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知取気亭主人の四方山話
 

『出口が見えない!』

 

2010年5月26日

人間誰しも、慌てて行動すると、とんでもない失敗をする事が良くある。それでなくても慌しい朝などに寝過ごしたりすると、いつもは沈着冷静な人であっても、忘れ物をしたり、電気を切り忘れたり、うっかりすると戸締りを忘れたりすることがある。或いは、時間的にそう切迫していない日中でも、何か考え事をしていたり、物事に集中していたりすると、家族や同僚の笑いのネタになるような失敗をしでかす事もチョクチョクある。

それらの失敗が本人は気付いていないのに他人は気付いている時には、結構悲惨で、間違いなくお笑いのネタにされる。一方、本人は分かっているのだが他人にはバレテいない時には、「今に気付かれるのでは無いか」とハラハラする様な失敗もある。そのどちらも、着ている服や持ち物、或いは本人には見えない顔や頭などに関することが多い。私も、そんな失敗がここ数年増えてきた。しかも、私の場合は、慌てて行動したわけでもなく、むしろ確認したつもりなのに"しでかしている"から、なんだか心配だ。

  

良くやるのが、スーツの上下を間違えることだ。上下を間違えるといっても、上着を穿き、ズボンを上着のように着る、ということではない。上下揃いのスーツなのに、別々の上下を着てしまう、ということだ。「売られているスーツの色や柄が似ているのが一番の原因だ」とは分かっているのだが、こればっかりは私の力では如何ともし難く、未だに年2、3回のペースで間違いを犯し、人知れず冷や汗をかいている。

先にズボンを穿き、次に"ズボンに合わせたつもりの上着"を着るのだが、この時点でもう本人は"上下揃ったスーツ"だと思い込んでいる。実はこの時、鏡で確認すれば何のことは無いのだが、癖とは恐ろしいもので、そんな面倒くさい事はしたことがない。ただ、"送り出す家内も気が付かない事がたまにある"のが少々気になるところではあるのだが……。多分、顔しか見てないのだろう。惚れ直したりして……? それは無いか!

  

冗談はさて置き、次に多いのが、休みの時などにTシャツなどを"後ろ前"や"裏返し"で着てしまうことだ。この失敗は、ほとんどの場合、妻や娘など第三者に指摘されることになる。しかし、滅多にお笑いのネタになる事はない。それだけ巷に良くある失敗で、誰しもが一度や二度は経験しているうっかりミスなのだろう。ところが、同じ"後ろ前"の間違いでも、ズボンとなると話は別だ。

私はパジャマで寝ているのだが、中に「社会の窓」が付いていないものがあって、時々後ろ前を間違えることがある。しかも、確認行動は取っていた筈なのだが、良く間違えてしまう。そして、穿いた途端に違和感を覚え、間違いに気付くのだ。確認した筈なのに、何でやってしまうのだろう? "確認したつもり"になっているだけなのかもしれない。しかし、こんな間違いは可愛いものなのだ。先日犯した失敗は、そんな生やさしいものではなく、大きな声では言えないが、実は冷や汗ものだったのだ。

  

私は、"脛毛がズボンの繊維に絡まる"のと"汗でズボンが肌にくっ付く"のが嫌いで、随分前から一年中ステテコを愛用している。私にとっては、時には甚平代わりにも、パジャマ代わりにもなる、大変重宝している中着――下着と上着の中間で中着と私が命名した――なのだが、今回はこのステテコがおぞましい失敗の張本人となってしまった。

  

先日、尿意を催してトイレに行った。ところが、ズボンの下(中着)にもあるはずの"出口"が無いのだ。最初は「どこかに在る筈だ」とまさぐっていたのだが、一向に当たらない。しかも、顔を出す準備がすっかり整っていたから堪らない。尿意は益々強くなってくるのに、出すべきところが見つからない状態だ。「どこかにずれてしまって隠れているんじゃないか」と必死になって探すのだが、無い。

そのうち、我慢出来なくなってきた。急いで大の個室に入り便座に座り込んだ。と同時に、見つからなかった「出口」を探してみた。無い筈だ。目の前の膝の上には、出口のないお尻の部分が見事に広がっているだけではないか。何と、ステテコを後ろ前に穿いていたのだ。これでは、必死に探しても無い筈だ。用を足しながら、ホッとすると同時に、思わず一人で笑ってしまった。

しかし、笑ってばかりはいられない。

  

「これからもこんな格好で小用を足すのはいやだ!」

「普通の格好で用を足したい!」

  

と言うことで、早々にこの異常事態から脱出するべく、窮屈ではあったが便座に座りながら穿き直すことにした。硬くなった身体を曲げたり捻ったりしながら、何とか穿き直す事が出来た。これで万全だ! 勿論、「出口が在るかどうか」を確認したことは言うまでも無い。

それにしても、日本の経済状況や政治情勢と同様に、「出口が見つからない!」ということが如何に大変なことなのか、身をもって実感させられた事件であった。  

【文責:知取気亭主人】


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