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知取気亭主人の四方山話
 

『変化の予感』

 

2009年11月18日

ひと月ほど前、ある国会議員から面白い話を聞いた。来年度予算の概算要求に関するテーマの講演の中で、余談として披露してくれた国会にまつわる話だ。我々一般国民には殆ど知られていない国会の内幕だっただけに、確かに興味をそそられる面白い話ではあったのだが、腹の立つ話でもあった。

  

その先生曰く、

「国会には約5千人もの職員がいて、私は半分でも足りると思うのだが、"職員数を減らそう"などと言おうものなら、何もしてくれなくなる」

「だから、誰も"減らそう"と言えないでいる」

と、主である議員の先生が国会職員からいじめに合う実態を、面白おかしく披露してくれた。調べたところに拠れば、5千人ではなく約4千人が実態らしいが、それにしても多い。衆参合わせても722人(衆議院480人、参議院242人)しかいない国会議員に対して、約6倍もの職員がいることに先ず驚いた。そして、驚くことはそればかりではない。

  

自由民主党が平成18年2月10日付でまとめた「国会事務局等改革に関する提言」に拠れば(http://www.jimin.jp/jimin/gyo/katsudou/h18/180210.pdf)、提言当時、国会には次表に示す職員が在職していた。合計で3,899人になるが、これ以外にも明記されていない所属部署の職員がいる可能性もあるので、これで全てかどうかは定かではない。ただし、表中の所属部署とその人数は正確なものとして話を進めよう。

  

速記 運転 警務 法制局 調査局
調査室
委員部 庶務部 管理部 国会
図書館
293 226 469 158 595 278 394 546 940
                  

  

「約4千人もいる」と聞いただけで、誰しも「エッ、そんなにいるの!」とビックリする筈だ。しかし上の表を見て、もっと驚いたに違いない。録音や録画などの電子機器がこれだけ発達した今の時代に、そもそも"速記"なる者がいるのかどうか甚だ疑問であるし、「国会図書館」の千人近い人達は一体何をやっているのだろうか。車の運転だと思われる「運転」が、凡そ議員4人に対して1人の勘定だ。車もそんなに沢山あるのだろうか。仮にあったとしたら、それこそ無駄だ。また、戒厳令下でもないのに、「警務」に至っては1.6人に対して1人だ。この平和国家でそんなにも要らないでしょ!

実態を知らないとは言え、我々一般庶民の感覚からすると、4千人はとんでもなく多い。先の先生ではないけれど、半分でも十分足りるだろう。因みに、約117万人の人口を抱える石川県の職員数は(http://toukei.pref.ishikawa.jp/library/2006-data/18-18.pdf)、凡そ1万6千5百人だ。県民70人に一人の勘定になる。この人数で警務(警察官)や図書館は勿論、教員や病院職員までまかなっているのだ。それを思うと、やっぱりべらぼうに多い。第一、速記や警務、運転が必要なのは国会開催中だけだ、と思うのだが……。

  

"しかも"、である。彼ら国会職員は、国家公務員ではなく、"国会の独立性"の観点から昭和22年に制定された「国会職員法」で身分や給与などが守れている「特別職」なのだ。したがって、以前四方山話でも取り上げたように(第104話、既得権益の牙城を崩せ)、危険手当、通称「乱闘手当」などという、もっと危険な職場で働いている人が知ったら頭にきてしまうような"とんでもない厚遇手当"――既に廃止されていると思う――が、お手盛りで支給されていたりもする。中には、国会議員をも凌ぐ高級取りがいて、国会図書館長の給与が3千万円を超えるほどの高額なのは如何なものか、と物議を交わしたことがあると記憶している。

因みに、先に紹介した「自民党の提言」に別表として国会職員の給料の総額(平成16年度決算額)が示されていたが、それによると、職員3,346人に対し279億1074万円が支給されている。人数が半分になれば、100億は軽く削減することが出来る計算になる。必死になって、来年度予算の概算要求を削ろうとしている時期だけに、この金額は魅力的だ。しかも、大多数の国民は削っても文句は言うまい。

したがって、11月11日から政府の行政刷新会議が始めた「事業仕分け」に、「国会職員法の見直し」とか「国会職員の定員・給与の削減」が俎上に上るのではないか、と期待しているのだが……。気持ちよく、"バッサリ"と削って欲しいものだ。

  

ところでこの「事業仕分け」、対象となった事業の選定課程が不透明だとか、そのやり方が一方的で時間も1時間と少ないなど、批判も確かにあることはあるのだが、全て公開の場でやってくれているおかげで、少なくとも今まで国民に見えていなかったものが多少なりとも見えるようにしてくれている。そういう意味では、少々の痛みは我慢するものとして、この仕分けには大いに期待している。"変化の兆し"を感じるのだ。この「変化の予感」、それが現実のものとなったときが楽しみだ。

【文責:知取気亭主人】

 

セイタカアワダチソウ
(世の中には要らないものが沢山在る)

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