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またまた食品偽装が世間を騒がしている。後もう少しで土用の丑の日(7月24日)だというのに、主役の"ウナギさん"と当事者の"ウシさん"が、本人達の預かり知らぬところで産地やら等級やらを偽装され、"モウうんざりだ"と嘆いている。しかも、やり方がかなり悪質で、トップの対応も非難の的となっている。
その昔、天下の大泥棒石川五右衛門が「石川や 濱の真砂は 尽きるとも 世に盗人の種は尽きまじ」と辞世の句を詠んだというが、本当にその通りだ。盗人に限ったものではないが、悪い事をする奴はいつの世も後を絶たないものだ。しかも最近は食に関する悪質行為がやたらと多く、報道されるたびに「またか!」の感が否めない。口に入れる物だけに、悪質な行為は即刻やめ、安心して食べられるようにしてもらいたいものだ。
尤も、カロリーベースの食料自給率が40%を切ってしまったことや最近の食料品の急激な値上がり、更には生きている限り食べ続けなければいけないこと等を考えると、悪い輩にとっては美味しい業界なのかもしれない。しかし、食料の生産者、つまり農業や漁業に従事している人達にとっては、それとは逆に大変厳しい職業だ。それは、数値にも表れている。
半月ほど前、NHKのラジオ番組に出演していたゲストが、農林水産業に従事する人達に関して興味ある例え話を紹介していた。少し前に話題になった「もし○○が100人の村だったら」をもじったものだ。
そのゲストは、「もし日本が100人の村だったら、3人が農林水産業に従事する人達で、そのうちの1人がなんと70歳以上、1人が60歳代、そして残りの1人が50歳代だ」と言っていた。総務省統計局のデータで確認すると確かにそんな人数になるのだが、こういった身近な数値に置き換えると、改めて食料生産現場の厳しい現状を再認識させられる。若い人達の農林水産業離れと高齢化がこんなにも進んでいるとは、正直驚きだ。そして、このままでは益々自給率が低下していくのではないか、と心配になってしまう。
その自給率に関しても、興味ある話をしていた。「日本の自給率は40%を切るほど低いが、東北地方は100%以上の自給率だ」と東北地域の自給率の高さを訴えていたのだ。自給率が100%を越える地域があると聞いて少し安心してみたものの、東北地方はそれこそ高齢化の先進地域で、後継者不足と相まって、放棄農地がこの先加速度的に増えていくのではないか心配だ。下手をすると、日本全体の自給率が35%を切るなんて事も起こりうるのだ。やはり、残りの97人に相当する我々消費者がそのあたりの現実をしっかりと受け止め、危機的状況である事をまずもって認識しないと、自給率を高める手立てを講ずることはできないだろう。
ということで、総務省統計局のホームページで自給率に関する数値データを調べてみた。
まず、都道府県別の食料自給率の上位10傑を見てみよう。次表は農林水産省で試算した「最新年の都道府県別食糧自給率」に掲載されていた「平成18年度の概算値」を使って作成したもので、発表時点では未だ確定値ではない。なお、自給率の単位は%だ。
自給率が100%を上回っているのは、寂しいかな僅か5道県しかなく、そしていずれも東北・北海道地域ばかりだ。10位まで広げても、7位に顔を覗かせている鹿児島県を除けば、雪国や北の地方ばかりだ。日本の食料生産が如何に偏った地方に頼っているかが分かる。
しかも、かなり農地が広いと思っていた隣県の富山県でも80%を切っているし、農業県とばかり思っていた石川県は、驚いた事に49%と半分にも満たない。これでは、日本全体で40%を切ってしまうのも頷ける。休耕田がやたらと目立つのに……。
では、反対に下位の10傑はどうなっているだろうか。
予想はしていたが、こんなにも低い都府県があったとは驚きだ。中でも1桁台の東京、大阪、神奈川の3都府県の住民は、それこそ他の他府県民に食べさせてもらっていると言っても過言ではない。惨憺たる状況だ。大都市圏でも、せめて10%位はあるだろうと思っていたのだが……。
今回のウナギの産地偽装問題の震源地"一色町"がある愛知県も意外と低く、僅か13%だ。こういった自給率の極めて低い都会に暮らしている人達が農林水産業の政策を決めていることが、効果的な食料対策をうてないでいる最大の理由なのではないだろうか。きっと、現場がどうなっているのか分からないのだ。もうそろそろ、農林水産省の中枢機能を北海道に移すぐらいの大英断が必要なのではないだろうか。少なくとも、自給率1%の東京にあっても現場の声は届かない。 |