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知取気亭主人の四方山話
 

『今年もご愛読ありがとうございました』

 

2011年12月28日

大地震と未曾有の大津波、そして台風災害と、自然の猛威をまざまざと見せつけられた今年も、いよいよ最後の四方山話となった。思い返せば、3.11の大震災で受けた人々の傷も癒えないまま、アッという間に過ぎた一年であった。被災された人々が記録した生々しい映像によって、津波の凄まじさを世界に伝えることとなったが、既に9ヶ月が過ぎても復興とは程遠く、与野党含めて政治の無策が腹立たしい一年でもあった。暗い陰を落としている福島原発の事故についても、政府は原発事故そのものの終息を宣言したが、避難対象となった住民の帰宅は勿論のこと、復興の前提となる放射能汚染地域の除染すら、未だにその道筋も見えない。

そういった「政治の無策」と「本物の政治家不足」が際立つ一方で、日本国民は勿論、海外からも多くの暖かい支援の手が差しのべられ、日本人が「絆の尊さ」を再認識した年ともなった。また、未曾有の災害を受けたにも拘わらず、暴動も起こさず必至に復興に立ち向かっていく日本の姿に、海外から賞賛の声が寄せられ、日本人としての誇りを多少なりとも取り戻した感があるのは、せめてもの救いであった。

自然災害ばかりでなく、経済にも目を向けると、今年は東証一部上場企業の不祥事が相次ぎ、日本のコーポレートガバナンスが問われる事態となった。そう言った暗いニュースばかりが目立った卯年だったが、「なでしこジャパン」がワールドカップで見事優勝を飾り、日本中に勇気と感動を与えてくれたのは、未だ記憶に新しい。

そういった悲喜こもごもの中から、一年間書き綴った「四方山話」を紐解き、一年の締め括りとして、昨年同様、印象深い出来事を拙い狂歌で振り返ってみたい。

  • 街を消し 全て飲み込む 大津波  浮かび上げるは 政治の無策
  • 想定は 試験と同じ 山を賭け  それは要らない これも有り得ぬ

3月11日金曜日の14時46分頃、三陸沖を震源とするマグニチュード9.0の巨大地震が発生した。「東日本大震災」と命名された観測史上最大のこの巨大地震は、東北地方を中心に甚大な被害をもたらし、12月26日現在、死者1万5844人、行方不明者3,469人(警視庁発表)もの犠牲者を出した。更に、福島第一原発からの強制避難を含め、12月15日現在になっても、33万4786人(政府発表)もの人達が避難を余儀なくされている。

激しい揺れと津波、今回の巨大地震はこれだけでなく、地震に対して安全だと言われ続けてきた原子力発電所が想定を超える津波を受け、冷却用の全電源を喪失し、メルトダウンや水素爆発で建家が吹き飛ぶなど、世界を震撼させる深刻な事態に陥った。その衝撃ニュースは世界を駆け巡り、近隣諸国ばかりでなく、世界の国々を不安に陥れている。

地震発生から既に9ヶ月が過ぎた。この間、国家の指導者は、菅前首相から自らをドジョウと揶揄した野田新首相へと交代した。一致団結してこの難局を乗り切らなければならい大事な時に、政府与党は言うに及ばず、自民党を始めとする野党も我が身可愛さの政治闘争に明け暮れている様に見える。今回のこの大震災における最大の不幸は、「政治の無策」と「本物政治家の不作」であろう。

また、福島原発の事故に関しては、東電を始めとする原発村の人達は「原発事故の原因は想定外の津波だ」と言い、「甘い想定だった」との反省の弁は聞こえてこない。都合の良い想定は、太平洋戦争の失敗を彷彿させ、「また同じ失敗を繰り返している」と諦めにも似た境地にさせた。今後、政府の事故調査・検証委員会(委員長:畑村洋太郎氏)が、そのあたりの矛盾を鋭くえぐり出し、同じ失敗を繰り返さないための提言を期待するばかりである。

  • 種素質 土は努力で 肥料ギャグ  人気も咲かす  大和撫子

美しくも逞しい我らの“大和撫子達”が、日本サッカー界に素晴らしい金字塔を打ち立てた。ドイツで開かれていた第6回女子サッカーワールドカップ大会決勝でFIFAランク1位のアメリカを下し、見事世界一に輝いた。男女を通じ、日本チームが、初めてワールドチャンピオンになったのだ。加えて、キャプテンの澤選手が、MVPと得点王に輝き、優勝に花を添えた。素晴らしい、の一言に尽きる。

それにしても、本当に凄い事をやってくれた。欧米選手に比べると遥かに体格的に劣る日本選手が、体格のハンディーをものともせず、サッカー先進国である欧米の強敵を撃破し、見事世界の頂点に立ったのだ。その見事な戦いぶりは、3.11の大震災で打ちひしがれていた多くの日本人に、「諦めない事の大切さ」と「やれば出来る事」を、身を持って実証してくれたものであった。兎に角、日本の全国民に勇気と感動を与えてくれた、今年一番の出来事だった。

加えて、凱旋帰国後の彼女たちの人気も凄く、女子サッカーの裾野を広げる広告塔として、競技場外でも大活躍である。きっと、彼女たちに憧れる多くのちびっ子サッカーガール達が、将来のなでしこジャパン入りを目指して行くに違いない。また、駄洒落を連発して人心を掌握している佐々木則夫監督も、選手達と同じく一躍人気者になった。このチームワークで、来年のオリンピックでも、是非金メダルを持ち帰って欲しいものである。

  • デジタルの 加工技術は お手の物  損失汚点 飛ばして隠す
  • 大王の 札で創った ティッシュでは  拭えぬ見栄と 拭けぬ負け癖

内視鏡やカメラ等の光学器械メーカーとして有名なオリンパスが、上場廃止の瀬戸際に立たされている。本業以外で発生させたしまった巨額損失を、飛ばしによって浮かせた不正な金で穴埋めさせたのが、ばれてしまったのだ。しかも、その不正に気が付いたイギリス人の社長を、不正に携わってきた役員達が発覚を恐れ解任してしまった、というから情けない。監査役や監査法人、会社のトップが意図的に行ったこの破廉恥行為は、日本企業のガバナンスがなっていないことを、世界に知らしめる結果となってしまった。恥ずかしい話だ。

また、「天使の羽根」という意味のティッシュを生産販売している大王製紙も、会長の企業トップとして考えられないような子供染みた行動で、企業ガバナンスが体をなしていなかったことを露呈してしまった。創業家三代目の井川意高前会長は、関連子会社から私的に106億円を超える大金を借りその殆どをカジノで使ってしまった、というから呆れてしまう。「会社のポケット=自分のポケット」と思い込んでいたらしい。ビギナーズラックで億の金を儲け、泥沼にはまっていったらしいが、VIP待遇の心地良さに踊らされ、加えて拭い去れない見栄と焦りが転落させてしまったのだろう。

オリンパスにせよ大王製紙にしろ、企業トップの不始末である。コーポレートガバナンスが問われても仕方がない、お粗末な事件である。

以上、狂歌の出来はご容赦願うとして、印象に残った出来事を詠んでみた。来る年の締めの四方山話は、明るい話題で一杯にしたいものである。

今年は、日本にとって本当に、辛く悲しい一年でした。そんな中、四方山話を何とか一年間続けることができましたのも、一重に拙い文章にお付き合いくださる皆様のご声援・ご愛読の賜物、と深く感謝しております。本当にありがとうございました。皆様にとって迎える年が素晴らしい一年になりますように、そしていさぼう会員皆様のご多幸とご健勝を祈念して、四方山話2011年の締めと致します。

【文責:知取気亭主人】

  

難が福に転じるよう祈念しています(南天の実)

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