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知取気亭主人の四方山話
 

『素晴らしい身体能力』

 

2009年8月26日

ドイツのベルリンで行われていた世界陸上を楽しませてもらった。陸上競技をテレビ観戦するなど冬場に行われるマラソンや箱根駅伝ぐらいなもので、トラック競技やフィールド競技となると、昨年夏の北京オリンピック以来だ。無論夜中の実況中継を見ていたわけではないのだが、ニュース映像を見ていても各選手の身体能力の高さには驚かされる。

中でも、男子100mと200mを世界新で制したボルト選手の走りは、圧巻だった。いずれも結果が分かってからの映像だったのだが、その圧倒的な強さにはホトホト感服した。100mが9.58秒、200mが19.19秒と、いずれも自身が持っていた記録を0.11秒も短縮する驚異的な世界新記録だった。時速に直せば、どちらも凡そ37.5kmにもなる。走ることがそんなに得意ではなかった私などを対象にするのは大変おこがましいが、記憶として残っている私の記録と比較してみたい。

高校生の時の100mの私の記録は確か12.8秒だったと記憶している。速くもないし遅くもない、多分極普通の高校生の記録だと思うのだが、ボルトと走ると凡そ25mも置いていかれることになる。何という快足だ。200mの日本記録がまだ20秒を切っていないというのに――日本記録は末續慎吾選手の20.03秒――、彼は18秒台で走るのも近いのではないか、そんなことを予感させる快走だった。世界一というのは凄いものだ。

凄いのはボルトだけではない。「世界陸上」と銘を打っているだけのことがあり、トラック競技ばかりでなくフィールド競技でも、彼らの身体能力の高さには驚かされる。

 

走り幅跳びを見ていた次女が、「この部屋の幅は何メートル」と聞いてきた。「2間で3.6mだよ」と答えると、「ヒェーッ、2部屋以上跳ぶんだ!」と驚きの声を上げた。考えてみたらそうだ! 男子走り幅跳びは8mを超える大ジャンプでの争いだったが、身近なものと比較してみるとその凄さが分かる。男子の優勝記録は8.54m、女子でさえも7.10mと軽く乗用車の長手方向を飛び越える。女子で軽自動車2台分、男子で3ナンバーの乗用車と軽自動車を連ねた距離と同じぐらいだ。再び私の記録との比較で恐縮だが、高校時代の記憶が残っていないので今度は中学の時の記憶と比べてみたい。

確か中学2年の時の記録は4mそこそこだったと記憶している。体育大会の時の記録ぐらい記憶に残っていそうなものなのだが、地区代表で出たのにも拘らず3回ともファールで記録なしとなってしまい、「記録なし」だけが鮮明に残っている。そんなことはどうでも良いとして、兎も角私の中学の時の記録を4mだとすると、男子は2倍以上も遠くへジャンプしたことになる。多分、私が三段跳びをするのと同じくらいの距離だろう。世界のトップ選手とはいえ凄いものだ。

 

走り高跳びも凄い。優勝記録は、男子が2.32m、女子が2.04mといずれも2m超えだ。私がまだ小学生だった頃に、母が勤めていた高校の陸上部員から、「人は自分の身長プラス30センチは跳べるのもなんだ」と聞かされたことがある。当時の跳び方はベリーロールで今の背面跳びとは違うのだが、1m70pほどの高校生が、身長よりも高い1.8m前後を跳んでいたのを見て驚いた記憶がある。「まだまだ跳べるはずなんだ!」と自分に言い聞かせるように練習に励んでいたのが、とても眩しかった。その時聞いた「身長プラス30センチは跳べる」がずっと疑問だったのだが、背面跳びが世に出てからは「本当だったんだ」と確信するようになった。女子にもプラス30センチ近くを飛ぶ選手もいたが、男子はその説の通りプラス30センチ超えをしている選手が優勝争いをしている。どんなバネを持っているのだろうか。ただ驚くばかりだ。

 

最後に、日本人選手の活躍にも触れておこう。「メダル無しか!」と心配していたが、最終日になって大健闘し、これまでたまっていた鬱憤を一気に晴らしてくれた。女子マラソンの尾崎好美選手が銀メダルを、男子槍投げの村上幸史選手が銅メダルを獲得してくれたのだ。特に、村上選手の"槍投げ"は、日本にとって同種目における初めてのメダル獲得となり、体格で外国選手に劣る"投てき"の選手、並びに関係者に大いに勇気を与えたのではないだろうか。予選をテレビで見ていたのだが、参加選手の中で最初に決勝進出ラインを超えたときには、思わず拍手をしてしまった。

"槍投げ"ではないが、同じ「投げる」ということに関してこんな思い出がある。今から25年ほど前、ネパールから帰国して後、体調を崩して40日程入院していたことがあるのだが、その時同室だった老人から、「戦時中、沢村栄治と同じ部隊にいて、手榴弾を投げる練習をすると、殆どの連中は30〜40mしか投げられないのに彼だけは軽く60mを超えていた」と、大投手沢村栄治の地肩の強さを教えてもらったことがある。何の脈絡があるわけでもないのだが、新聞で村上選手の銅メダル獲得を知り、何故だかそんなことを思い出した。

 

手榴弾も槍も同じ武器だが、沢村投手と違い平和的な使われ方で本当に良かった。こんな戦いなら大歓迎だ。素晴らしい戦い、そして素晴らしい身体能力を見せてくれた参加者全員に喝采だ!

【文責:知取気亭主人】

 


ノミには負けるけどボクもなかなかのもんだぞ

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