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2010年12月1日
11月12日から中国の広州で開かれていた「第16回アジア競技大会」が、16日間の全日程を終え27日閉幕した。日本は600人を超す大選手団を送り込んだ割にメダル数が伸びず、メダル獲得競争では、圧倒的強さを発揮した416個の中国、232個の韓国に次いで、216個を獲得したものの第3位に甘んじた。金メダル数でもその順位は変わらず、中国が199個でダントツ1位、76個の韓国がこれに続き、日本は当初目論んでいた60個には言うに及ばず、途中で下方修正した50個もクリヤーできず結局48個に留まった。これが多いか少ないかは皆さんの判断に委ねるが、アジアの中では強いと思っていた競泳が振るわず量産できなかったのを見ると、政治や経済ばかりでなくスポーツの地位でも衰退し始めたのではないかと心配になってしまう。一時的な現象であってほしいものである。
それにしてもドデカイ大会だった。2年後に開かれるロンドンオリンピックで予定されている26競技を遥かに上回る42競技、476種目が行われ、金銀銅合わせた総数で1577個ものメダルが授与された。その競技種目一覧表を以下に示すが、オリンピックでは馴染みのない競技種目がかなりある。ただ、オリンピックでは馴染みがないものの、
ボウリングやビリヤードのように、日本では既に市民権を得ていて、「早くオリンピック種目になればいいのに」と思える競技もある。かと思えば、クリケットやスカッシュのように、名前はチョクチョク聞くが、日本ではまだまだ市民権を得るところまで広まっていないものもある。私なぞは、両競技とも実際競技をしているところをテレビ以外でまだ見たことがない。映画やテレビドラマでよく見かけるスカッシュは、一度実物を見たいと思っているのだが……。
「見たことがない」と言えば、セパタクローやカバディーもそうだ。テレビで一度か二度見た程度で、何ともユニークで面白い遊びがあるものだと思っていたが、アジア大会の正式競技になっていたとは知らなかった。特にカバディーは、「カバディー、カバディー…」と言い続けて鬼ごっこをしているような競技で、日本の競技人口は極めて少ない筈だ。ジックリと観てみたいと思っていたが、残念ながら日本ではマイナーな競技のためか、――多分ではあるが――アジア大会関連のニュースで放映されることもなかった。もっとも、カバディーに比べれば知名度の高いセパタクローでさえ、ついぞ目にすることがなかったことを考えれば、致し方ない事なのかも知れない。
"観たかった"といえば、空手や武術太極拳の武術種目、さらにはダンススポーツとローラースポーツにも興味がそそられる。冬季オリンピックで新しく加わった競技が新鮮な感動を与えてくれたように、どんな高度なパフォーマンスで我々を魅了してくれるのか楽しみにしていた。しかし、――見ていた時間が限られていたせいもあるのだが――テレビで観られたのは女子空手の形で金メダルを獲得した宇佐美里香選手だけで、しかも一瞬であったのは何とも残念だった。残念であったのは別にして、これらは特別高価な競技施設を必要としないだけに、発展途上国でも比較的手軽に楽しめる競技だ。もっと世界中に広がって、オリンピック競技に加わってくれないかと密かに期待している。
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注1:表中の種目数とロンドンオリンピック予定競技との整合性は確認していない。
注2:ソフトテニスはロンドンオリンピック予定競技ではない。 |
ところで、これまで話題の俎上に載せてきたボウリングにしても空手にしても、競技内容を知っている人が聴けば、十人が十人とも「その競技はスポーツだ」と言い切るだろう。ところが、今回の広州アジア大会では、「エッ、それもスポーツ?」と思わず聞き返してしまう競技が行われ、驚かされた。チェス、囲碁、中国将棋(シャンチー)だ。この3競技を一括りにして「チェス」と呼ばれているが、これらがスポーツだというのだ。確かに、チェスは「頭のスポーツ」と呼ばれているらしいが、まさか陸上競技などのスポーツと同じように扱わられるとは、本当にビックリだ。
ここまで広げてしまうと、日本将棋は勿論、トランプゲームのセブンブリッジなども対象にしてもおかしくない。すると、ババ抜きや神経衰弱も候補に挙げたくなってくる。オッと大事な競技を忘れていた。日本が誇る「頭のスポーツ」を忘れていた。頭も体力も使う、百人一首カルタだ。チェスよりも余程「スポーツ」と呼ぶのに相応しいと思うのだが、如何だろうか。
【文責:知取気亭主人】 |