いさぼうネット
賛助会員一覧
こんにちはゲストさん

登録情報変更(パスワード再発行)

  • rss配信いさぼうネット更新情報はこちら
知取気亭主人の四方山話
 

『お口のケア大丈夫ですか?』

 

2011年4月27日

ここ金沢だけの地域限定なのかもしれないのだが、4月もやがて終わろうとしているのに、再びインフルエンザ患者が出始めているという。先週の土曜日に行った、掛かりつけの医師の話だ。インフルエンザ流行前に接種したワクチンの効能がそろそろ切れたのに加え、寒暖の差が激しいのが、主な原因らしい。確かに、4月に入っても防寒着の手放せない日が多く、既に多くの桜が葉桜になってしまっているとはとても思えない。これだけ変化が激しいと、健康体でも体調管理は難しい。「そうか」と納得しながら、テレビのニュースで流れていた「被災地で流行りだした肺炎」の事を聞いてみた。

「じゃあ、"東日本大震災で避難所生活をしている人達に肺炎が流行っている"というのも寒暖の影響に由って発症したインフルエンザが悪化したものですか」と聞いたところ、それは違うという。避難所で肺炎に罹るのは特に高齢者に多いというから、それはインフルエンザとは関係なく、「嚥下性肺炎(えんげせいはいえん)」と呼ばれる「嚥下」が上手くできない人が罹る肺炎だ、との説明だ。つまり、"ゴクン"と唾や食べたものを飲み込むあの動作を上手く出来ない人が罹りやすい肺炎らしい。

  

唾や食物が誤って気管や気管支炎に入ってしまう事を「誤嚥」と言い、「嚥下」が上手くできない人はこの「誤嚥」が多い。その「誤嚥」の結果、細菌感染して発症するのを「嚥下性肺炎」と言うらしい。被災地は津波によって運ばれた泥が多く、乾燥してくると粉塵化して辺り一面に舞い上がる。防塵マスクなどの防塵措置を講じないと、粉塵と一緒に取り付いている細菌も吸い込んでしまう。加えて、誤嚥によって"細菌に汚染された唾"などが気管や気管支に入り、発症しているのだという。

また、高齢者は入れ歯をしている人が多く、避難所生活によって入れ歯の清掃が十分行われないと、細菌が増殖してこれに誤嚥が加わり発症する場合もあるのだという。どちらにしても、唾や食物を飲み込むときに気管に蓋をする一連の動作の能力低下が、肺炎の大きな原因の一つだと言える。すると、肺炎を防ぐ手立てとして、「嚥下力低下防止が効果的」と言う事になる。ではどうやって「嚥下」の能力低下を防げばいいのだろうか。

先の先生によれば、"歯茎のマッサージ"が効果的だという。どういう関わりがあるのかは教えて頂けなかったのだが、歯医者に掛かると"歯茎のマッサージ"を強く言われるのは、そのためでもあるという。確かに、歯医者に掛かると歯のブラッシングばかりでなく、歯茎についても良く指導される。それは「歯周病予防の為」と思っていたのだが、「嚥下力低下防止」にも役立っていたとは驚きだ。

  

"歯茎のブラッシング"は、その名の通り歯ブラシで歯茎をブラッシングするのだが、歯ブラシや歯磨き粉が無い時はどうしたら良いのだろうか。避難所生活などでは、デンタルケア商品が手に入らない場合もあるだろう。そういったことも考慮して、自己流ではあるが、実体験を基に私の秘伝を紹介しよう。

歯ブラシや歯磨き粉が無かった子供の頃や、学生時代の貧乏キャンプ旅行などでやっていた方法だが、歯ブラシの代わりとして人差し指を使い、これに歯磨き粉代わりの塩を付け磨くのだ。私が使ったのは荒塩だったが、不思議なことに、塩を使うと歯茎がギュッと締まる感じがする。では、その塩が手に入らなかったらどうするか。塩が無くても、ハンカチや手拭いがある場合は、これを指に当ててブラッシングしても結構効果がある。また、そういった物も無ければ、最悪指だけでも良い。やってみると、指だけでもそれなりにスッキリするものなのだ。特に歯茎マッサージは、歯茎の状況が"指に取るように分かる"から、歯ブラシがある時でもたまにやってみるのをお薦めする。きっと新しい発見がある筈だ。

  

指だけでは何となく気持ちが悪い人は、昔の人がやっていたように、木や竹を使って歯の表面を擦っても良い。木や竹の端を使うのだが、この時端を少し噛んでばらしておくことがコツだ。使い易くなる上に、少し柔らかくなって歯茎も傷つけ難くなる。こうすれば、木や竹を使っても歯茎をマッサージすることが出来る。とは言っても、歯茎が既に弱っている人は傷つきやすいから、できればこの方法は避け、気持ちの悪さはグッと我慢して、暫く"指マッサージ"を続けた方が良い。そして、できればやはり"塩指マッサージ"をお薦めする。

今では"塩入練り歯磨き粉"が売られているぐらいだから、効果はある筈である。ただ、いくら塩が効果的だと言っても、直ぐ効果が表れるものでないから、習慣化することが重要であることは言うまでもない。そういう意味では、嚥下が弱ってくる年頃の方には直ぐにでも実践することをお薦めする。備えあれば憂いなし、である。

  

これを書きながら、子供の頃指に荒塩を付けて歯を磨いた時の、あの"しょっぱさ"を思い出した。あの頃は"歯茎のマッサージ"も"嚥下"の事も全く考えてもみなかったが、今になって考えると、物が無い時のこういった先人の知恵は凄いものだ、と改めて感心した次第である。

【文責:知取気亭主人】

 


枝垂桜

 
 

Copyright(C) 2002- ISABOU.NET All rights reserved.