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『今年もご愛読ありがとうございました 』

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2008年12月24日

いよいよ今年最後の四方山話となった。毎年のことではあるが、あっという間に1年が過ぎた。振り返ってみると今年も大きな出来事が沢山あった年であったが、最後に待っていたのは思いも寄らぬ世界同時不況だった。サブプライムローンに始まった金融危機が引き金になり、世界は不況という荒波に沈没寸前の状況にある。12月に入りこれまで堅調だった自動車産業でも企業の業績悪化が鮮明になり、期間工の大量解雇を中心に雇用不安が現実のものとなってきている。ニュースでは、職と住まいを失ったホームレスへの炊き出し風景が頻繁に映し出されるようになってきた。歳末風景としては本当にやりきれない。

しかし、そう悲嘆に暮れてばかりもいられない。新しい年を新たな気持ちで迎えるためにも、昨年同様一年間書き綴った「四方山話」を紐解いてみることにする。楽しい話題も思い出したくも無い話題も多々あるが、例年通り印象深い出来事を拙い狂歌で振り返ってみたい。

 

 

 コース変え 騒動くわえ 鳥の巣へ 雛のさえずり 姿も偽装
 

2008年8月8日、8尽くしの北京オリンピックが開催された。13億余の人口を擁する巨大国家中国での初めてのオリンピックとして注目されていたが、5大陸を回った聖火リレーがチベット問題に端を発した妨害騒動で世界を驚かせた大会でもあった。4月26日に長野市を会場に行われた日本での聖火リレーも、6人が逮捕され騒然とした雰囲気となった。アメリカではコースも変更された。そうした聖火リレーが佳境だった5月12日、チベット自治区に近い四川省でマグニチュード8.0の巨大地震が発生し、8万人を超す死者行方不明の大災害が発生した。メイン会場となった「鳥の巣」へは、妨害騒動に加えそんな大震災の騒然とした雰囲気をもリレーされていった。そして、そんな聖火リレーに加え開会式でも驚かされる演出が目白押しの大会となった。

開会式で美しい歌声を聴かせてくれた少女が実は口パクだったことや、少数民族の衣装を着た子供たちが実際は少数民族の子供たちでなかったことも後から明らかとなった。花火で模した巨人の足跡がCGだったことも明らかにされ、視聴者の多くが驚嘆したこの演出は、やがて違う驚きへと変わって行った。どれもこれも少々やりすぎの感は否めないこれらの演出は、「何でもありの中国」を強く印象付けてしまったのだ。しかし、懸念されていた混乱もなく、大会そのものは大成功だった、と言っていいだろう。

 

 

 安倍が投げ 福田も捨てた 総理椅子 拾った麻生は 修理もできぬ 

 KYを ゴルゴが使えば 危険予知 麻生が使うと 漢字も読めねぇ
 

総理大臣の任期は1年だろう、と思い込んでしまうほどの短期間で、無責任にも二人の総理が次々と辞任をしてしまった。後を受けた麻生内閣も相次いだ失言や漢字の読み間違いで失笑を買い、加えてこの未曽有(みぞう)の不況風に対する対策の不評を受け、その支持率は回復どころか20%を切ろうかと言うほど急速に低下している。もはや末期的症状だ。そして、どう考えても、国民の審判を受けない総理が二人も続いていること自体尋常ではない。やはり早急に国民の審判を受けるべきだ。

 

 

 事故米の 修理工場 紙会社 すいて消えてく 汚染と出どこ
 

汚染された輸入米が不法に食用として流通していることが分かり、大騒動となった。工業用の糊として利用されることを条件に売却されていた事故米が、酒米や菓子、或いは給食用などのコメとして堂々と流通されていたものだ。事故米という名前そのものにも疑問が残るが、ペーパー会社を通していくそのやり方はまるでブラックマネーの資金洗浄と同じ構図で、"汚染された証拠"も"政府から破格の値段で購入したこと"も次の会社に伝えられることなく、やがて静かに消されていく。そして、極めて低価格で仕入れた事故米は、最終顧客に渡る頃には一般米とさして変わらぬ値段で取引されることになるのだ。

この事故米事件を始め、メタミドホス入りの冷凍餃子事件や産地偽装事件、そして年末に発覚した筍をめぐる生産者の顔写真偽装事件など、今年も食を巡る破廉恥な事件が多発した年だった。何時になったら、表示を全面的に信ずることができるようになるのだろうか。消費者としては何時まで経っても心配の種は尽きない。

 

 

 振り込めと 電話の向こうで 名演技 泣いて騙して 舌出し笑う
 

今年も「振り込め詐欺」の被害が多発した年だった。その被害額は、昨年を大幅に上回り300億円を超えるのではないかと危惧されている。ATMによる引き出し額に限度が設けられたり、ATMの周辺での注意の呼びかけを行ったりと、対策強化は実施しているのだが、その対策をあざ笑うかのように新手のテクニックによる犯罪が次から次と登場し、被害に遭うお年寄りの数は一向に減る気配にない。まるで警察とのイタチごっこだ。高齢者を狙ったこの手の犯罪は、社会全体が高齢化社会になればなるほど、被害者予備軍が増えていくことになる。そういった意味では、そろそろ私も気を付けなければいけない。

 

 

 日本語と オワンクラゲが 賞さらい 庶民のキャラに 話題もさらう
 

暗いニュースが多かった今年にあって、北京オリンピックでの日本選手の活躍とともに、4人もの日本人科学者がノーベル賞を受賞したビッグニュースは、日本国民に大きな喜びと多大な勇気を与えてくれた。中でも、「対称性の破れ」理論で物理学賞を小林誠氏と共同受賞した益川敏英氏の愛すべきキャラは、我々庶民にとってノーベル賞をグンと身近なものにしてくれた。また、オワンクラゲから蛍光タンパク質を発見しノーベル化学賞を受賞した下村脩氏の「家族総出のクラゲ捕獲作戦」の逸話は、地道な現場作業にたずさわる科学者たちにとって明るい希望を与えてくれたに違いない。

受賞式でも日本人にとって喜ばしい出来事があった。出席した3人の受賞者を日本語で紹介してくれたのだ。ノーベル賞の歴史始まって以来のハプニングらしい。心憎い演出だ。来年も続けての受賞を大いに期待したい。

 

今年も何とか休刊することなく、最後の四方山話を迎えることができました。これもひとえに、拙い文章にお付き合いくださる皆様のご声援の賜物と深く感謝しております。本当にありがとうございました。皆様にとって迎える年が素晴らしい一年になりますように、そしていさぼう会員皆様のご多幸とご健勝を祈念して、四方山話2008年の締めと致します。

【文責:知取気亭主人】

 

 

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