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知取気亭主人の四方山話
 

『驚きの防災訓練』

 

2011年11月9日

11月6日の日曜日、校下一斉の防災訓練が実施された。私の町会でも、事前に次のような予定表が回覧されて、167世帯、450名強の住民を対象に行われた。

 

   ○ 9:00地震発生

   ○ 9:05避難連絡

   ○ 9:15避難&安否確認

   ○ 9:30町内危険個所点検

   ○10:00小学校へ移動

   ○10:30安否情報受付へ

   ○10:40避難所生活スペース作り

   ○11:30終了

 

 入院中の母が参加できないのは当然として、風邪が抜けきらない家内と扁桃腺を腫らして寝込んでいる次女を残し、我が家では私一人が参加することとなった。東日本大震災の惨状が脳裏に焼き付いていることと、訓練の一環として予定されていた町内の危険個所点検を町会としてはこれまでやっていなかったこともあり、これは是非とも参加しなくては、と意気込んで身支度を整えていた。ところが、今か今かと避難連絡を待っていたのだが、予定の9時5分が過ぎても一向にそれらしき連絡が入ってこないのだ。仕方なく、もう連絡は来ないだろう、と判断して9時10分過ぎ、指定されている第一次集合場所に向かった。

集合場所付近に来ると、既に10人ほどが集まっている。見ると、全員が一目で“還暦過ぎ”と判る人達ばかりだ。どこもご多分に漏れずのようで、このような町会の催しは年寄りが担当らしい。ただ、そんなに広くない町会なのに、年寄りの足の遅さを差し引いても、いかにも集合が遅い。

日曜日で雨、ということもあるのだろうが、以前から防災に関する関心の低さを心配していた通り、その後もぽつぽつとしか集まってこない。前回参加したときもやはり参加者は少なく、確か全住民の1割ほど、50人位だったと記憶していたのだが、今回はもっと集まりが悪い。危険個所点検に向かう予定時刻になっても、一向に増える気配はない。結局、最終的な参加者は僅か40人ほどだっただろうか。数えたわけではないが、多分1割にも満たない筈だ。3.11から8ヶ月しか経っていないのに、幾ら東北から遠く離れた地とは言え、この危機感の無さ。アングリだ。

 

危機感の無さは、その後の町会役員の説明でも驚かされることになる。避難連絡が一向に入ってこなかった事もそうなのだが、集まった我々に対する家族や隣近所の安否確認が全くされないのだ。班長が、参加した各班の人数を確認し、役員に報告して終わり。参加者に対する呼びかけも発表もない。そして、最も落胆させたのは、私が期待していた町内の危険個所点検を行わない、というのだ。驚いて役員に理由を尋ねてみた。

すると、「危険個所を見て回るとその範囲に住んでいる人達が心配するから、という意見が出され、取り止めることになった」と、起こってからでは取り返しがつかないのに、理由にならない理由を言う。今回の大震災で、事前に正確な情報を得ておくことの大切さを嫌という程見聞きした筈なのに、まだ頓珍漢な意見が大手を振っていることに驚かされる。3.11以降良く言われている「正しく怖がる」が、全く分かっていない。能登半島地震を身近に経験し、3.11の惨状を目の当たりにしても、防災に関する意識の時間は平穏な昔に止まったままだ。

しかも、「このまま避難所となっている小学校に移動します。ただ、他の町会は危険個所の確認をやっていると思うので、今すぐ行くと30分以上待たなければいけません。小学校でやることは段ボールで生活スペースを確保する訓練だけです」と、これからの予定は大したことのないような説明をし、「したがって、ここで帰って頂いても一向に構いません」と結んでしまったのだ。いったい今回の防災訓練は、何の為だったのだろうか。町会の本年度事業に計画されていたから形式上やっただけ、と取られても仕方ない言い方だ。

 

ただ、役員の皆さんは、「折角の日曜日だから…」と気を使ってくれたのかもしれない。また、集まった大多数の人達より若い役員だったから、我々年寄りの体をいたわってくれたのかもしれない。だとすると、有難い話ではあるけれど、それでは気の使い方が違う。名前の通り、この日ばかりは「防災訓練」に傾注しなければいけないのだ。しかし、どうしてこうなってしまうのだろうか。それにしても…、である。

老人だけの世帯が圧倒的に多くなってきている状況を考えると、我が町会の防災力は年々落ちていくばかりだと思う。そんな中で行われる防災訓練は、町会にとっても各家庭にとっても、防災力を維持・向上させるための貴重なイベントである。なのに、この結果である。客寄せパンダではないけれど、防災訓練に町民が参加したくなるような、とびっきりの工夫が必要なのかもしれない。

4月に行われる町会の総会に、そんな工夫のひとつでも提案しようと思っているのだが、さてどんな提案をしたらいいのやら。思案のしどころである。          

【文責:知取気亭主人】
  


散歩中に見つけた赤い実(ウメモドキ?)
 
 

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