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2009年4月1日
今回の四方山話で丁度区切りの第300話となった。2003年6月13日の第1話から足掛け7年掛かっての達成だ。短かったような、はたまた長かったような、そんな足掛け7年だ。節目のたびに同じ言葉を繰り返しているような気がしないでもないが、よくもまあ続いているものだと我ながら感心している。途切れずに続けられるエネルギーは意地と惰性の賜物と理解しているが、家族を始めとして周囲の暖かい声援にも深く感謝をしている。そして、こんな駄文でも読んでくださる読者がいることが、何よりの励みになっていることは言うまでもない。関係する皆さんに、深く感謝、である。ところで、今回の記念すべき第300話は、タイミングよく新年度がスタートする4月1日の今日迎えることができた。こんな良いタイミングはない。たったそれだけのことだが、これから先になんとなく良いことが起こりそうな、そんな嬉しい予感がしている。どんな良いことが起こるのか、期待して待っていよう。
さて、第300話ということで何を書こうか迷ったのだが、300回記念に免じて少し手を抜かさせてもらい、これまでの四方山話を少し振り返ってみることにする。まず、記念号をいつごろ書いたのか調べてみた。第100話がスタートから凡そ2年後の2005年5月20日、そして次の区切りとなった第200話が今から凡そ2年前の2007年4月25日に発表している。1年はほぼ52週だから、100話に2年ほど費やされているのは当然といえば当然の勘定だ。
しかし、「こんなことを書いたことがある」と幾つかはオボロゲながら覚えているのものの、実は書いてきた299話全てを記憶している訳ではなく、脱線しっぱなしだったのではないかと甚だ不安である。ましてや、気の向くまま付けたタイトルを読んだだけでは、内容までは思い出せないものが多い。すっかり皺が少なくなってしまった脳みそでは、2年以上も前に起こったことを思い出そうとしてもからっきしダメなのだ。ところが、例え駄文であっても書いたものが残っていれば、読み返すことができる。その上、上手くすれば書いていた当時のことを思い出すこともできる。やはり、書き残すということは大切だ。ひょっとして、この駄文集の四方山話に「いい仕事しているね」と、100年後にどえらい価値が出る可能性も……、ない!
そんな有り得ない夢物語は、措くとしてまずは第100話を読み返してみた。毎度のタイトルにも苦労しているのだが、この記念号は「第100話」と素っ気無いくらい単純で、これでは内容が思い出せなくても無理はない。書いてある内容は思いのほか真面目で、昨年(2008年)だったか現代の名工に選ばれた、日本酒の杜氏農口尚彦氏の口述筆記の本「魂の酒」(ポプラ社)を紹介している。思った通りというか、やはり本性が表れているというか、私がこよなく愛する酒に関する話題を扱っていて、「酒以外でなくて良かった」などとなんとなくホッとしている。
しかも酒に関することだったからか、この本の概要は今でも大体覚えていて、「題名もいいが、内容がこれまた私の心を酔わせてくれたすばらしい本なのだ」などと書いているように、かなり感動した記憶がある。「飲兵衛には山廃純米酒だ」と私に都合の良いところだけは特に強く刻み込まれていて、このとき以来、たまに飲む日本酒は「山廃純米酒」と決めている。それだけ、私に大きな影響を与えた本だった。しかし2年以上経っても、この私が本の教えをしっかりと守っているなど、酒以外には考えられないことだ。それだけ、酒には魔力があるということだろうか……。
次に2年ほど前の第200話だが、タイトルは「過ぎたるは病の元」だ。残念ながらタイトルを一瞥しただけでは何を書いたのか甦ってこなかったが、少し読んですぐに思い出した。お茶屋さんに勤めている甥の話だ。同じ“飲む”でもこちらは酒の話ではなく、長年続けてきた荒茶の大量テイスティングで胃が荒れ、長葱やニンニク、玉葱が食べられなくなり、食べると胃が痛くなって激しい吐き気と発熱の症状がでる、という信じ難い話だった。毎日飲んでいる緑茶――正確に言うと、製品になる前の荒茶状態の緑茶――でそんなに胃が荒れるのか、とビックリした記憶も甦ってきた。そう言えば、丁度この話を書いたころから新茶が出始めるようになる。今年も私の田舎では、ゴールデンウィークあたりから新茶の収穫が始まり、新茶を蒸すあの芳しい臭いが漂うことになる。見事に手入れされた茶畑を知らない地方の人たちに見せてやりたいが、目に焼きついている茶畑の美しい新緑の絨毯が懐かしい。
これ以外にも、50話の「三日坊主の特効薬?」や150話の「男やもめにウジがわく?」、250話の「父さんの歌」も読み返してみたが、意外なことに、割合脱線はしていない。結構真面目に書いているのだ。やはり根は真面目だったのだ?
この真面目さがいつまで続くか自信はないが、301、302話と続け、400話になったとき、また振り返ってみたい。それまで、再び前進あるのみだ。頑張るべぇー! 【文責:知取気亭主人】
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ミツマタ
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