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知取気亭主人の四方山話
 

『ついに来たか?』

 

2009年8月19日

11日午前5時7分頃、駿河湾を震源とするマグニチュード6.5の地震が発生し、静岡県を中心に強い揺れに襲われた。予てから東海地震の発生が予想されている地域だけに、東海地震との関係が危惧され、被害が比較的小さかった割には全国的に注目を集めることとなった。「随分前から"来るぞ来るぞ"と言われ続けてきた東海地震が、ついに来たか!」と身構えた人も多かったのではないだろうか。幸いなことに、そうではなかったようだ。

テレビや新聞などで詳しく報道されているので皆さん良くご存知のことと思うが、地震による被害は比較的小さく、不幸中の幸いだったと安堵している。東海道線や東海道新幹線も大した被害は無かったようで、公共交通機関で唯一目立った被害となったのは、牧之原市の東名高速道路上り線で発生した法面崩壊だった。この崩壊現場を挟み「袋井IC―静岡IC間」が暫く――最後まで通行止めになっていたのは「袋井IC―焼津IC間」で15日の24時まで――通行止めになっていたが、お盆の帰省ラッシュと重なったこともあって、開通まで毎日「対策工事は○○日の△△時までに完成し、全線開通する予定です」と、映像も交え詳しく報道されていた。

このように高速道路法面復旧工事の様子が連日報道されていた為、今回の地震で大きな被害が出たように錯覚してしまうが、実際には、直下型では無かったことや激しい揺れが短かったこともあって、近年北陸や東北地方で発生した地震に比べると、明らかに人的被害も建物被害も小さかった。本の下敷きになって亡くなった女性が一人だけおいでたが、犠牲者はそれ以外なく、悲惨な被害とならなくて本当に良かった。また、「震度6弱を記録した焼津市、牧之原市、御前崎市を中心に6千棟を越す建物に被害が出ている」と報道されていたが、全体的には比較的軽微な被害だったようで、墓参りに行った14,15日に震度5強を記録した菊川市をぐるりと回って見たところでは、下の写真のように屋根瓦が滑り落ちたり、棟瓦が崩れ落ちたりしてブルーシートが掛けられている家が目立ったに過ぎなかった。

 

 

 

しかし被害が小さかったといっても、大きな揺れを体験した人たちにとっては、さぞかし驚いたことだろう。いくら地震への備えが出来ているといっても、実際の激しい揺れを体験しないと、地震の恐ろしさは実感できないものだ。掛川市で今回の地震を体験した会社の仲間も、大変貴重な体験をしたに違いない。そこで、生まれて初めて震度5弱の揺れを体験した仲間の二人に、体験談を書いてもらいこの四方山話で披露することとした。

どちらも物が壊れた程の被害も受けていないのだが、唯一「断水」という苦い体験をすることになった。体験談には、その断水に向けての準備や対策が書かれているので、参考にしていただければ幸いである。なお、二人ともかなり詳細に書いてくれたが、紙面の関係上、抜粋して掲載することを最初にお断りしておく。

 

[Yさん]

最初にドンと縦ゆれがあり、大型車が近くを通ったかと思ったが、「地震だ!」と気づきしばらく座ったままの状態。

横揺れがすごく、立っては居られない(10〜20秒程度の強いゆれ)。

直ぐに1階のテレビをつけNHKのニュースを確認。

ガスの元栓を切った。家具の被害はなかった。

Oさんから電話あり、Iさん、Kさんに無事を連絡。

携帯は5時20分頃にはもう繋がらなかった。固定電話、IP電話は繋がったが、暫く経つと9時過ぎくらいまで固定電話もなかなか繋がらなかった。

5時50分頃、Tさんに連絡、「被害がなかったが水が出にくい」とのこと。朝、トイレに入った時は気づかなかたが、はぁと思い水道を捻ると、"チョロチョロ"までではなかったが出は悪かった。急いで洗濯機、やかん、ナベ、バケツに水を溜めた。

生まれてはじめて給水車に並び、お世話になった。

ポリタンクはあったが飲料水用が無く、買出しに行っても売りきれ、ペットボトルもすぐに売り切れた。6本入り1箱は何とかキープできた。

 

※今回、幸いにも火事の発生は殆どなく(旧大須賀町で工場が1件あった)大きな被害はなかった。電気、ガスは使えたので食料は確保できたが、水道が止まったことを思うとゾッとした。教訓として、水はつくづく大事だと痛感。飲み水だけでなく、トイレ、茶碗洗い等生活用としても必要なものだった。断水復旧後、早速、ふろ場に水を張った。

 

[Tさん]

(地震発生時)2階寝室で目覚めており、「そろそろ起きようかなぁ」と思っていたところ(布団にまだ横になっている状態)で揺れを感じる。すぐ「地震!」とわかり、横に寝ている子どもを布団ごと抱き寄せる。

揺れは縦揺れを感じたが、横揺れは感じなかった。

揺れがおさまって1階に移動

私、子どもがトイレ、洗顔をした時点では水流に問題はなかったが、弁当、朝食の支度を始めたくらいに水流が悪くなり、完全に止まった。断水だ!

この時点で同報無線では、再三津波に注意するようながれていたが、断水については情報無し。と、いうことはいつ復旧するかは見当がつかない。

困った!飲料水は震災対策で買い置きしてある2ペットボトル×4本。前日の子どもの遠足でいただいた500ml×2本。お茶の2ペットボトルが6本あるのみ。

コンビニでの飲料水確保2×2本(家庭用)。500ml×3本(持参用)。

Yさんから、安否確認の電話が固定電話から入る。携帯は繋がらないらしい。断水していることを伝える。「トイレは流れたが・・・」と言うYさんに、「タンクに溜まっている水だから、水道がでるかすぐ確認した方がいいですよ。」と伝え電話を切る。

 

<断水対策 〜調理編〜>

水の使用を最小限にする策をとる。

幸いにもごはんは炊けていて弁当の下準備も夕べ済んでいた。

ポットにも満タンにお湯がある。

調理に水を使用せず、皿にはラップをしき、弁当箱にもラップをしき洗い物を出さないようにした。ご飯もおにぎりにし、のりをまきアルミホイルでつつむ。

箸は箸箱も洗うことになるため、子ども用はフォークにし、先をラップでくるんだ。

まな板も、キッチンペーパー、ラップを敷き使用した。

包丁もキッチンペーパーでふきとる。

洗い物は温水器の水でため洗いをし、使用した水はトイレに使用。

揚げ物をしたフライパンはキッチンペーパーでふきとり、復旧後洗うことにした。

 

<断水対策 〜歯磨き編〜>

飲料水を使用したが、歯ブラシをぬらす時もボールで受け、水を無駄にしないようにした。すすぎはコップ1杯の水で十分足りた。

 

<断水対策 〜トイレ編〜>

小レバーで流すが、タンク内の水はかなり減る。1階と2階にトイレがあるため別々のトイレを使用し、両方のタンク内に水がある状態にした。使用済みの水、除湿機にたまった水、もらってきた温水器の水を補充し使用。

 

<断水対策 〜手を洗う編〜>

温水器の水をボールでうけ、洗う。タンクに吐水用レバーがついていた為、不便せず使用できた。(使用した水は全てトイレへ)

   

12:00 昼のニュース
断水は午後には復旧の目処がたつというが、同報無線ではそのようなアナウンスはない。「風呂用に水を確保しなければならないなぁ」と思い風呂に水を溜めることにした。とりあえずトイレのタンクを満タンにし、残りの温水器の水、給水所からの水を風呂にあけた。水タンク30・10 ペットボトル2×2本 500ml×5本をもって給水所へ向かう。

   

16:30 水が出た!
目で見る限り濁りはほとんどないが、夜になり濁りはじめた。調理では汁物をさけた。

   

地震翌日(8/12) の13:10
 同報無線で「給水作業は13時で終了した」との放送があった

 

※静岡は地震県で小さい頃から地震に対することは学んできている。起震車での体験もしている。したがって、揺れに関しては慌てることはなかった。備えとしては、飲料水の確保はしてあっても生活用水の確保まではいたらなかった。空の水タンクも備えておく必要があると感じた。台風の影響が無かったのがラッキーだった。

【文責:知取気亭主人】

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