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知取気亭主人の四方山話
 

『記念日』

 

2009年11月25日

のっけから私事で恐縮だが、我々夫婦は今年で結婚30周年を迎えた。もう30年、早いものだ。振り返ってみれば、"山あり谷あり"の30年だった。「谷ばかり!」ではなくて本当に良かった、と思っている。そう言えば、あの時も……。

「オッと、危ない、危ない! 二人の秘め事を暴露するところだった」

などと冗談はさておいて、30年目の結婚記念日を、巷では「真珠婚式」と呼ぶらしい。25周年記念日を「銀婚式」、50周年を「金婚式」と呼ぶのは以前から知っていたが、30周年を「真珠婚式」と呼ぶなどとは、妻には内緒だがつい先日知った。ただ、よく知られている"銀"や"金"以外にも「紙婚式」や「木婚式」などと呼ばれる結婚記念日があって、「結婚した翌年から毎年のようにちゃんと呼び名がついている」ということだけは、以前ラジオで聴いて知っていた。そう、結構細かについているらしい。

しかし、どこのどなたが決めたのかは知らないが、一体いつ頃から結婚記念日に呼び名を付けるようになったのだろうか? 明治より前なのだろうか? 明治より前となれば江戸時代だが、落語に出てくるような長屋で「熊さん夫婦が手と手を取り合って結婚記念日を祝っているシーン」は、どうしても思い浮かばない。

  

「オイッ、今日でオメエとは30年連れ添ってきた!」

「店賃もろくに払えネェーで苦労ばっかかけるな、スマネェ!」

「何言ってるんだいオマエさん、そう言ってくれるだけでアタシャ嬉しいよ!」

こんな会話と一緒に、

「今日はなんだぁ、真珠婚式とやらだ。この"かんざし"を付けてみろい!」

とぶっきら棒に愛情表現する言葉も似合わない。どう考えても、江戸時代ではなさそうだ。そうなると、「結婚指輪の交換」が日本に入ってきた頃、と考えるのが無難なところだろう。大正、あるいは昭和の初期と言ったところだろうか。ただ、日本に入ってきたのはその頃だとしても、我々庶民に広まってきたのはもっと最近になってのことで、昭和40年代に入ってからではなかろうか。「イヤ、そうではないな。30年前には知らなかったから、一般的に言われだしたのはもっと後だろう」などなど、そんな風に日本に広まった時期をアレコレ考えるのも楽しいが、「一体どんな名前で呼ばれているのか」も大いに気になるところだ。そこで、例によって早速調べてみた。その結果は次の通りだ。

  

1年目: "紙"婚式 2年目: "綿"婚式
3年目: "革"婚式 4年目: "花"婚式、"書籍"婚式
5年目: "木"婚式 6年目: "鉄"婚式、"砂糖"婚式
7年目: "銅"婚式、"毛織物"婚式 8年目: "青銅"婚式
 9年目: "鉛"婚式、"陶器"婚式 10年目: "錫" 婚式、"アルミ"婚式
 11年目: "鋼鉄"婚式 12年目: "絹" 婚式、"麻"婚式
13年目: "レース"婚式  14年目: "象牙"婚式
15年目: "水晶"婚式 20年目: "磁器"婚式
25年目: "銀"婚式 30年目: "真珠"婚式
35年目: "珊瑚"婚式、"ひすい"婚式 40年目: "ルビー"婚式
45年目: "サファイア"婚式 50年目: "金"婚式
55年目: "エメラルド"婚式 60年目: "ダイヤモンド"婚式
75年目: "プラチナ"婚式    

  

  これ以外の呼び方をする年もあるようだが、基本的にはこんなところのようだ。こうしてみると、結婚間もない頃は、1年目の「紙」から始まって2年目が「綿」、3年目が「革」、4年目が「花」など生活に密着した、身近な物の名前が付けられている。ところが、6年目以降になると、"夫婦の絆が強まった"ということなのか、「鉄」や「銅」など硬い金属の呼称が11年目の「鋼鉄」まで続くことになる。私的には、金属に冷たいイメージを持っているせいか、金属と結婚記念日は結び付きにくいのだが……。

特に、11年目の「鋼鉄婚式」はどうしてもピンと来ない。この後の「絹」や「レース」、あるいは更に続く「水晶」などの宝石類の名前を聞くと、何となく幸せな気分になるだけに、そのギャップが余りにも大きすぎるのだ。第一、「結婚記念日にはその名に相応しい物を夫から妻にプレゼントする」とどこかで読んだ気がするが、奥さんが砲丸投げの選手だったらいざ知らず、普通の主婦が鋼鉄の玉をプレゼントされても困るだろう。持ち歩くこともままならない。

  

そこにいくと宝石類はいい。別にプレゼントをしなくても、響きの良い名前を聞くだけで、目出度い記念日の雰囲気を味わえる。尤も、調べたウェブサイトの中には、「銀婚式」や「金婚式」などには是非子供たちからプレゼントをしましょう、と書かれていたものもあったから、夫婦間でやり取りしなくてもいいらしい。そうなると、後20年で金塊だ。

それは冗談として、そんなウェブサイトを見たのか、結婚記念日の前々日の11月22日、"いい夫婦の日"に合わせてくれたのか、五人の子供から思わぬプレゼントを貰い感激してしまった。真珠ではなかったが、どんな真珠より素敵なプレゼントだった。親ばかと言われるかもしれないが、本当に優しい子供たちに育ってくれたものだ。

その優しさに甘えて、後20年で金塊、ヨロシクッ!

【文責:知取気亭主人】

 

ししゆず(大きいものは直径15センチほどもある)

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