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2009年7月29日
山口県や福岡県を中心とする西日本各地で、「平成21年7月中国・九州北部豪雨」と命名された記録的な豪雨により、多数の犠牲者が出ている(亡くなった方は27日現在、20名を越す)。本当に痛ましいことだ。亡くなった方々のご冥福と、行方不明者の一日も早い救出と無事を、心よりお祈りしたい。
しかし、毎年のように起こる豪雨災害とはいえ、今回被害を受けた老人ホームや住宅の無残な姿を見ていると、自然の猛威をまざまざと見せつけられる。しかも、死傷者の多くが高齢者であることは、暫く前から顕在化してきている日本の課題を、まさしく象徴する出来事と言っていい。こういった自然災害が起こる度に、土砂災害対策の遅れと過疎地域の高齢化が課題としてクローズアップされてはいるが、一向に解決される気配はない。整備が進む都会ばかりでなく、農林業や漁業で日本を支え続けてきている地方も、一日も早く安心・安全な生活が送れる日本にしなければいけない。そういった意味では、やっと国民の権利を行使できる8月30日の選挙を、是非解決の端緒にしたいものだ。
さて、もうすぐ7月も終わる。そろそろこのうっとうしい梅雨空も明けてくれそうなものだが、週間天気予報に依れば今週も雨模様だという。これだけ続くと、土砂災害ばかりでなく、農作物など色々な方面に影響が出るのではないかと心配になってくる。そんな雨による被害ではないけれど、実は我が家にも気がかりなことが起こっているのだ。
家内が丹精込めて作っている"プランタの茄子"と"漆の樽で育てている葡萄"の葉が、誰がやったのか、見るも無残な姿になってしまっている。兎に角ひどいのだ。まずは、その被害状況を見て頂こう。

穴だらけになった茄子の葉 |

葉脈だけにされた無残な葡萄の葉 |
見事に食われている。特に、葡萄の葉は見る影も無く、殆ど葉脈しか残っていない。近くには美味しそうな無花果も茗荷も葱もあるにも拘らず、茄子と葡萄だけが被害を受けているのだ。どうやら、敵は好き嫌いが激しいとみえる。ただ、少し離れたところに行くと、青紫蘇の葉が所々小さな穴を空けられている、という。実は、紫蘇に関しては私も以前から気が付いてはいたのだが、上の写真のような悲惨な状況と違うので、「単なる穴」と気にも留めていなかったのだ。だが、「犯虫がいる」と言われてみれば、確かに食ったヤツがいるのだから、食害に間違いない。しかし、その食い方の違いから俄か探偵の家内が推理したところによると、茄子と葡萄に食害をもたらした"犯虫"と青紫蘇の"犯虫"はどうやら別だ、という。しかも、両方の犯行現場から"犯虫"らしきものが逃げる姿を見た、と言うではないか。流石、ミステリー好きだけある。素晴らしい観察眼だ。
と、思ったのだが、被疑虫の名前を聞いて納得した。特に茄子と葡萄の葉を食い逃げしたヤツは、確かに逃げ足が極端に遅い。ヤツだったら、逮捕されて極刑を受けた記憶も遺伝されていないだろうし、めったやたらに逃げ出さないだろう。何といってもヤツは、我々日本人が"童謡にも歌い"、"金持ちだとも崇め"、多くの子供から――多分――「可愛らしい」と思われていた昆虫だ。彼らも、日本人のそんな気持ちを察して、図々しくなっていたのかも知れない。そう思うとなんだか裏切られた気持ちがしてしまうが、そう、「犯人は多分黄金虫やよ」と家内は言うのだ。
ホンマかいな、と押っ取り刀で犯行現場に行ってみると、確かに黄金虫があちこちにいる。しかも、食事中、もとい犯行中だ。証拠写真を撮らねばと、カメラを近づけた。ところが、くっ付くほどに近づけても、葉っぱを持ち上げてみても、「食事中を邪魔するな!」と背中で威嚇しているつもりなのか、図々しくも一向に動く気配が無い。これだけ堂々と食われると怒る気も萎えてくるが、犯行現場まで見てしまっては、もう疑いの余地が無い。これで決まりだ。家内の読み通り、犯虫は黄金虫だった。しかし、天晴れな食欲だ。
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調べてみると、黄金虫は広葉樹を広く食害するらしい。歌の文句とは大した違いだ。大発生すると樹木でも枯れることがある、というから大変だ。農薬以外の駆除方法は、取り除いて処理してしまうことらしい。可哀想ではあったが、即実行に移したのは言うまでもない。
ところで一方の青紫蘇だが、家内の推理によると、「小さなバッタ」が"犯虫"だという。紫蘇の葉を採り行くと、ちっちゃなバッタが一斉に飛び立つらしい。確かに、小学生の頃に読んだパールバックの「大地」には、雲かと見まごうほどのイナゴの大群が作物に襲い掛かるところが描かれていて、子供心に衝撃を受けた記憶がある。そのイナゴも実はトノサマバッタのことではなかったか、という説もある。仮にそうでなかったにしても、イナゴも同じバッタ目に属していることを考えれば、「小さなバッタ」が"犯虫"だったとしても合点がいく。ただ、犯行現場をまだ目撃していないので、今のところ被疑虫の扱いだ。犯行現場をカメラに収めることが出来たら、皆さんに改めて報告することにしよう。乞うご期待!
【文責:知取気亭主人】 |