先週の金曜日(6月6日)、今年の健康診断を受けてきた。血液検査の結果やレントゲン撮影の診断結果など詳しい内容は2~3週間後に手元に届くとのことだが、今回の最大の関心事であった「腹囲=ヘソ回り」と身長・体重のメタボ健診に関する基本数値は、しっかりと記憶してきた。
身長は、大幅に縮んだ昨年よりも少しだけ元に戻して176㎝となった。この歳になっても成長するらしい! 体重は、メタボ回避の"1週間緊急ダイエット"が効いたのか、正月太りから凡そ5㎏の減量に成功して、71.4㎏とまずまずの数値だ。そして肝心の腹囲だが、85.4㎝と何とも微妙な太さになってしまった。少しだけでも腹を引っ込めれば良かったと悔やんでいるが、取り敢えずこれらの数値を使ってメタボ健診の第一段階判断基準に照らし合わせると、私の"メタボ第1次診査"は次の通りとなる。
BMI = |
[体重]÷[身長]÷[身長]=71.4÷1.76÷1.76=23.0 < 25 OK! |
腹囲= |
85.4 ≒ 85 OK? |
BMIは文句なしにOKだ。もう一方の腹囲は、ミリまで表示をすると基準をオーバーしてしまうが、ミリ単位を四捨五入してセンチメートル止めで判断すれば良いのだろう、と手前勝手な判断をしている。したがって、「良いのかなぁー?」と多少不安はあるものの、ひとまずホッとしているところだ。
ところで、厚生労働省がメタボ健診を導入した理由は、日本に2千万人いると言われるメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群、以下メタボ)の該当者とその予備軍を早期に発見して、彼らの生活指導を実施することにより該当者の削減と医療費を抑制しよう、というものだ。そのメタボの人達が罹る代表的な病気として、肥満と生活習慣病がある。食べ過ぎと運動不足に起因する現代病だ。メタボ健診が40歳~74歳の人達を対象としている事から分かるように、メタボは加齢とともにその罹患リスクが増大して来る。
人間の体は正直だ。私のように長年に亘り不摂生を続けてきた体には、"積年のツケ"が脂肪や生活習慣病となってしっかりと現れる。人によって多少の程度の差こそあれ、40歳を過ぎた辺りからぼちぼちツケが目を出し始め、50を過ぎた途端に薬の厄介になる仲間が増えてくる。そして、私と同世代ともなると、久しぶりに会って食事などしようものなら、テーブルには色とりどりの薬が並べられ、薬や病歴の自慢話に花が咲くことになる。そんな話に花が咲くのも、昔に比べると日本人の食卓が豊かになったことや、運動不足なのに高カロリーの食事を取るようになってきたからに他ならない。過度のアルコール摂取も言わずもがなである。
その傾向は日本人ばかりではない。他の先進諸国でも同じで、60億人の世界人口のうち16億人が過体重で4億人以上が肥満だ、という調査結果を世界保健機構が(WHO)が発表した(2006年11月6日、糖尿病ネットワーク、http://www.dm-net.co.jp/calendar/)。驚いたことに、凡そ4人に1人が過体重ということになる。
その一方で、国連世界食糧計画(WFP)は、世界の貧しい国々では凡そ8億5,000万人の人達が栄養不良や飢餓で苦しんでいる、と食糧不足を訴えている。7人に1人の勘定だ。しかも、そのうちの3億5千万人以上が子どもたちで、飢えを原因として毎日5歳未満の子どもが1万8,000人も命を落としているという。毎日、毎日だ。辛い話だ。
同じ地球上に住みながら、こんなにも違って良いものだろうか。飽食によって病気になる人間がいるなんて、飢えに苦しむ子どもたちが知ったら何とするだろうか。しかも、未だ食べられる食料を廃棄している、とんでもない現実もある。そんな中で生活をしている自分を振り返ると、後ろめたい気持ちで一杯になってしまう。反省ばかりだ。
このように、地球規模で食糧問題を捉えると、富める国と貧しい国々との格差が歴然として存在している事に気付かされる。特に、貧しい国々の"飢え"は極めて深刻だ。殆どの日本人は、明日の食事を心配することなく生活できている。しかし、先に述べたWHOやWFPの数値を見せられたとき、この地球上には"飽食と飢餓"という食の不均衡が大きく横たわっている事を知った筈だ。そしてそれを知った多くの人々は、この不均衡を何とかしたい、と思うに違いない。そんな思いを実現するために考えられたのが、「TABLE FOR TWO」という画期的な取り組みだ。TABLE FOR TWOは取り組みの名前でもあるが、そのまま特定非営利活動法人の名前にもなっている。
「TABLE FOR TWO」とは「二人の食卓」という意味で、TABLE FOR TWOプログラムに参加している企業の社員食堂や飲食店などで、TABLE FOR TWO認定のヘルシーメニューの食事を食べると、代金の内の20円がTABLE FOR TWOに寄付される仕組みだ。そしてこの20円は、途上国の子供たちの学校給食1食分になる。つまり、「認定メニューを食べている横で途上国の子供も一緒に食事をしているイメージ」からこの名前が付けられたという。主旨もすごく良いし、洒落た名前だ。その上、ヘルシーメニューを食べる大人たちの健康維持にも役立つ、大変優れたプログラムとなっている。
是非とも参加したいと思うのだが、残念ながら同プログラムに参加している飲食店で食べた事がない。TABLE FOR TWOのホームページ(http://www.tablefor2.org)を見ると、プログラム参加・協力企業は都会に集中しているようなので、東京に出向いたときには、何とか参加飲食店を探し出し、食事をしたいと思っている。と同時に、社員食堂を持っている大手企業は、是非ともこのプログラムに参加してもらいたい、と切に願っている。
|