いさぼうネット
こんにちはゲストさん

登録情報変更(パスワード再発行)

  • rss配信いさぼうネット更新情報はこちら
知取気亭主人の四方山話
 

『火事だ!』

 

2010年9月22日

敬老の日の9月20日14時30分頃、我が家の直ぐそばで火災があった。直線距離にして50m程しかない、本当にご近所の火事だ。たった1時間程の間に、火元の家とお隣の2軒が燃えてしまった。殆ど無風状態であったことや他の隣家とは空き地や道路などで距離があったことが幸いして、それ以上の類焼がなかったことは不幸中の幸いだったが、類焼してしまった家の人とは顔見知りだっただけに気の毒で堪らない。しかも一人住まいのお年寄りだから尚更だ。

しかし今回の火災は、ご近所の火災というだけでなく、火災の恐ろしさをイヤと言うほど再認識させられる出来事となった。というのも、第一発見者が息子夫婦ということもあって、消防車が来る前の"初期消火"と消防署への"通報"、そして"第一発見者としての事情聴取"に多少なりとも関わったからだ。そして、初期消火の大切さと、火が大きくなってしまってからの一般市民の無力さを改めて思い知らされた。火事は本当に恐ろしい。

  

14時30分頃、「お産前の体力作りに」と散歩に出かけた息子夫婦が、火元の家(以下、火元を■さん、類焼したお宅を●さんと記す)の前を歩いているときに異変に気づき、「何か変、火事じゃないかな?」と言いながら散歩をやめて家に戻ってきた。煙が出ている、というのだ。と同時に、階下から妻が「●さん所から煙が出ているって!」と叫んでいる。2階の窓から●さんの家の方を見ると、明らかに尋常ではない煙が見える。「これは火事だ」と直感した私は、急いで階下に降り、玄関にあった消化器を持って現場に駆けつけた。すると、■さん1階の台所とおぼしき窓から小さな炎が見える。「火事だ!」と叫びながら、まだ火が移っていない●さんの庭に入り、消化器を使って消火を試みた。ところが、消化薬剤が僅か1.2sしか入っていない小型の消火器だったため、アッと言う間に出なくなってしまった。1分ももっただろうか。その間にも、火の勢いはますます強くなり、バリバリという音とともに窓ガラスが割れ始めた。

まだ類焼していなかったこともあり、初期消火を優先させたのだが、火の勢いは増すばかりだ。慌てて●さんの呼び鈴を押すのだが、返事がない。留守だと判断した私に、玄関脇の散水用ホースが目に飛び込んできた。急いでコックを目一杯開け、火元の住宅に向かって走り、散水を始めた。ところが、水圧が低いのか元栓が閉められているのか、水の勢いがない。その一方で、火の勢いは益々強くなり、炎はとうとう窓から勢いよく吹き出すようになってきた。そうなると、プランターに水をやる程度の勢いでは、本当に焼け石に水だ。もう手の施しようがない。ガスに引火したのか大きな音もして火の勢いは益々強くなる。身の危険を感じた私は、消化を諦め前の道路まで降りてきた。

そして、■さんが留守なのかどうか確認していないことに気づき、急いで玄関に向かった。しかし、玄関を開けようと体を近づけると、ヒリヒリとする熱気とメラメラという音が中から聞こえる。「開けた途端に中から炎が吹き出る」と判断した私は、確認を諦め急いでその場を離れた。そうこうしているうちに、長男が連絡を取ってくれたらしく、消防車が到着し本格的な消火活動をし始めた。この間、僅か5分程度だ。しかし、たった5分程度で、火は■さんの2階にまで達し、●さん2階の軒先から白い煙がゆっくりと出始めた。本当にあっと言う間だった。

  

消防車が来てからは、その目覚ましい消火活動を只眺めるばかりだったが、火災の激しさは尋常ではない。被災した方には大変申し訳なかったが、今後の教訓の意味もあり写真に収めることにした。下の写真がそれだが、燃え盛る炎と白煙が火事の激しさを物語っている。また、真っ直ぐ立ち上がる白煙を見ると、当時無風状態であったことが良く分かる。正に不幸中の幸いだったのだ。

  

  

しかし、火災というのは本当に恐ろしい。■さんの反対隣がデイケアセンターなのだが、火災は、こういった足腰の弱った老人たちの避難誘導を、指をくわえて待っていてはくれない。今回は職員の迅速な対応で事なきを得たが、咄嗟に手助けに行った我々地域住民との相互理解を深めておくことの重要性を強く感じた次第だ。

また、実際に消化器を使ってみて、一般家庭に備えられている消火器は、初期消火には有効であるものの、ある程度勢いが付いてしまった炎には無力であることが、身に染みて良く分かった。やはり何と言っても大切なのは初期消火だ。そういった意味でも、台所と玄関の最低2カ所には消火器を揃えておきたいものだ。それと、ご近所どうし、お互いの携帯番号を知っておくことも重要だ。今回も、携帯が威力を発揮したお宅もあり、家内が連絡した「火事!」の一報で職場から駆けつけたご近所もいた。よく言われる「地域力」だ。

  

「地震、雷、火事、親父」と言われた時代も有ったが、「全て燃え尽くしてしまう」という意味では、ある意味火事が一番怖い。火事は起こさないことがベストだが、仮に起こしてしまっても被害を最小限に食い止める手立てをしておくことが大切だ。悔いを残さないためにも直ぐにでも出来る"火災報知器・消化器の設置"、そして転ばぬ先の杖として親しいご近所さんをこしらえておくことだ。それが安全・安心の基本でもある。  

【文責:知取気亭主人】

 

Copyright(C) 2002- ISABOU.NET All rights reserved.