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2010年4月21日
地球の様子が何だかおかしい。何が原因で怒っているのか分からないが、子供達が好きだった「界王様」が地球の住民に対してお仕置きをしているような出来事が今年に入り相次いで起こり、住民の代表である人間は右往左往の状態だ。ドラゴンボールの世界だけの存在かと思っていた「界王様」は、本当に実在するらしい。昔の記憶をたどると、確か「界王様」は結構洒落が分かる粋なキャラクターだった筈だが、どうやら相当シリアスな面も持ち合わせているらしい。それどころか、ひょっとすると意地悪な側面も相当程度持っていたりして…。そうでなければ、これだけ災難が続くことはない筈だ。
「クソッ、界王め!」
オッと、それは冗談だが、今年に入りハイチ大地震、チリ大地震、世界各地の異常気象、日本の日照不足と過渡の寒の戻り、アイスランドの火山噴火、中国青海省での地震と、息付く暇もなく次から次へと災難が起こっている。これが"生きている地球"本来の姿かもしれないが、地球に住まいしている我々にとっては、「地球本来の姿が見られて良かった!」では済まされない。下手をすると生きるか死ぬかの思いをさせられ、最悪の場合には、地震に代表されるように多くの人が命を落とすことになる。
命を落とすまではないにしても、日本中を震え上がらせた季節外れの寒波のように、直接被害を受ける農家には生活の糧に大きな打撃を、生産された物を口にする国民には価格の上昇や品薄といった間接的な被害を与える災難もある。しかも厄介なことに、被害を受けるのは地震よりももっと広域的だ。
4月の中旬だというのに真冬並の寒さになった先週、関東では今頃の季節としては41年振りだという雪も降り、日本列島全体がスッポリと冷蔵庫の中に入ってしまったようだった。金沢も寒かった。兎に角、「寒の戻り」と言うには余りにも冷え過ぎた。最早、味わいのある表現の「花冷え」も「余寒」も言葉としてはしっくりこない。ヤケクソ気味の「寒の戻り過ぎ」が一番適当のように思える。
今年の「寒の戻り過ぎ」は、人間の体調を狂わすばかりでなく、植物の調子も狂わしている。これまでの日照不足も手伝って、葉物を中心とした野菜の"成長不良"が全国的な広がりを見せ、農業や食卓への影響が心配されている。ニュースで見たのだが、ある地方では、本来ならば今が収穫の最盛期である筈の春キャベツが結球しないのだという。お陰で値段が高騰している。金沢のマーケットでも、直径15センチにも満たない小さなキャベツが四分の一の大きさで100円もしていた。トンカツに添えられるキャベツの"千切り"が、"万切り"と呼ばれるほど細くなってしまわない事を祈るばかりだ。
また、お茶どころ静岡では、遅霜によって新芽がやられ、すっかり茶色くなってしまったらしい。茶色くなった葉を刈り取って新芽が再び出るのを待つため、新茶の収穫が遅れ、量も随分と減る見通しだという。しかも、今週の末にも再び寒波が来るらしい。親戚の家でもお茶を栽培しているが、被害がこれ以上広がらないか心配だ。
「心配」と言えば、お米も心配だ。北陸では5月の連休が田植えの最盛期なのだが、周りの田んぼでは準備もまだ出来ていないように見える。例年だと田起こしが始まっている頃だと思うのだが……。稲作に影響が出ないよう祈るばかりだ。
このような災難は、地域経済にボディーブローのように効いてくる。徐々に市民の生活を圧迫してくるのだ。また冷害が長引くと、飢饉にまで被害が拡大するから恐ろしい。「昔のようなことはない」とは確信しているが、冷夏・冷害によって惹き起こされた「天明の大飢饉」では、多数の餓死者が出た。その大飢饉を助長したのが、1783年(天明3年)の浅間山の大噴火である。何やら今の状況と似てないだろうか。
そう、日本で起こっている"時ならぬ戻り寒波"や"天候不順"に合わせるように、アイスランドの火山が噴火しているのだ。この噴火により、ヨーロッパでは空港の封鎖や航空機の飛行中止が相次ぎ、空の便は大混乱している。日本でもその影響が出始め、今朝(4月20日)のニュースでは、チーズなど航空便を使う輸入商品が入らなくなっているという。空の便の混乱だけに留まってくれればいいのだが、噴火が長引くと、日照不足によって冷害となり、農業に決定的なダメージを与えることは必定だ。
ニュースに出ていた駐アイスランド日本大使館職員の話に拠れば、凡そ200年前の噴火では――多分、浅間山と同じ1783年(天明3年)に噴火したラキ火山――、2年間も続いたという。そして、浅間山の噴火と相まって世界的な飢饉をもたらした。今回も200年前と同じように噴火が長引くとなると、冷害だけに留まらず、飢饉という深刻な事態に陥る事も現実味を帯びてくる。そうならないことを祈るばかりだが、「噴火が終息しそうだ」という情報はまだ流れてこない。それどころか、「他の火山噴火を誘発する可能性すらある」という。
悟空や界王様の力で、何とか噴火を止められないものだろうか。巨大なエネルギーを持つと言われる"元気玉"を使えば、何とかなるのではないだろうか。"元気玉"を作るのに"気"が足りないのだったら、いくらでも"気"を送ってやるのだが……。
漫画の世界のように、そう都合良くは行かないか!
【文責:知取気亭主人】 |