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知取気亭主人の四方山話
 

『夏でもないのに・・・』

 

2012年6月6日

何となく梅雨入り間近の空模様になって来た。先週の末辺りからスッキリと晴れ渡るという日がなく、空気は湿り気を帯び、じっとりと肌にまとわりついて来る。テレビでは、早くも夏の到来を告げるかの様に、太平洋岸をかすめながら北上する台風のニュースを流し始めている。もう直ぐ訪れる、うっとうしい梅雨空の前触れだ。関西では電力不足も囁かれる、うだるような蒸し暑い日本の夏も、今か今かとその後ろに控えている。正直、あまり歓迎はしたくない季節の訪れである。

これからのこの季節、日本人にとってはあまり好まれないが、蒸し暑い時期だからこそのご利益もあって、気温の上昇とタップリの水分のお蔭で、植物は緑を濃くし勢いを増す。と同時に、多くの虫たちも、待ちに待った繁殖の時期を迎えることになる。身近なところでは蛙だが、今年も、町内の防火用水ではモリアオガエルが産卵をし始め、賑やかな合唱も聞こえている。この様に蛙が鳴き始めると、比較的緑が多い我が家の周りでは、嫌われ者の蚊もやがて“我が世”を謳歌することになる。そんな蚊の繁殖予防にと、先週の日曜日、駐車場の草刈りを行った。先々週やった刈り残しの処理だ。

最近の四方山話でチョクチョク草刈りの話題を登場させているが、住宅街の中で借りている駐車場なので、ご近所迷惑にならないようにと、毎年3回も草刈りをしている。梅雨前、梅雨明け、秋の3回だ。他の2回はあのブンブンと五月蠅い蚊に悩まさせられるのだが、梅雨前のこの時期は、まだ蚊もいなくて比較的やりやすい。今回も蚊の攻撃に曝されることなく、順調な作業が出来た。

2時間ほど汗をかいて、やれやれと腰を伸ばした時に、左目に何やら虫の様な影が動くのが見えた。「ウンカも蚊もいなかったのに何だろう、草刈りに夢中になっていて目にゴミが入ったのに気が付かなかったのかな」と思いながら目を瞬かせたのだが、異物が入っているような違和感は全くない。しかし、その虫らしき影はせわしなく動き回っていて、一向に目から出ていかない。虫の正体は不明だが、どうやら目の中に何かいることだけは確かだ。しかも、シャワーを浴びて顔を洗っても取れない。ただ、痛みも違和感も何もない事から、いずれ取れるだろうと、“ムシ”を決め込んだ。

しかし、思った以上にしつこい虫で、翌朝になってもまだいる。それでは、とコップに水を張って目を洗ってみた。でも、やっぱり取れない。どうやっても出ていかないのだ。気になりだすとダメなもので、目玉を動かすと虫も一緒について来る。涙と共に出てくれるのではないか、と自然治癒を願ったのだが、やっぱり駄目だ。とうとう諦め、眼医者に行った。

飲み友達の先生が下した診断は、想定していた通り、「飛蚊症」だ。夏でもないのに、「蚊が飛んでいる」と書く症状だ。先生の説明では、眼球内の硝子体に混濁が生じ、その影が“糸くず”の様に見えるのだという。当の先生も症状が出ていて、その形状は“結び目のある紐”の様だと言う。私の場合は、形はオタマジャクシ、あるいは精子の様に見える。しかも、動き自体もまるでオタマジャクシだ。痛みは全くないが、今の今まで目の中にいなかっただけに、気になりだすと相当な邪魔モノである。「蚊だって? 夏でもないのに…」と愚痴ってもみたくなってしまう。

そんな愚痴はさて置いて、「正確な原因をはっきりさせておきましょう」ということで、6月2日の土曜日、「蚊」の発生原因を探りに、検査を受けに行ってきた。先生の説明によれば、硝子体に発生する混濁の原因は、いくつかあって、①加齢により発生する生理的なもの、②後部硝子体剥離(硝子体が委縮して網膜から剥がれる)によるもの、③網膜剥離(網膜が剥がれる)や網膜裂孔(網膜に孔が開く)、④眼底出血などがあるらしい。瞳孔を広げて検査をしてもらったところ、「加齢によるもの」とのご宣託を頂き、「酒の飲み過ぎ」が無かったことも含め、ホッと胸をなで下ろしているところである。また、還暦を迎えた辺りから様々な体調変化を経験しているだけに、「加齢」の二文字を聞けば、素直に「納得」でもある。

この季節無視の「蚊」、というか私の場合の“オタマジャクシ”は、多分、春でも秋でも、そして雪の降る寒い冬でも、遠慮会釈なく動き回ることになる。原因が加齢による生理的なもので病的なものではない、と安心はしているのだが、加齢は否応なしに進むから、硝子体に飼っている今のオタマジャクシが蛙に成長し、その蛙がまたオタマジャクシを産む様なことは無いのだろうか。もしそうだとすれば、一寸見てみたい気もする。ただ、目から鳴き声が聞こえるのも、相当違和感があるのだが……。

さてさて、何時もの妄想はこれ位にして、最後の締めに入ろう。今回のこの四方山話、「飛蚊症」の箇所を先生に監修していただいた。お蔭で、医学的な間違いを修正でき、随分と分かり易い表現に改めることも出来た。この場を借りてお礼を申し上げたい。

目玉無垢像先生、お互い、“結び目のある紐”や“オタマジャクシ”とは長い付き合いになりそうですが、私との長いお付き合いも宜しくお願いします。それから、時々監修も宜しくお願いします。ありがとうございました。

【文責:知取気亭主人】

  
モリアオガエルの卵 卵の直ぐそばで見守る親蛙(?)
 

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