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知取気亭主人の四方山話
 

『タイミングの神様がいる?』

 

2012年1月11日

「製造物責任法」という法律がある。「電化製品など製造物と認定される物品を製造したメーカーは、部品の劣化などを考慮しても10年間は責任を持たなければならない」というものだ。逆に言えば、「10年間だけ責任を持てば良い」とも解釈でき、これを逆手に取ったのか、今の電化製品の殆どは、修理しようとしても10年以上経ったものは部品が無く修理がきかない。先日も、要らなくなった電気スタンドをリサイクルショップに持っていたところ、壊れた時修理が出来ないので買取できません、と体よく断られてしまった。まだ使えるのに、もったいない話である。

しかし良く考えてみると、「形あるものはいずれ壊れる」の道理で、プラスティックなどが多く使われるようになった今時の電化製品は、使用頻度がさして高くなくても紫外線などによって経年劣化が進行し、石油ファンヒーターや扇風機からの出火が取り沙汰されたように、否応なく製品の安全性に問題が生じてしまう。私が独身時代から使っていた扇風機などは、出火の恐れがある商品としてテレビで頻繁に注意され、3年ほど前に泣く泣く処分したこともある。30年以上素人なりの修理で手を加え使ってきただけに愛着があったのだが、安全性に問題があるとなれば仕方がない、と諦めたものだった。

ところが、家電製品を揃えるのは結婚を契機にすることが多く、どこの家庭でも同じような時期に買い揃えることになる。すると、「10年経ったら必ず壊れる様に作っているのではないか」と疑いたくなるような、同じようなタイミングで故障し始めることになる。あるいは、多少ずれたとしても、ある年を境に毎年何かが壊れ、買い替える羽目に陥るのだ。

我が家も例に漏れずで、家を新築したときに揃えた家財が、10年経った辺りから徐々に故障し始め、5〜6年前にトイレなど水回りが壊れたのが最盛期だった。その後しばらく鳴りを潜めていてのだが、ここにきて再び修理や買い替えが必要となり始め、その対応に往生している。

まず、12〜13年前にやり直した外壁に再び亀裂が入り始め、とうとう昨年の夏時分に外壁に使われている固化材が溶脱し、部分的にではあるが真っ白になってしまった。良く外壁を観察してみると、南側や西側に沢山の亀裂が認められ、結局塗装による修理をすることになった。その修理が終わりやれやれと安心した途端、今度は17年間使っていたエアコンが、ものの見事に動かなくなってしまった。ウンともスンとも言わないのだ。修理を頼んでも「部品が無い」と言われるのは明白で、冷え性の家内には可愛そうだが、省エネへの貢献とばかりに、今は寒さをグッと堪える生活をしている。

水道の蛇口もパッキンが痛んでいるらしく、しっかり締めたつもりでもポタリポタリと滴が落ち、完全に止まらないでいる。昔ながらの単純な蛇口であれば私でも修理できるのだが、食洗機と繋がっている複雑な形状の蛇口の部品は、近くのホームセンターでは扱っていないし、俄か修理士には荷が重い。「何れは…」と思っているのだが、僅かな漏れだけに中々思い切れないでいる。しかし、確か7〜8年前に替えたばかりなのに、もう止水が緩くなってきているとは、ちょいとばかり早すぎる。365日毎日休まず働いているヒトの体でさえ、60年以上使って来ての、切れの悪さ、ポタリポタリなのに……。オッと、そんな話題は置くとして、蛇口のポタリポタリは、「そろそろ10年ですよ」の合図なのかもしれない。

水道の故障は、家庭の中ばかりではない。各家庭に届けられるまでの配管でも、経年劣化による破損が突然起こることがある。9日の成人式の日、我が家の前の道路で突然噴水騒ぎが起こった。道路に埋められた水道管がどこかで破裂して、アスファルト舗装と側溝との間から、勢いよく水を噴き上げたのだ。隣の奥さんが知らせてくれて気が付いたのだが、15年ほど前にも同じ場所で噴水騒ぎを起こしている。大型トラックが通る様な道でもないのに、どうしたことだろう。市の担当者は、「腐食によるものでしょう」と言う。そうは言われても、どうして我が家の前ばかりで噴水騒ぎが起こるのだろう。私の団地は造成が古く、既に40年は優に経過していることを考えると、“さもありなん”なのではあるが……。

しかし、本当にタイミングが悪いというか、我々の知らない賞味期限が突然訪れたというのか、私の身の回りにある家財道具が次から次へと見事に故障していく。まるで伝染病に罹った様だ。労働災害でよく使われるハインリッヒの法則の様に、「1件の重大事故の陰には29件の小さな事故があり、またその背景には…」という具合に、故障の前兆が顕在化してくれればいいのだが、素人にはなかなか見つけられない。しかも、昔の単純な仕組みの道具や材料であれば、故障を見つけた時でも修理が可能だったのだが、今時の複雑な仕組みのモノは難しい。結局、見つけられるようになった時には修理不可能な状態になっていて、買い替えるか、懐と相談して都合が悪くても故障のまま我慢してしまう事になる。

タイミングを見計らっている神様がいるとも思えないのだが……。

【文責:知取気亭主人】

  
掛かりつけの医院に飾られている電飾
これも飾るタイミングがある、灼熱の夏に飾られてもネェ〜!

 

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