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知取気亭主人の四方山話
 

『鬼子母神』

 

2011年9月28日

9月22日、初孫が1歳の誕生日を迎えた。誕生したばかりの時には寝る事と泣くことしかできなかった小さな命が、たった1年で、パパ、ママ、バーバなど沢山の言葉が出る様になり、愛くるしい笑顔を家族に振りまくまでに成長した。最近では、見様見真似でモノのやり取りを覚え、「どうじょ!」と言いながらオモチャ等を手渡してくれる。そしてその後に、こちらが「どうぞ」と言いながらそれを返すと、お辞儀をして「ありがとう」の仕草をするのが、何とも言えず可愛らしい。

息子たち夫婦は親として当然その幸せを味わっているのだが、私や家内そして娘たちや次男も、その小さな命が腕に抱かれて胸に顔をうずめて寝ようものなら、抱いている当人たちは、腕の疲れも忘れて至福のひと時を味わうことが出来る。それでも、何をどうしたことか、時には私に抱かれるのを嫌がる事もある。しかし、“何時も”でもないし、そんなに長い時間嫌がるわけでもない。きっと「いつも優しくしてくれる白髪のおじいちゃん」と信頼してくれているに違いない、と勝手にそう思っている。

しかし、流石におなかが空いてオッパイをほしがる時は、こうはいかない。大好きなパパでもバーバでも泣き止まない。ママでないとダメだ。当然といえば当然の事なのだが、小さな命にとっての母親は、何人にも代えがたい一番大事な人なのである。この世に生を受けて以来、おなかが空いて泣けば必ずオッパイをくれる人の温もりや心臓の鼓動を、しっかりと覚えているのだ。また母親にしても、自らのおなかを痛めた我が子を愛おしく思う気持ちは、誰よりも強い。そんなお互いの深い結びつきがあるからこそ、母と子の絆は父と子の絆よりずっと強い、そう思っていた。  

ところが、どうもそうばかりとは言えない仰天ニュースが飛び込んできた。母親が未成年の我が子に売春をさせていた、というニュースだ。しかも、こんな信じられない事件が2件も続けて報道されたのだから驚いてしまう。

 

8月中旬、札幌の16歳の少女が、逮捕された。容疑は、覚せい剤取締法違反だ。高校生が覚せい剤を使用していたこと自体にも呆れてしまうが、実は覚せい剤の使用は実の母親から勧められたもので、その上小学校6年生の時から実母に命じられて売春をさせられた、というからビックリ仰天だ。勿論、当の母親も覚せい剤常習者で逮捕されているという。ニュースの内容からは、子供を慈しみ育てる、という母親としての自覚も愛情のかけらも感じられない。家庭環境としては最悪だ。報道によれば、母親は覚せい剤欲しさに実の娘に売春をさせ、挙句の果てに中学1年から2度の中絶も経験させている、というのだから最早母親の所業ではない。鬼女だ。  

 

また、児童福祉法違反の罪に問われた新潟の母親も、母親失格だ。親としての自覚は勿論だが、ヒトとしての道徳心や規範意識が全くない。中学生の長女とその友人、そして小学生の次女から請われるままに売春やわいせつ行為の斡旋をしていた、というから耳を疑ってしまう。小学生や中学生と言えば、思春期の一番輝いている時期だ。そして、親にとっては、その成長が楽しくもあり、眩しくもある時期なのだ。それを、幾ら「子供にせがまれたから」と言って、売春の手助けをするなどとは通常の感覚ではない。

「子供に嫌われたくなくて…」などと犯行理由を述べているようだが、人としての道を踏み外さないように子供を育て導いていく、親としての役目を完全に放棄している。親は、「人生には、遣りたくても遣ってはいけない事があり、遣りたくなくても遣らなければいけない事もある」をしっかりと教えなければならない。それが親の役目というものだ。例え喧嘩になっても、である。  

 

しかし、こんな破廉恥な事件を実の母親が起こすとは、まさかとは思うが、日本人の中にある“親としての情愛”が無くなりかけているのではないだろうか。今回の事件や近頃頻発している親による虐待のニュースを聞くと、「あながち的外れではない」と思えてしまうから恐ろしい。そう考えると、今回のこの忌まわしい事件を起こした二人の母親を始め、幼児・児童虐待を繰り返す親達には、是非参拝して欲しい神様がある。鬼子母神だ。名前はおどろおどろしいが、鬼子母神は、「安産と子育ての守り神」として信仰を集めている、母子の神様だ。母親の愛情の象徴、と言って良い。子供のために、静かに手を合わせ、これまでを悔い改め、健やかな成長を心から願って欲しい。

そんな鬼子母神の言い伝えはこうだ。

鬼子母は、500人とも千人とも言われるほど沢山の子を持ちながら、人の子をとって食ってしまうほど残忍で、人々から恐れられていた。お釈迦様はその過ちを気づかせるために、最も寵愛していた末子を隠し、「沢山の子供の内たった一人の子を失っただけで、お前はそれほど嘆き悲しんでいる。いわんや人の大事な子を食らうとは、その父母の嘆きが分かるか」と諭したという。そこで初めてこれまでの過ちを悟り、お釈迦様に帰依し、以来安産と子育ての守り神として人々に崇拝されるようになった、というのだ。愛情は深い。  

 

二人の母親にも、鬼子母神と同じように是非ともこれまでの過ちを悔い改め、たっぷりの愛情を子供に注いで貰いたいものである。子供達は本当の愛情に飢えている筈なのだから…。

【文責:知取気亭主人】
  


子供の笑顔はどんな人も和ませてくれる
 

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