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2009年6月17日
今月に入り、石川県で原因不明の珍事が相次ぎ発生している。「オタマジャクシや小魚が空から降ってきた」というものだ。ともすれば事件や事故の暗いニュースでしか登場していない我が県にとって、たとえ今回のような"降って湧いたような珍事"であっても、全国ニュースで取り上げてくれたお陰で、「チョッと変わった石川県」をアピールする格好の話題となっている。しかも、ミステリアスなことに、まだ原因が特定されていない。この珍事を逆手にとって、原因解明のミステリーツアーでも企画してくれたら旅行者がグンと増えるのではないか、と勝手な妄想を抱いている。「ミステリーハンターよ、不思議の県、石川に集まれ!」などのキャッチコピーも考えているのだが……。
珍事は、今月の4日(木曜日)の夕方、金沢市の北東に位置する七尾市――和倉温泉のあるところ――の駐車場で、男性が「ポタッポタッ」の音に振り返ると多数のオタマジャクシが落ちているのを発見した、というのが始まりらしい。約100匹ものオタマジャクシが落ちていたという。その後、6日(土曜日)には金沢市の南西に隣接する白山市で20〜30匹のオタマジャクシが、さらに2日後の8日(月曜日)には七尾市でもオタマジャクシ6匹が、そして9日には七尾市の南に隣接する中能登町で13匹の小魚が見つかっている。12日には、白山麓の山間集落でも見つかっている。ここもオタマジャクシだ。
見つかっているのが、オタマジャクシや小魚という小動物ばかりであることや、数がさほど多くないこと、さらには発見される場所が極めて狭い範囲に限定されていることなど、不思議なことが多い。「空から魚などが降ってきた」となれば、竜巻などで巻き上げられ違う場所まで運ばれて落ちた、とすぐに連想してしまうのだが、そうなるともう少し広い範囲に散らばって発見されてもよさそうなものだし、数も多いだろう。しかも、金沢気象台によれば、発見された日に竜巻などが発生した情報は無いというから、どうやらその可能性は低そうなのだ。「いたずらではないか」との可能性を指摘する声もあるが、――これから発見されるのは別にして――私はその可能性はないと見ている。すると、いったい何が原因なのだろうか?
地元では、「気象台が観測できないような小さな竜巻が起こり、これに巻き上げられたのではないか」との観測や、「サギやカラスなどの鳥がこれらの小動物を餌としてくわえて飛んでいたときに、"何かに驚いて"吐き出したのではないか」と見る鳥類保護活動家もいる。しかし、後者の[鳥嘔吐説」については、「鳥は餌を飲み込んで運ぶので空中で落とすことは考えにくい」という専門家もいて、特定するにはまだ決め手に欠けている。
ただ、この「鳥嘔吐説」が仮に正しいとすれば、これらの鳥はある病気を患っているのではないか、と私はにらんでいる。病名は「顎関節症」だ。この病気の為に長時間嘴を閉じ続けることが出来なくなっている、と私はふんでいる。勿論、鳥の専門家ではないから、"嘴の付け根"を"顎"と呼ぶのかどうか、全くもって自信がないのだが、私はこの珍説を強く押したい。因みに、「餌をとる為に、欲張って大口を開け続けた結果、顎関節症になってしまったカラス」などがいたら、仲間からの冷やかしの鳴き声は、やはり我々と同じように「アホー、アホー」と聞こえるのだろうか? エッ、「鳥に顎関節症などあるわけ無い」ですって。そうですよねぇ。でも、半分冗談、半分本気なんですが……。
では、病気ではなく「もし鳥が何かに驚いて…」としたら、何に驚いたのだろうか。私は、これまで見たことも無い動物に空中で出くわしたのではないかと見ている。「見たことが無い」と言っても、「犬が飛んでいた」とか、「猫が飛んでいた」などといった突拍子も無いものではないだろう。「クジラ」や「ゾウ」など絵本の世界の出来事でもない筈だ。もっと現実にありそうな動物ではないかと思っている。例えば、絶滅したと思っていた動物……。
私の大いなる"希望"と"期待"を込めて言わせてもらえば、嘔吐した鳥たちが見たものは「トキ」だったに違いない。これまで見たこともない大きくて綺麗な鳥を見てしまったのだ。自らの姿に比べると余りにも優雅で、思わず"口をアングリ"、ではなく"嘴をアングリ"させてしまい餌を落としてしまった、というのが真相なのではないだろうか。イヤッ、きっとそうに違いない。「県内にトキが飛来した」との情報はまだ寄せられていないが、人目に触れないように飛びまわっている、ぜひそうあって欲しいものだ。
ところが、こんなことを書いてる間に、広島県や静岡県、岩手県でも小動物が散乱しているのが見つかった、とのニュースが流れてきた。そうなると、「トキ遭遇説」の可能性は低くなる。やはり、「顎関節症説」が有力に思えてきた。オッともう一つ忘れていた。「餌がお口に合わなかった説」だ。
餌の小動物が吐き出すほどにまずかった、ということだ。"鳥の口が肥えた"ためか、農薬などに汚染されていて"餌の味が変だった"のかは「鳥のみぞ知る」ところだが、人間の残飯を漁っているカラスを見ていると、あながち的外れな考えではないような気がしてくる。でも、悪食のカラスが美食になったとすれば、ちと滑稽だ。
何が原因にせよ、解明されるまでは勝手な推理を楽しめる。しかし、このまま原因不明でいてくれればいいのにと思う一方で、鳥に原因があるとすればそうとばかりも言っておれない。「顎関節症で」なくても何らかの原因で鳥の咀嚼力が落ちてきている可能性も否定できない。そうなると、種の保存に黄色信号が灯っていることになるのだ。ここはやはり興味本位に走らずに、原因解明をすることが賢明のようだ。
【文責:知取気亭主人】 |