2012年8月8日
ロンドンオリンピックがいよいよ佳境に入って来た。7月27日に開幕した第30回夏季オリンピック大会は、前半の花形競技だった競泳も終わり、いよいよ、もう一方の花形である陸上競技に移って来た。予定では今度の日曜日、8月12日をもって、26競技302種目の戦いが終わることになる。
前回の北京オリンピックの時にも書いたが、参加国は回を重ねる毎に増え、今回のロンドンオリンピック大会に参加している国と地域は、204にも上っている。しかも、これまで宗教上の問題で女性を出場させてこなかった、イスラム圏のいくつかの国(サウジアラビア、カタール、ブルネイ)も女性選手を派遣させており、オリンピック史上初めて、参加した全ての国と地域から女性選手が派遣された大会となったという。3日に行われた柔道女子78キロ超級で、サウジアラビアの選手が、イスラムの女性が頭部を覆う“ヘジャブ”を着用して出場したのは、その象徴的なシーンだったと言って良いだろう。
また、南海キャンディーズの「しずちゃん」ですっかり知られるところとなった女子ボクシングが今大会から正式種目となって、五輪史上初めて全競技に女子の種目が実施されることとなったという。そういう意味では、女性アスリートの活躍の場が広がった大会、と後々評価される大会なのかもしれない。
そんな評価できる点がある一方で、チョッといただけない競技も目についた。その根本原因は、どうやら競技ルールにあるらしいのだが、皆さんはどんな感想を持たれただろうか。
いただけない競技は、2つあって、ひとつは日本のお家芸の柔道だ。私も少しばかりかじったことがあるのだが、当時教えられたのは、「しっかりと組んで技を掛け合う」といういたってシンプルなものだった。ところが、今回の試合を見ていると、「積極性に欠ける」とみなされる「指導」をいかに受けないかに終始していて、私が教えられた柔道とはだいぶ違う。今回の大会からルール改正があって、「最初から足を取ったり、抱きついたりするのは禁止された」と説明していたが、何やら一層「道着をまとったレスリング」みたいになって来た、と感じたのは私だけではあるまい。しかし、この変貌には賛否両論あるようで、柔道が国際的に認められ「柔道からJUDO」になったのだから、日本も国際ルールでメダルを取れるように指導を変えるべきだ、という容認意見。反対は、私の様に「昔の様な柔道に戻るべきだ」という意見だ。さて、皆さんはどう感じておられるだろうか?
もうひとつのいただけない競技は、失格選手まで出てしまったバトミントンの女子ダブルスだ。残念な事に「無気力試合」などという言葉まで有名になってしまったが、世界バドミントン連盟(BWF)のコメント、「勝つための努力を怠り、競技を汚す行為に及んだ」の強い非難声明が、世界を駆け巡った。結局この処分で、中国、韓国、インドネシアの4ペア、8選手が失格となってしまった。
すでに準々決勝進出を決めていたこの4ペアが、準々決勝で有利な相手と当たるために、故意に負けようとしたと判断されたらしいのだが、8日から始まる夏の全国高校野球甲子園大会の様に、「準々決勝の対戦相手はくじ引きで決める」というルールにしておけば、こんな残念な事にはならなかった筈だ。無気力試合は厳に慎まなければいけないが、8人のこれまでの努力、そして「少しでも良い色のメダルを…」との強い思いを考えると、ルールが招いた悲劇とも言えるのではないかと思っている。そういう意味では、「BWFは二度とこういった事が起こらないように“ルールを改正すべきだ”」と考えるが、皆さんは如何だろうか?
さて、そういった“いただけない点”があるにはあったが、前半戦を終え、日本選手の活躍には目を見張るばかりだ。競泳陣のメダルラッシュもそうだし、「初めて金メダル1個」と意気消沈している柔道も私から見ればよく頑張った。男子体操も見事だったし、これまで日の当たることの少なかったアーチェリーも素晴らしかった。また、くだんのバトミントン女子ダブルスも見事銀メダルを獲得してくれた。そして、男女のサッカーの快進撃も嬉しいニュースで、まだ登場していない競技も含め、12日の最終日まで、まだまだ楽しみな競技が目白押しだ。ただ、問題はそれらの放映時間だ。
イギリスと日本との時差はマイナス8時間も有って、日本時間の18時がイギリスの10時に当たる。競技時間は朝から夜の9時頃までだろうから、日本時間で言うと「夕方から明け方に掛けて」ということになる。つまり、いつもは寝ている時間にテレビにくぎ付けになる訳だ。その上、一番見たい競技は、神様のイタズラなのか、大体深夜になることが多い。すると、必然的に陥るのが寝不足である。この症状は、多分日本国中に万延している。
私も似た様なもので、流石に次の日が仕事の時はグッと我慢をするのだが、次の日が休みとなると、決まって寝不足になる。健康に良くないことは承知しているのだが、どうも誘惑には勝てない。ただ、日本人の活躍もあって、「苦痛」というよりは「心地良い寝不足」となっている。こんな寝不足であれば大歓迎だ。
選手の皆さんには、是非とも、残された競技でも日本中に感動を与え、多くの人を「心地良い寝不足」状態にしてもらいたいものである。ガンバレ!日本!
【文責:知取気亭主人】
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我が家の緑のカーテン(ゴーヤとキュウリ)
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