いさぼうネット
こんにちはゲストさん

登録情報変更(パスワード再発行)

  • rss配信いさぼうネット更新情報はこちら
知取気亭主人の四方山話
 

『子どもたちの権利』

 

2010年3月3日

東京の世田谷区三軒茶屋に、「財団法人 日本フォスター・プラン」という聞きなれぬ名の協会がある。子どもたちとともに途上国の地域開発を進めたり、貧困に苦しむ子どもたちを支援する活動をしたりしている「国際NGOプラン」の日本事務局として、1983年に設立された組織だ(http://www.plan-japan.org/)。

初めて聞く人もいると思うので、ここで組織の紹介を少ししておこう。日本フォスター・プランのホームページ(以下、HP)に拠れば、「国際NGOプラン」は、1937年スペイン内戦時、戦災孤児の保護施設を作ったことが始まりだという。また、HPには「国連に採択された『子どもの権利条約』にのっとり、すべての子どもたちが権利を享受し、本来の可能性を発揮できる世界の実現を目指して活動しています」と記されており、世界中の子どもたちの権利と利益の確立を図ることが、使命のひとつとなっている。そんな活動をしている協会から、「2009年度 プラン・ジャパン 年次報告書」が送られてきた。

実は、私も15年ほど前に日本フォスター・プランの存在を知り、途上国の子どもを長期的に支援する「フォスター・ペアレント」の活動に参加している。支援している子どもにたまにしか手紙を出さない駄目なペアレントではあるが、現地から届けられる"健やかに成長している写真や手紙"に、逆にホッとした気分にさせてもらっている。そんな活動をしている協会から、毎年今頃の季節になるとこの報告書が送られてきているのだ。

今回は、送られて来た報告書の中で、少し気になるデータがあったので、皆さんに紹介する。そして何か感じていただければ幸いである。

  

「2009年度 プラン・ジャパン 年次報告書」のデータより抜粋

  

図は、2009年度に子どもたちのために何らかの支援をした人数(左の図)と金額(右の図)を国別に比較したものだ。組織の出発がスペイン内戦ということもあり、西欧諸国が人数的にも金額的にも上位に名を連ねている。特にドイツは、素晴らしいことにどちらもダントツの1位になっている。西欧列強が過去に取ってきた植民地政策の反省云々など、穿った見方ができないでもないが、私は素直な見方をしたい。やはり西欧には恵まれない人達に手を差し伸べる、というキリスト教の教えが深く根付いているのだろう。

一方、日本人はどうだろう。スポンサーの人数で上位から数えて8番目、金額では一つ順位を上げて7番目となっている。そこそこ頑張っているように見えるが、実は上の二つの図に登場しているアメリカ以外の国全てが、日本より人口の少ない国々である。そういった人口や一人当たりGDP、あるいはグローバル企業の数など、副次的な指標を加えて見直すと違った順位が見えてくる。例えば、日本のスポンサー数は人口の約0.04%に過ぎないなのに対し、総人口が約450万人のアイルランドでは、人数は少ないものの総人口に対する割合は0.18%とかなりの高率になる。それ以外にも、色々な切り口で比較することができそうだが、さて皆さんはどんな思いを持っただろうか。

  

思いと言えば、世界第2位のGDPを誇るこの日本の国で、ここ数週間の間に、食事が満足に与えられないで幼い命が奪われる理不尽な事件が相次いで起こり、驚きとともに悲しい思いにさせられている。いずれも親の身勝手な行動が、健やかに安心して生活・成長するという最低限の権利を奪っているのだ。プラン活動国の――アフリカの西海岸に位置する――シエラオネでは、5歳まで生きたくても生きられない幼児が1,000人あたり262人もいるというのに、満足ではないにしても生活支援制度があり、どこでも誰でも衛生的な水を飲むことができる日本で、しかも親が我が子の命を絶つとは……。子どもの命より優先されたものは、いったい何だったんだろう?

そんな日本は、恵まれているのだろうか、恵まれていないのだろうか? 年次報告書に書かれていた次のデータを示し、それに対する私の答としたい。さて、皆さんはどうだろう?

 


 ※データの出典は「ユニセフ世界子供白書 2009」

 

【文責:知取気亭主人】

 

Copyright(C) 2002- ISABOU.NET All rights reserved.