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知取気亭主人の四方山話
 

『魔が入る?』

 

2010年7月7日

先日、不思議な体験をした。イヤ、良く考えると、「不思議」よりは「恐ろしい」を使った方が正しいのかもしれない。と言うのも、何事も無かったから良かったものの、何事も無かった事が不思議なくらいの出来事だったからだ。時間が経ち冷静になった今思い返してみてもゾッとする。その上、そうなった原因が自分では思いつかないだけに、何となく薄気味も悪い。

実は、35年ほど前にも似たような経験をしたことはあるのだが、その時はそうなる原因がハッキリしていた。だから、今回と同じようにゾッとする体験だったが、そうならないような対策を講じる事も出来た。しかし、今回はどう考えても原因が思い当たらない。必然的に、同じような事を起こさない為の手の打ちようが無いのだ。

では、その不思議な体験とはどんなものだったのか。実は、車を運転していて一瞬意識が無くなってしまったのだ。

  

6月30日、2軒目の訪問先から次の訪問先への移動中の出来事だ。当日の静岡県遠州地方は比較的天気も良く、朝から強い日差しが照りつける梅雨の中休みのような日だった。夕方4時頃だっただろうか、交差する左右の通りに中央分離帯のある大きな交差点に差し掛かった時、突然意識が無くなった。その時は何が起こったのか良く理解できなかったのだが、今になって思うと、多分意識が飛んだのだろうと思う。エアコンを利かせた車の中でも強い日差しの影響で薄っすらと汗ばんでいて、眠気を催す車内状況ではなかった記憶はシッカリとあるから、睡魔に襲われて一瞬寝てしまった、という事ではなさそうなのだが……。兎も角、原因は自分でも判然としない。こんな体験は、生まれて初めてだ。

  

当時の状況をもう少し詳しく説明するとこうだ。

片側2車線の道路を走っていて、インターチェンジに通じる大きな通りとの交差点に差し掛かった。スピードは50km前後だったと思う。交差点に掛かっている、高速道路などへの行き先と矢印が書かれた大きな看板が見えた。そこまでは記憶がある。しかし不思議なことに、そこから先、次に我に返るまでの記憶が、僅かな時間ではあるがプツンと途切れている。

"記憶が途切れ始めた交差点の手前"から"我に返り車を急停止させた交差点の真ん中"まで、距離にして凡そ20〜30m、時間にしてどうだろう2、3秒位か。我に返ったのは、"妙に大きく派手に感じた正面の赤信号"と"右手から交差点に進入してくる3台の車"が見えた瞬間だ。どうやら私の車が赤信号で突っ込んだらしい。

右から警笛を鳴らして迫り来る車と競争するように必死で急ブレーキを踏み、幸運にも"すんで"のところで衝突は避けられたのだが、一瞬何が起こったのか理解できなかった。ハンドルを硬く握り締めたまま、状況把握するまで1、2秒掛かっただろうか。交差点の真ん中で立ち往生する自分に注がれる驚きと安堵、そして軽蔑の視線がとても痛かった。そして、交差点内から退避させるまでの僅か数十秒、あの僅かな時間があんなに長く感じた事は無かった。それにしても、本当に恐ろしい体験だった。

  

"恐ろしさ"で言えば、35年ほど前の体験も負けず劣らずで、随分昔の事なのに昨日の事のように覚えている。秋田での仕事を終え、金沢に向け小型トラックを運転していた時の事だ。距離にしても時間にしても、秋田の男鹿半島から金沢まで下道を凡そ半分位走って来た、長岡辺りだったと記憶している。深夜になってしまい大分疲れを感じ始めた時だ。暗闇の中から突然目の前に、大型トラックが横になり道路を塞いでいるのが見えた。「危ない!」と叫ぶと同時に、必死で急ブレーキを踏んだ。幸いなことに、この時も事なきを得たのだが……。

実は、「見えた」と思ったのは夢で、一瞬居眠り運転をしていたらしいのだ。我に返った時に直ぐに「夢だった!」と分かったのだが、夢の中ではあったがトラックが見えた時は本当に怖かった。今もって思うのだが、事故を避けるようなそんな夢を見るとは、通常ではありえない。きっと神様が守ってくれたのだろう。それにしても、"不思議な夢"、そして"恐ろしい体験"だった。その体験以来だ。運転中に眠くなったら、積極的に車を止め仮眠を取るようにしているのは。

しかし前にも書いたように、今回は居眠り運転ではない、と思っている。では、一体原因は何だろう? 交差点の右手前には、大きな総合病院がある。当然その病院で無くなった人も沢山いるだろう。もしかして、その交差点は大きな事故が起こることで有名な、ミステリースポットだったりして……。

通常では考えられないような行動をして事故や事件に巻き込まれると、良く「魔が入る」と言うが、今回の異常な体験がその「魔が入った」ために起こったことではなかったか。そんなありえないような事までも思い浮かんでしまうほど不思議な、そして危険な体験だった。

  

そんな話を病院に勤めている長男夫婦にしたら、一瞬脳の血管が詰まる病気があるそうで、それではないかと言う。嫌なことに、病気が原因ではないか、と言うのだ。「一瞬詰まって直ぐに治る」、そんな事があるのだろうか。主治医の先生に相談すると、「てんかんではないか?」との思わぬ回答が帰ってきた。どちらにせよ、この歳になれば多少は脳の血管も切れているだろう、とは思っているが、病気が原因で意識が飛ぶとなればかなりの大事だ。

仮にそうではないとすると、本人に認識が無いだけで、35年ほど前と同じ"居眠り運転"をしていたのだろうか。それとも、"魔が入った"のだろうか。無呼吸症候群ではないから、居眠り運転していたとすると、何が原因なのだろうか。恋の悩みで眠られない、ということにも縁はないし……。  

【文責:知取気亭主人】

 

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