする地震が発生し、柏崎刈羽原子力発電所が緊急停止した。原子力発電所内での火災も発生し、建屋に亀裂が発生するなど原子力発電所が地震による被害を受けた初めてのケースとなった。その結果、同原発の稼動再開目処が立たなくなった東京電力は、夏場の電力需要に賄い切れるか、綱渡りの操業を強いられることになった。
|
閣僚の 偽装表示で 負け戦 アンベエ(安倍)悪いと 投げ出す晋三
安倍が投げ 福田が拾った 総理椅子 マンガ見ながら 狙うは麻生 |
相次ぐ閣僚の不祥事やこれらの不適切な対応によって、前年に発足したばかりの安倍内閣の支持率は急速に低下し、夏に行われた参議院選挙で与党は惨敗した。安倍首相は選挙の責任を取って退陣するものと思いきや、『続投します』と自信ありげに宣言したものだった。ところがその舌の根も乾かぬうちに、民主党の小沢党首との党首討論を明日に控えた日、突然辞任してしまった。有り体に言えば、放り投げてしまったのだ。後を継いだのは、人気のあった麻生氏ではなく、福田氏だった。その福田内閣も年金問題や防衛省問題で、一時50パーセントを越えていた支持率は急激に低下し、今や30パーセント台の超低空飛行になっているようだ。
|
亀が吠え 龍がいじけて 大騒動 世間相手に 痛い黒星 |
ボクシングの亀田家と角力の朝青龍が、色々と物議をかもした年でもあった。どちらも精神的には幼稚で、「子供の我儘」、あるいは「駄々をこねているだけ」と言えるような、お粗末な話題だった。にも拘らず、テレビでは連日連夜その話題で持ちきりだ。その加熱振りを見ていると、日本の報道の程度の低さを垣間見るようで、正直情けない気分にさせられた。
どちらも、当事者の謝罪会見で事が終わってしまった印象を拭えない。ことの良し悪しをうやむやにしたまま幕を引いてしまうのは、本人たちの為にならないと思うのだが……。
|
赤い服 ペコちゃんに着せ 恋人と 言った先から 逃げる吉兆
期限換え 産地偽り 中身変え ばれて答弁 またまた偽装 |
今年一年を表す漢字として「偽」が選ばれた。当然だと思う。1月に発覚した不二家問題に始まって、白い恋人、ミートホープ、赤福、比内地鳥、船場吉兆など、主だった食品関連の偽装問題を思いつくまま挙げてもこれだけ出てくる。ビルや橋梁に関する偽装も発覚した。その多くは内部告発によるものだが、謝罪会見で言い訳をする経営者の多くが、「現場の独断専行が原因だった」と、自らには責任が無いような答弁をしていた。その答弁も偽装なのだろう。偽装によって、「売り上げが伸び利益が上がる」などの吉兆(良いことの前兆)が来ると信じてやったことなのだろうが、失ったものはあまりにも大きい。
さらに、年金問題で安倍前首相が公約した「年度内に全て解決します」を反故にするような福田首相の発言で、今年一年の偽装に関する答弁が全て偽装だったと、最終結論を出す格好になってしまった。
|
池ポチャに ゴルフ阻まれ 泣く守屋 防衛よりも 家内が大事
15分 休み浮かせた 五千万 他人不明で 我が身万全 |
守屋前事務次官による贈収賄事件やイージス艦情報の漏洩事件に揺れる防衛省、そして5,000万件に上る宙に浮いた年金問題で国民から強烈なバッシングを受けている厚生労働省、どちらも国民を守る大きな使命を預かっているにも拘らず、その意識が低いように思えてならない。厚生労働省は、C型肝炎問題でも原告団から、そして国民から非難の目を向けられている。預かる枡添大臣も『これほどひどいとは思わなかった』と述べているとおり、防衛省や厚生労働省の職員には、「親方日の丸」の意識が蔓延しているのではないだろうか。でなければ、あまりにも国民を馬鹿にした話だ。
|
猪(シシ)が行き 格差来るなと 寝ず(ネズ)の番 地方待つのも 景気回復 |
「亥年は株価も上がる」というジンクスがあったようだが、アメリカのサブプライム問題を引き金に株価は低迷したままだ。小泉政権が残していった大企業と中小企業、大都市圏と地方の格差は広がるばかりで、実感として地方の疲弊は年々ひどくなってきている。
迎えるは子年(ネズミ)である。「子」という時に現れているように、ネズミは子沢山だ。「ネズミ算式に子が増える」ともいわれている。ネズミにあやかり、地方に住む我々の収入をネズミ算式に増やしたいものだ。そのためにも力強い景気回復を期待したい。
今年も何とか休刊することなく、最後の四方山話を迎えることができました。これもひとえに、拙い文章にお付き合いくださる皆様のご声援の賜物と深く感謝しております。本当にありがとうございました。皆様にとって迎える年が素晴らしい一年になりますように、そしていさぼう会員皆様のご多幸とご健勝を祈念して、四方山話2007年の締めと致します。
|