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知取気亭主人の四方山話
 

『9年目のお仕置き』

 

2011年6月15日

故あって、現在酒を断っている。呑兵衛を自認する私にとって大事件である。しかも、先週の金曜日で既に2週間が経つ。これだけ長い間酒との縁が切れていたのは、ひと月半程の入院生活を余儀なくされた26年前以来だ。2週間もの間酒を口にしないと、すっかり体からアルコールは抜け落ちボーッとしていた脳ミソも何となくスッキリとしてきたのではないか、と密かに期待している。加えて、ややもすると感じていた寝起きのだるさも、少し和らいできたように思える。「酒は百薬の長」とは言われているものの、どうやら物事の道理と同じで、飲みすぎたら“アカン”らしい。

しかし自他共に認める左党の私にとって、「1週間以上も酒を飲んでいない」なんて事はとても考えられない事で、酒席で同席した友人・知人が一様にビックリしている。ただ、それ以上に、本人が驚いている。遂に、「俺って、本当は酒が嫌い?」などとも思い始めている。勿論それは冗談だが、2週間の間に飲み会、会食、懇親会と酒がメインの集まりが3回もあったのに、友人達の巧みな誘惑にも見事打ち勝っているのだ。自分で言うのもなんだが、この呑兵衛にしてこの我慢強さ、少なくとも“アル中”でない事だけは実証できた!

「我慢強さ」という意味で言えば、断酒1週間目に参加した飲み会で唯一人の“ウーロン茶飲み放題選手”であったのだが、「生ビール!」「焼酎をピッチャーで!」「泡盛をくれ!」等の怒号の中でもグッと耐え、何とか“ウーロン選手”を全うすることが出来た。それを考えると、多分タバコの時と同じ様にこのまま禁酒できるだろう、と思っている。これで私も、タバコに加え酒もやめて、まるで聖人君子のような生活を送れることになる……。てな事は、全く考えていない。

 

どうも、私は生来意地汚く出来ているらしい。何を隠そう、顔は平静を装っているのだが、その実は、仲間が美味そうに飲む姿に思わず唾が滲み出しているのだ。ウーロン茶で誤魔化そうとしてはみるものの、「口に含んだあの味と喉越しのあの刺激」、小麦色の液体を包み込む美味そうなあの泡を見ていると、つい先日までの感覚が戻ってきて、如何ともし難い欲望が沸々と湧いてきてしまう。ましてや、これからの蒸し暑い日々を思うと、左党の皆さんと同じように、キンキンに冷えたビールが堪らなく恋しくなるのだ。

そして、他人が美味しそうに飲む姿に恋しさを募らせるのと同様に、酒への思いをより一層強くさせるのが“料理”である。何でも酒の肴にしてしまう私は、どんな料理を目にしても、「これはビールだな」「そっちは日本酒だ」「アレは焼酎に合う」等と、豊かな想像力を働かせてしまう。自然と舌なめずりをしてしまうのだ。正直言えば、もう頭の中は「断酒が解けた日の祝い酒は、何を肴に一杯やるか」で一杯だ。

 

こうなると、頼みの綱の「意地」と僅かばかりの「我慢強さ」に力を発揮してもらい、何とか「1ヶ月間断酒」を成し遂げたい、と思っている。と言うのも、さる御仁から、「1ヶ月も酒を抜けばスッキリするよ」とご指導を受けたからだ。その言葉の裏には、「断酒1ヶ月後には、アルコール漬けでボーッとしていた脳ミソが、霞が晴れたようにスッキリとする」、その結果「スンナリと引っ張り出せなくなった“記憶の引き出し”もスムーズに動く様になる」との嬉しい意味が含まれている、と思い込んでいるからなのだが……。

 

ところで、その目標としている1ヶ月も、残すところ2週間を切った。しかし、これまでの17日間と同じように、“悪魔の囁き”が聞こえてきそうな難関が、何度か待ち構えている。知人との会食だったり、会合の懇親会、あるいは解放感に浸れる土曜日の夕食だったりするわけだが、これをどう乗り越えるかが心配の種となっている。

“禁煙”成功への関門は、「3日、3週間、3ヶ月」とも、「3週間、3ヶ月、3年」とも言われている。その言を借りれば、今回のこの無茶な試練も3週間が最大の関門となりそうである。しかも、辛いことに、丁度その辺りに左党が集う懇親会が予定されているのだ。今から意志を強くして気を引き締めているのだが、少々不安を感じている。かくなる上は、喪明けのビールを楽しみに、雑念を振り払い、目標の1ヶ月をクリアーしたいと思っている。

 

しかし、2003年6月13日にスタートさせたこの四方山話が、今回のこの第414話で丁度9年目に突入する記念すべき時だというのに、まさか“生涯の友”と思っていたお酒を中断する羽目に陥るとは、何の因果だろうか。時々グラス片手に書いている“手抜き”がばれて、神様から「酒を抜いて、もっと真面目に書け!」と「9年目のお仕置き」を受けたのかもしれない。確かに、最近そんな手抜きが増えてきたことは家族にも指摘されているし、“家族からのお咎め”も“体からの異常信号”も無かった事を良いことに40年以上も飲み続け、しかも飲んできた量が半端でない事も決して否定しない。だけど……。

オッと、みっともない愚痴は止めておこう。「これも身から出た錆」と潔く諦めて、「9年目のお仕置き」を甘受しておこう。さすればきっと、キュンキュンに冷えたビールが待っていてくれる。断酒中に義弟から貰った日本酒も、箱の中で大人しく待っていてくれる。その脇には、口を開けた焼酎、泡盛も控えている。後は、ウィスキーとワインを取り揃えておけば、盛大な喪明けパーティーが開催できる筈なのだが……。

【文責:知取気亭主人】
  


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